高専から旧帝大に行く理由
~俺の道vol.5一度高専を卒業し働いてから大学で学びなおしている北大生編~in恵迪寮
0.企画趣旨
この企画では、恵迪寮(けいてきりょう)に住んでいる様々なバックグラウンドを持つ人々にインタビューをしています。
世の中にはいろいろな選択肢が存在するということ、またそんな人が身近にいることを知ってもらうことで、中高生の進路についての判断の一助にしてほしいという思いからはじまりました。ぜひ参考にしてみてください!
1.今回のゲスト
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今回のゲスト、北海道大学工学部機械知能学科に在籍している、Kさんです。
Kさんは、高等専門学校を卒業したのちに一度就職し、そのあと3年次編入として北海道大学に入学した異色の経歴の持ち主です。
Q. 出身(出身地、出身高校)について教えてください。
「兵庫県神戸市出身です。 出身は高等専門学校(高専)という学校です。高専は高校と短大が合体したような学校で15 歳から20歳までの5年間通います。そこでは、機械工学の勉強をしていました。」
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Q. 一度就職されてから大学に入学されたとのことですが、その経緯を教えてください.
「仕事をするなかで大学に行きたいという気持ちが大きくなり、退職し1年間受験勉強をして しました。 大きな理由としては習ってもいない事は思いつかないし考えられないと感じたとこです。 例えば微分積分を習っていないのにその概念を思いついたらその人は天才だと思います。 同じことが仕事でもあって僕は習っていないから分からないことがあって、そういったも のを少しでも減らしたいなと思って大学に行こうと思いました。」
Q. どういった子供でしたか.
「宇宙飛行士の毛利衛さんの本を読んで宇宙に漠然と興味を持っていました。 あとは、おもちゃとか自分でつくるような子ども、母親曰くおもちゃを買ってとも言わず にこれ作ろみたいなかんじだったらしいです笑」
Q. 現在している勉強について教えてください.
「工学部の機械知能工学科で勉強してます。機械知能工学科は研究室への配属は4年からで希 望の宇宙関連の研究室にも行けたので楽しみです。」
Q. 将来の目標について教えてください.
「バランスよくおもしろおかしく暮らすですね。 仕事もやりがいと給料面と辛さのバランスは大事だなと思います。これは一度社会を経験 した者としての実感です。」
Q. 自分と似たような境遇にある人に向けてメッセージをお願いします.
「どんな進路を決める過程でも先生や先輩、家族のアドバイスは参考にはなると思います。 でも、結局は自分の人生なのでどうするか最後は自分で決めてください。でないと苦しく なった時に誰かのせいにしたくなっちゃいます。自分で決めてその選択に責任を持つ覚悟 を持って行動してください。」
2.まとめ
進路選択に関しては、色々な選択肢があると思います。中学、高校ときて大学という枠にとらわれすぎずに、進路を考えてみるのもいいかもしれませんし、人に話を聞いてもらうだけでも、なにかが変わるかもしれません。
寺子屋恵迪(てらこやけいてき)では、毎週水曜日夜18時から20時までZOOMを使って勉強や進路等の相談を実施しているので、ぜひお気軽にお越しください。
3.筆者の余談
今回は、ゲストには関係しませんが、興味深いものを紹介したいと思います。(ネタストックが切れしてしまったので汗)
法学部では、ほとんど全員が「刑法」について学びます。日常生活に身近で想像もしやすいため、勉強するのがとても楽しいです。
今回は日常生活に近い「軽犯罪法」について簡単に紹介させてもらいます!
まず、軽犯罪法とはなにか
すなわち、「軽犯罪法は、国民の日常生活における卑近(ひきん)な道徳律に違反する比較的軽微な犯罪とこれに対する刑罰を規定した刑事実体法」(伊藤1頁)であります。
次に、個人的に面白いと思った条文を3つ紹介したいと思います。
〇追随等の罪
「他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者」について成立します。
判例を見てみると、「午前11時30分ごろ、通行中の18歳の女性に対し、約30メートルの間、同女と歩調を合わせ無言で執拗に追随して付きまとった」事案について、追随等の罪の成立が認められています。
〇排泄の罪
「街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者」について成立します。
判例を見てみると、「街路において小便をした行為」について排泄の罪を適用した事例があります。
なお、「幼児に公園で大小便をさせた行為」については、排泄の罪に該当するとされますが、幼児がにわかに大小便を催し、附近に便所がなく、街路または公園において大小便をさせるほかなかった場合」については、成立しない可能性もあります。
〇窃視の罪
「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」について成立します。
判例を見てみると、「ビデオカメラを用い、便所内の女性の姿態等を撮影する行為」について、犯人が撮影済みテープの内容を見ていない場合においても、窃視の罪が成立するとした事例があります。
参考文献
軽犯罪法101問(法務局刑事局軽犯罪法研究会編著)
◯バックナンバー
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