はとバスの歴代の輸入バス②
不定期でお届けする「はとバスの歴代の輸入車」ですが、第2回目は前回に引き続きドレクメーラーの2階建てバスをご紹介します。 はとバスの2階建てバスは導入以来、常に人気がありました。はとバスが定期観光バスの一般的なコースで使用する車両がスタンダードからハイデッカー、更にスーパーハイデッカーへと変化しても、2階建てバスは常に「特別な存在」で高い人気を誇っていました。そこで、1993年には定期観光バスとして初めて運行してから10年となることを機に、久しぶりに新型の2階建てバスが導入されました。 新たに導入されたのは、従来と同じドレクメーラー社の2階建てバスでした。1993年には3台が登場しましたが、この10年間でメテオールはマイナーチェンジを受けていました。最も目立った変更点はフロントマスクで、従来車両はグリルと大型ヘッドライトが2灯付いていましたが、新型車はグリルがなく、小さなライト類が6灯という、すっきりした印象に変わっていました。ホィールベースも100㎜延長され、その分リヤオーバーハングが短縮されていました。エンジンは同じダイムラー・ベンツ製ながら12.8ℓのOM402LA型に変更されました。車体の塗装デザインも一新され、黄色のボディに鳩が舞うデザインが採用されました。 1993年には3台が導入され、「381」から「383」の番号が付与されましたが、翌1994年には更に2台が増備され、2階建てバスの10台体制が確立されました。1994年の車両には「481」と「482」の番号が付与されましたが、アクセントとして前面ライト間に黒のストライプを配し、容易に見分けることができました。外観上の違いもさることながら、1993年車と1994年車ではもう一つ大きな違いがありました。1993年車が8速のマニュアル・トランスミッションを採用したのに対し、1994年車はZF製のプリセレクター式8速セミ・オートマチック・トランスミッション「AVS」を採用していました。国産バスがほとんどマニュアル・トランスミッションであった当時、この「AVS」はヨーロッパとのバスの違いを強く感じさせました。 1995年にスウェーデンのボルボ社がドレクメーラー社を買収したため、残念ながらこれら車両がはとバスにとって最後のドレクメーラー車となってしまいました。
写真① 久しぶりに増備されたドレクメーラーの2階建てバス。新しいマスクとなり、塗装デザインも一新されました。
写真②
前面に黒いストライプを配し、かなり前年の車両とは印象が違います。「AVS」の採用など、外観以上に1993年車とは異なります。1994年導入の2台がはとバス最後のドレクメーラー車となってしまいました。