疾走大会の意義
疾走大会シリーズは,「疾走大会」「失踪大会」「15秒大会」「神社大会」「潜伏大会」「節約大会」「勝ち大会」,そして今回の「大゛会」と,既に8回もシリーズを積んでおり,4年の歴史がある太鼓さん次郎の大会です.(なんか他にもあった気がする・・・?)
思えば,疾走大会はどのような大会なのか,というのを,そろそろ知らない人も多いかと思うので,たまにはそれを説明しようかなと思います.
なぜ,失踪大会が生まれたのか.そこには,4つの理由があります.
(1) 評価に対する疑問と野望
疾走大会の発端は,「最低点の排除」という,太鼓さん次郎のルールに疑問を呈するところから始まりました.かねてより,太鼓さん次郎の評価大会では,最低点を除く,というルールが毎回のように存在していたのです.
なぜかというと,私が太鼓さん次郎を始める前に「極度に低い点数をつけられて,順位が大きく逸れた譜面があったから」という事件があり,これがその理由になっているそうです.
それならば,最高点も除去すればいいじゃないか,と思う気持ちでいっぱいでしたが,それはそれで,なんだか,ちゃんと点数をつけたのに評価されないのはどうなんだ,という気持ちがありました.
他にも,「太鼓さん次郎の評価大会では曲に対して評価をしてはいけない」というものもあります.譜面大会なので,それは当然だと思います.
それでも,譜面には曲がつきものです.私はどうしても,曲から印象を受けやすい人間でして,これを排除するというのは,ちょっと辛いものがありました.
そこで,疾走大会では,「提出されたものは,なんでも評価に加えていい」というルールを設けています.tjaだろうがwavだろうがスキンだろうが,なんでも評価していいんです.
譜面フォルダにいらないものがあるから減点,というのももちろんOKですし,
譜面フォルダにApexとウマ娘ホームページへの直リンクがないから減点!というのも許しています.(そんなことする人はあまりいませんが)
不適切な名義で出る人を防ぐため,名義で評価することも許可していますし,太鼓さん次郎が落ちることなどもストレスの原因になるので評価に含めていいことにしています.
ただし,政治的扇動は許可していません.これは,もし行われてしまうと,僕が外患誘致罪 (必ず死刑) に問われる危険性を孕んでいるからです.これだけは,勘弁してください.
それ以外は,皆さんの良心に頼っています.自由は,皆さんがルールを守る限り,許されています.
(2) 「譜面」ではなく「次郎」で勝負する
太鼓さん次郎の大会はほとんどが「譜面大会」です.太鼓さん次郎を構成する要素はたくさんあるというのに,譜面の大会がほとんどで,曲の大会やdatファイルの大会,スキンの大会というものは,ほとんどありません.
ですが,私は太鼓さん次郎が好きです.それは,譜面が好き,というのではありません.太鼓さん次郎という枠組みの中で,どれだけ人を惹きつけることができるのかという競争に,興味があります.
そのため,疾走大会ではあらゆるファイルの提出が許可されています.太鼓さん次郎のスキンを変更するためにimgフォルダを出すことも,音を変えるためにsndフォルダを提出することも,はたまたtjaファイルを覗きに来た評価者のために不要なファイルを提出することも・・・全て,許されています.
過去には,wavファイル,tjaファイル,txtファイル,mp3ファイル,htmlファイル,URLショートカット,pkgファイル(macのインストーラ),datファイル,dropboxの共有リンク,7zファイル,zipファイル上のzipファイル,オモコロチャンネルのアカウント識別番号,リッチテキストドキュメント,midファイル,bmpファイル,jpegファイル,xmlファイル,もう一つの譜面,エクセルファイル,パワーポイント(pptx)ファイル,wordファイル,.musicloopファイル,srcファイル,.cppファイル,フラッシュ,GドライブへのURL,swfファイル,exeファイル,pngファイル,tifファイル,mdファイル,などが送られてきており,その全てが,評価のために利用されています.
それが,「譜面」ではなく「次郎」で勝負するという,疾走大会の枠組みなのです.
