【 BOOK】💮「呼吸法の極意、ゆっくり吐くこと」著者:成瀬雅春(まさはる)
【 BOOK】💮「呼吸法の極意、ゆっくり吐くこと」著者:成瀬雅春(まさはる)、初版2005年1月15日、第2版2006年5月10日
基本、繊細、超越。ヨーガ三つの呼吸法でイキ長く!太く!生きる力倍増。
ヨーカ経典を越えた秘伝がここに。
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⭕️はじめに
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「ヨーガ・スートラ」や「ハタヨーガ・プラディーピカー」などのヨーガ教典に書いてある呼吸法を練習したからといって、こういった(「空中浮揚」「心臓の鼓動を止める呼吸法」)能力を身に付けられるわけではない。経典の記述の枠を超えて「極意」といえるほどのテクニックを身に付けてはじめて得られるのである。本書ではその「呼吸法に極意」に当たるテクニックを可能な限り紹介したつもりである。ヨーガ修行者はもちろんのこと、あらゆる分野の人の役に立てていただけたら幸いである。
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⭕️第一章
導入 呼吸法の本質的
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◉1.ヨーガ呼吸法の神髄 ヴァーユ(風)
○呼吸の性質
呼吸は精神状態と深い関係にある。精神が安定しているときは、ゆっくりと規則的な呼吸になるが、不安定な精神状態のときには、早くて不規則な呼吸になる。
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呼吸は寿命とも関係があり、ゆっくりした呼吸や長い呼吸を常にしている職業の人は、平均的に長生きである。
僧侶は寿命の長い人が多い。画家や書家にも長命の人が多い。
この「意識を向け出した時から落ち着く」という呼吸の性質を利用すれば、さらにゆっくりとした深い呼吸を身に付けることができる。つまり呼吸の落ち着いているときに意識を向ければ、もっと落ち着いた深い呼吸になる。
そこからスタートするのが、ヨーガ呼吸法(=プラーナーヤーマ)なのである。つまり、まず、呼吸を落ち着けて、それから深い呼吸のテクニックを練習するのである。
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○ヨーガの八階梯(かいてい)
一 ヤマ(禁戒)
・非暴力
・正直。たとえ方便であっても嘘をついてはいけない。
・盗みをしない
・修行中は禁欲
・無欲、無所有欲。必要以上の物理を起こさない
二 ニヤマ(勧誡)
・清浄〜心身を清浄に保つ
・知足〜生命をつなぐもののみで満足し、それ以上求めない。
・苦行〜心身の汚れを焼いて浄化する。
・読誦〜聖典を研究して、霊的な探究をすると自分の望む神霊と会える。
・自在人への祈念〜神にすべてを任せることで、サマディ(三昧)に至れる。
三 アーサナ(坐法)
・快適で安定した座り方を目指すのがアーサナである。そして熟達するとアーサナを通して瞑想の最高の境地であるサマーディ体験ができるようになる。
四 プラーナーヤーマ(呼吸法)
プラーナーヤーマには、吐く、吸う、止めるという三つのパターンがある。そして今第四のパターンかケーヴァラ・クンバカ(単独の保息、ほそく)と呼ばれるものである。自然に息が止まる状態を指す。
そして、実践的に最も重要なのが、ヴァーユはコントロールである。本書はそのヴァーユのコントロールに向けて描いたものである。
五 プラティヤーハーラ(制感)
常に外に向かってしまう感覚を内側に向けて、内なる神に意識を向けることである。
六 ダーラナー(集中)
心をある特定の場に結びつけることが、ダーラーナである。
七 ディヤーナ(瞑想)
そのダーラナを持続すると、ごく自然に瞑想状態に移行する。それがディヤーナである。
八 サマーディ(三昧)
さらにディヤーナの状態を持続し続けるとサマーディにはある。したがってダーラナーからディヤーナ、サマーディというプロセスは連続的に訪れるものなので、総称してサンヤマ(綜制)と呼ばれている。
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したがって八つの階段ではなく、輪のように連なっている八種類の修行方法だという見方をした方がよい、というのが私の考え方である。
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○十種類のヴァーユ
ヨガの呼吸法にプラーナーヤーマは、単に呼吸のテクニックというだけではなく、プラーナ(生気=宇宙に満ちている根源的生命エネルギー)をアーヤーマ(コントロール)することを指す。アーヤーマは伸ばす、拡張、長さ、幅、規則的、などの意味がある。
具体的には呼吸がコントロールすることで、肉体と精神のバランスを整え、スムーズに解脱に至れるようにするのが、プラーナーヤーマである。
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世界中に呼吸法と名のついたものは数多くあるが、ヨーガ呼吸法はテクニックの繊細さにおいては、どんな呼吸法も比較にならないほどの内容を持っている。
たとえば、ヨーガ呼吸法では、吐いていく息の音を細かく分析したり、吐き出す一瞬の間に、意識や腹筋の状態をいかにコントロールするか、などを磨き上げていくのである。
