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猫の食事について

2021.05.10 01:10

人の奥歯は繊維質をすりつぶすのに適した臼状をしていて、顎を左右に使って動かし、食べ物をすりつぶしてから飲み込みます。穀類を多く食べるので、唾液にはデンプンを分解するためのアミラーゼという酵素が含まれています。

一方、猫の奥歯は刃物のように尖った形をしていて、肉を切り裂くことに向いています。食べ物はある程度まで噛み砕き、飲み込めるくらいの大きさになったらそのまま飲み込みます。また、唾液にアミラーゼは含まれていません。

このように、動物種によって食生活や歯の構造、消化の方法などは様々です。


今回は、「猫の食事と必要な栄養」に着目してお話をしていきます。


3大栄養素の消化と吸収

腸の働き

猫の盲腸はとても小さく、消化器官としてはほとんど機能していないといわれています。 

炭水化物

猫は、唾液に炭水化物を分解するアミラーゼが含まれていないため、炭水化物の消化が苦手です。食事中に40%以上炭水化物が含まれていると、うまく消化できず一時的に高血糖になることもあるようです。そのため、主に小腸で消化を行います。エネルギーとしてすばやく利用できる炭水化物(糖質)は、脳を活発に働かせるのに役立ち、たんぱく質の消費を抑える効果があります。

たんぱく質より炭水化物を摂取したほうが、食後の血糖値の上昇は緩やかなため、膵臓への負担が少ないと考えられています。

たんぱく質

猫は肉食ということからもわかるように、たんぱく質から糖分を作ってエネルギーに変えて活動しているため、犬や人よりも常に高たんぱくな食事が必要です。具体的にいうと、食事に含まれる栄養素のうち、子猫では30%以上の、成猫では26%以上のたんぱく質が必要とされています。

脂肪

最低でも食事中に9%は必要です。成長期には18~35%程度、維持期や高齢期でも10~30%程度の脂肪分が含まれる食事がよいとされています。嗜好性を高め、必須脂肪酸(健康を保つために食事から取らなくてはならない栄養素)を摂取するために脂肪分は欠かせません。

 

まとめ

キャットフードが製造され始めた頃は利便性が主に考えられ、栄養食としては問題があるものもありました。そのため、あるキャットフードだけを与えている猫に病気が見られたこともあったようです。

しかし、今ではキャットフードの質もよくなり、総合栄養食として1日に必要な栄養バランスがきちんと基準として定められているため、これを満たしているフードでは重篤な栄養障害が起きることは少ないでしょう。

ペットの健康は、飼い主さんが与える食事が大きく影響します。その子に合ったフードを選んで、ペットの体調をきちんと管理してあげましょう。