(3) 最高の「評価方法」への活路
太鼓さん次郎の譜面大会の多くは,参加には「曲名」「偽名義」「連絡先」,評価には「平均点が60〜80前くらい」「感想欄」「お気に入り欄がある」「最低点の排除」などの多くの共通点があります.そしてこれらは,上記で挙げたような問題点を多く抱えています.
例えば,「お気に入りと点数ってどう違うの?」とか,「感想欄は"曲の感想"は書けないの?」「最高点は除外しないのに最低点を除外するの?」という問題もあるし,逆に
「点数はあげられないけど個人的に好きな譜面もある」「譜面の大会なのだから"譜面の感想"しか認めない」「最低点を除外しないと不当な順位操作がある」などの理由もあります.
そこで,疾走大会ではより多くの評価方法を実践することに努めています.
例えば,1回目の疾走大会では「平均点を70,最高点を100に調整」する正則変換投票,
2回目の失踪大会では「点数の大小関係」で評価するボルダ投票,
3回目の15秒大会ではあえて一切の制限を設けない信用投票・・・
その他にも,「お気に入りのみで採点」「神社度」「名義を当てると+3点」など,さまざまな方法を試しました.
そして,来るべき7回目の勝ち大会ではなんと「平均点を70,標準偏差を30」にする近分散投票を実践し,これがなんとも良い成果を収めることに成功しました.
今回も,勝ち大会で利用した投票を併用し再度実践するとともに,大音符を優遇するための新しい採点方法を準備しました.これからも,大会があるたびに必ず新しい採点方法を実践することは変わりません.いつか,完璧な採点方法を生み出すために,この過程をやめるつもりはありません.
(4) 「疾走」という名前
疾走大会が誕生した4年前,多くの次郎勢が,名義を変えたり,引退宣言したり,文化祭の準備で失踪したりなど,行方不明になる事件がありました.その一方で,大会は大規模化し,1大会のための準備が大きくなってしまい,中途半端な譜面を出したり,お遊びで作った譜面をみんなに見てもらう機会を大幅に失ってしまいました.Twitterのアカウントもいくつか消滅し,太鼓さん次郎譜面Wikiも少しずつ過疎化,Skypeグループも衰退してDiscordへの移転が始まり,何かが大きく変わっていきました.
そんな中,良譜面の概念に疑問を持っていた僕は,「すぐ出来て,すぐ終わって,みんなが選んだ譜面が勝つ.そんな大会を作りたい」という思いがありました.
「良譜面なんてのはない,今,その場で,参加者が選んだ譜面こそが,良い譜面だ」
それが,疾走大会のアイデアでした.
疾走大会では,入念な準備ができないように,非常に厳しい時間制限を設けています.
過去には秒単位で評価期間を指定した大会もあります.
20秒遅刻したために参加できなかった参加者もいます.
あくまでも,その時思いついた,その譜面を,披露してほしい.
それが,疾走大会のあり方であり,「疾走」の意味です.
疾走大会には,多くの名誉なことがあります.
過去には,56人の優勝者を輩出しています.玉座を除けば,これは最多だと思います.
また,「適当王」というファニーメイド大会が続いてくれたおかげで,「譜面ではなく次郎で勝負する」「面白さを追求したタイプの良譜面」にも2017年度からスポットライトが当たるようになりました.これは,喜ばしいことです.
さらに,なんと疾走大会ではいまだに失格者が一人もいません.この大会では失格者に厳しいペナルティがあるのはもちろんのことなのですが,失格者がいない大会というのは,非常に嬉しいことだと思います.神社大会に至っては,神社でないだけでも失格になるはずなのに,失格者が出ませんでした.
また,大会に参加していない方を表彰したことがある唯一の大会ですし,
100点以上・マイナスの点数が許可されている唯一の大会でもあります.
それでいて,毎大会では3割ほどの方が良譜面を,3割ほどの方がネタ譜面を,4割の方は双方向から攻めた譜面を投稿され,そしてまた,どのタイプの譜面も優勝したことがあります.
このようなこともあり,疾走大会はあくまでも「嵐のごとく登場し,嵐のように去る,4年の歴史ある大会」になることができたのです.もうすでに面白いです.