数あるヨーガ呼吸法を覚えていくと、だんだん繊細な感覚が身についてくる。
ヨーガ呼吸法のもっとも重要な部分とは、「ヴァーユ(風)のコントロール」のことである。
したがって、ヨーガ呼吸法は「ヴァーユのコントロール」に第人されるといえる。
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私はわずかなヨーガ経典から推測してヴァーユのコントロール法を身に付けた。
それを人に教えるため、考え出したのがこの本のメソッドである。
中でもジャーランダ・ばんだ(喉開閉法)系(178頁参照)とタンギング(呼吸分断法で系(166頁参照)は私のオリジナルであり、ヴァーユのコントロールへのキーポイントになる。
ヨーカ経典によれば、ヴァーユにはつぎの十種類があるとされている。
一 プラーナ・ヴァーユ(鼻頭又は喉から心臓まで)
呼吸で体内に取り入れられ、肉体に活動エネルギーを与える。
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二 サマーナ・ヴァーユ(心臓から臍ヘソまで)
消化機能を主に司どり、身体から火炎を発することができる。
三 アパーナ・ヴァーユ(臍から足先まで)
体の汚れを取り、排泄作用や下肢の動きを司どる。
四 ウダーナ・ヴァーユ(鼻頭又は喉から頭まで)
発生の作用や上昇の働きがあり、体を軽くし、空中浮揚が可能になる。また生命を引き上げて死を招く働きもあるので、意のままに死ぬことができる。
五 ヴィヤーナ・ヴァーユ(全身)
知覚神経や血液の循環作用を司どり、各プラーナを全身に行き渡らせる働きをする。
以上五つを総称してプラーナといわれている。
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「プラーナ」とは中国の気の概念に通じるもので、身体の内部の世界と外の世界、すなわち宇宙に満ちている生命エネルギーの総称である。
プラーナという言葉の複数は生命ということである。
ヨーガでは「宇宙のすべての存在はプラーナで構成されている」といわれている。
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◉プラーナ粒子を視る
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「プラーナ」は無色であり、人間の目には白または銀色に光り輝いて見える。
神智学によれば、「プラーナ」は光や熱とは全く異なった別のものであるが、物質階層に出現するには太陽光線に依存しなければならない、とさらている。
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夜の十二時前の一時間の睡眠はその後の二時間の睡眠に匹敵すると言われる。
同じ理由で冬場は夏場よりもプラーナの量は少ない。
さらにまた、プラーナは物質階層だけでなく、あらゆる階層に降り注がれているので、情緒も知恵も霊性も陽光がさんさんと降り注ぐ晴天の日が最良の状態に達する。
この「活力微粒子」を私は「プラーナ粒子」と呼んでいる。
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プラーナはすべての動きの前に、まず、動く。
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肉体感覚でつかめないうちは、知識でどんなにわかっても、まったくわかってないのといっしょだと思ってください。
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◉プラーナを体感する
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疑問を挟む余地が全くないのが「体感」である。
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◉プラーナを取り込む
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プラーナを体感として感じられるようになると、人だけでなく物質に対してプラーナを取り入れる、プラーナを与えるということが可能になってくる。
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心だけでなく、精神、魂、全部プラーナなのである。
普段愛用している持ち物には、その人のプラーナが少しずつ入り込む。だから「愛着がうまれる」のである。
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プラーナを理解するために感性を磨くにはヨーガのプラーナーヤーマを覚えるのが最良の方法である。
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⭕️3 プラーナを食べる
◉自然食とは
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◉プラーナを食べる
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⭕️第二章
本意 基本的な呼吸法
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⭕️第二章
本意 基本的な呼吸法
◉1.呼吸法の基礎
呼吸法の基本原則
➡︎呼吸に意識を向ける
➡︎ゆっくりと息を吐く
呼吸に意識を向けて瞬間から、呼吸はゆっくりし出す。
