海から来られた貴人 弐 — 良い住み家
シリーズ壱では、大磯に高句麗や天竺の貴人が上陸されたお話でした。
小田原オフィスがある国府津駅近くの浜辺にも、束帯姿(平安時代の貴族の正装)の貴人が上陸されています。ここには、この貴人のお告げで菅原道真公をお祀りするようになったという菅原神社があります。
994年6月末日黄昏時、貴人は木船で渚に着かれ、海岸で納涼していた村人たちに饗応され、しばらくこの地に滞在しておられました。その後、誰にも別れを告げずに何処かへと去られました。道真公の没後90年が過ぎた頃の出来事です。貴人は境内の諏訪社の祭神として合祀されています。
見ず知らずの人を歓待する村人も素敵ですが、貴人も都の教養を身につけられた愛される魅力的な人だったのでしょう。
また、この海岸には紀元前200年頃、稲作技術を持った人々が新天地を求めて上陸されたようです。
国府津から鴨宮にかけての開けた平野部には、東日本では最古で最大規模の弥生時代の集落、中里遺跡があります。
竪穴住居跡が102軒もある環濠集落で、井戸も6箇所あり、中央の広場には高床式切妻造の大きな建物がありました。農耕具や木材を加工する大陸系磨製石器も出土しています。
瀬戸内系の土器があることから、海路で大陸系の弥生人か、その技術をマスターしたハイブリッドな縄文人が移住して来られたようです。
集落は、足柄平野の少し盛り上がったところ、海からも川からも山からも遠からず近からずのちょうど良い場所に位置しています。 この集団の賢者たちが、吟味を重ねて選んだ場所なのでしょう。今は、津波避難ビルで災害時の臨時ヘリポートや緊急給水施設をもつショッピングモールになっています。こちらの立体歩道からは、箱根や富士山が綺麗に見えます。
当オフィスが入っている建物も津波避難ビルで、こちらから自転車で10分足らずですが、海抜は6mも低くなっています。途中坂道らしきものは無いのですが、土地は緩やかに傾斜しているようです。
この他にも小田原では、旧石器時代の石器や、縄文時代の遺跡が発掘されています。古くから人が住んでいるということは、昔から食べ物にも恵まれ、暮らしやすい自然環境だったのでしょう。
ヴェーダの中には構造に関する知識もあり、スターパティヤ・ヴェーダ(ヴァーストゥ)とよばれる国や都市、宮殿、住居などを設計する建築学があります。
スターパティヤ・ヴェーダでは、土地を様々な観点から検討し、大変慎重に選びます。
日が昇る方向、山の位置、土地の傾斜、海や川、湖などの水源からの距離や方向、土地の水分含有量などです。
この方法に従って土地を選べば、液状化現象や水害など、様々な自然災害にあう心配もありません。防災に適した、避難する必要がない安心安全な都市や住まいになります。
転居されるご予定がある方は、ハザードマップや古地図などで、水害や土砂災害などの可能性とその土地の歴史(湿地や湖沼だった場所などは避ける)を調べられることをお薦めいたします。
お気に入りの土地に、幸運を招く良い住み家を見つけてくださいませ。
お薦めのサイト
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