一日のうち、呼吸に意識を向けることが多くなるほど、ゆっくりした呼吸をしている時間が多くなる。
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まず、肺の中に入っている中途半端な空気を吐き出さなければならない。汚れた空気をいったん吐き出してから、ゆっくりと新鮮な空気を肺の中に取り入れることで深い呼吸になる。その息を吸うときに、胸を広げるようにして、少し頭を上に向ければもっとよい。
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◉一対四対ニの呼吸法
吸う三秒、止める十二秒、吐く六秒
4.16.8
5.20.10
6.24.12
7.28.14◉
8.32.16
9.36.18
10.40.20
11.44.22
12.48.24⭕️
13.52.26
14.56.28
安定して5回続けられればよい
すべて鼻を使う。
時間が長くなるにつれて、止めている方が楽になり息を吐くのが続かなくなって失敗する。
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◉完全呼吸法の第一歩
基礎になるものが結局は最も難しいものである。
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高度な呼吸法の場合にはバッダ・パドマ・アーサナ(締めつけた蓮華坐)で坐ることもある。
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重要なのは、楽に同じ姿勢で坐り続けられることである。あぐらでも椅子に坐ってもかまわない。
背中が曲がっていては深い呼吸にならないので、当然背筋を伸ばすのだが、そのときに「力み」や「緊張」はない方がよい。そのためにいったん背筋を伸ばしてから、その背筋を伸ばした状態のまま、肩や背中に入っていると感じられる力を抜く。
このときに、たいていは力が抜けたと思っていても、抜けていない部分があるので注意する。
時間の経過とともに背中が曲がってくるが、気がついた段階で最初と同じように背筋を伸ばすようにする。
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◉完全な呼吸法とは
一般的「完全呼吸法」
➡︎成瀬氏は「外的完全呼吸法」
「半内的完全呼吸法」
「内的完全呼吸法」
3つに分類している
外的から半内的、内的となるにつれて、繊細になり完成度の高い深い呼吸法となる。
外的完全呼吸法をしっかり身に付けるには、
下部呼吸法➡︎中部呼吸法➡︎上部呼吸法の3つを、まず身に付けるには必要がある。
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◉下部呼吸法の技法とその効果
腹式呼吸とほぼ同じ。
腹部を使う点では同じだが、それ以外の部分(胸や肩など)が動かないようにしなければならない。さらに細かくいえば動かさないだけでなく、機能させないようにしなければならない。「機能させない」とは、腹部以外の生命エネルギーの流れを止めるようにするのだが、これはかなり難しいので、最初は「動かさない」というだけでよいだろう。
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◉3.実践的に重要な呼吸法
○呼吸法の効果
ヨーガの呼吸法はすべて「解脱」という目的に向けて開発されてきた。
この三つの呼吸法は、数ある呼吸法の中でも効果が傑出しているので、お勧めする。
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➡︎スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマは、右と左の鼻から交互に呼吸することで、左右のバランスを整え、体全体のバランスを整え、心と身体のバランスを整える。
ふだんの呼吸が片鼻に偏りすぎると、身体のバランスが崩れ、病気や怪我の原因になる。
色々な意味で偏りが修正され、エネルギーの流れが促進され、活力に満ちた状態になる。
➡︎ウッジャーイー・プラーナーヤーマを続けていると、自然と菜食傾向の体質になってくる。それにともない血液が浄化されるので脳が活性化される。したがって的確な判断力が養われ、洞察力を身に付けることになる。
➡︎カーパラ・プラーナーヤーマを体得すると、瞬時に物事に対応できるようになるので、スポーツマンや武道家が覚えれば当然強くなれる。また、生命力ヲ高める作用があるので、病気や怪我、人生の帰路などで大きな効果が発揮される。
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病気の多くは血液の汚れが原因である。血液の循環がよくなり、血液の質がよくなれば、大半の病気バランス治ってしまう可能性がある。その血液の浄化は、薬や手術ではできない。自己管理として血液ォ浄化しておくベキなのである。
その最も有効な方法がヨーガのプラーナーヤーマである。そしてここで紹介する三つの呼吸法外的、血液の浄化効果か高い。この三つのプラーナーヤーマだけ覚えれば、健康に充分に効果がある。更に「解脱しへ向けて修行する人にとっても、三つのプラーナーヤーマは重要なので、しっかり練習して欲しい。
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◉スカ・プールヴァカ・プラーナーヤーマ
(安楽呼吸法)
ここまで💛