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雫のみ光る桜となりにけり

2018.04.13 13:20

https://weathernews.jp/s/topics/201702/280165/ 【催花雨や桜雨などなど言葉で楽しむ桜の世界】より

雨の日の都心での桜(ソメイヨシノ)開花。

連休明けのきょうは、開花を促すようなこの時期特有の雨、催花雨にはぴったりの天気となりました。

ちなみに桜にまつわる天気の言葉は他にも色々あるんです。

いつものようにお花見をするのももちろん良いですが、今年はちょっと違った視点で桜を楽しんでみませんか?

美しい桜のウェザーリポートとともに、桜に関する様々な言葉をご紹介します。

桜雲(おううん)

桜が一面に咲き続き、遠くから見るとまるで白雲のように見えることを「桜雲」といいます。ソメイヨシノの花弁は、少し白っぽいので、まさに青空に浮かぶ雲のよう。近くで見るのももちろん良いですが、少し遠いところから桜を眺めると、また違った魅力があります。

桜影(さくらかげ)

川に沿ってどこまでも続く桜並木。思わず桜の木に目を奪われてしまいますが、ふと川面に視線を移すと、そこにはもう一つの桜が。

「桜影」はそんな水面に映った桜をさします。同じ桜のはずなのに、少し儚げに見えるのはなぜでしょう。時折ユラユラと揺れる姿も風情があります。

花明り(はなあかり)

青空の下で見る桜は爽やかな印象を与えますが、夜桜はどこか妖艶な雰囲気を醸し出します。

真っ暗な夜のはずなのに、満開の桜は、辺りをほのかに照らしているように見えます。これを「花明り」といいます。

今では、夜でもより美しく鑑賞出来るよう、多くの桜にスポットライトが当てられていますよね。しかし、ライトのない自然な姿でたたずむ夜桜鑑賞もおすすめです。

零れ桜(こぼれざくら)

満開になった桜の木は、花の重みで少し枝がしなっているようにも感じます。そこに風が吹くと、まるでこぼれるかのように桜の花びらがハラリハラリ…。「散る」という動きが加わるだけで、桜に新たな味わいが生まれるような気さえします。

桜流し・桜雨(さくらながし・さくらあめ)

桜の時期に降る雨は、「桜雨」「桜流し」と言います。素敵な言葉の響きではありますが、花を楽しむ時間が短くなってしまうのは、少々残念な気もしますね。

ただ、雨の日のお花見というのもまた乙なものです。桜の花に雫がしたたり、雨とともに少しずつ散る姿は、少し寂しさを誘うような…。いつもは味気なく感じるビニール傘も「桜雨」「桜流し」を楽しむには、もってこいのアイテムになります。

花筏(はないかだ)

「散ってしまえば桜も終わり」そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。いえいえ、散ってしまった後もまた別の楽しみがあります。

たくさんの花弁が水の上を帯状に流れる姿を花筏と言います。蒔絵や和歌にも表現されていた花筏は、「散ったあとの姿さえ美しい」という昔の人の感動が込められた言葉のように感じます。

いかがでしたか?長い歴史を経て、愛され続けた桜だからこそ、こんなに多様な表現が生まれたのかもしれませんね。お花見に行った際は、ぜひ美しい言葉とともに桜を楽しんでみてください。


https://ameblo.jp/estelril358/entry-12147962146.html 【「花散らしの雨」っていう言葉は、美しくない。古典オタクが語ってみる。】 より

昨日の雨を、花散らしの雨、と表現する方がたくさんいて、ふと思ったので書いてみます。

「花散らしの雨」は美しくないと思うんです。

サクッとネットで調べてみたら、昔、上巳の節句(ひな祭りのころね)のころにしてた合コン(意訳)のことって書いてあったけど(笑)

そこの品の無さとは関係なく。

(だってさすがに言葉から合コンのことやなーって想像はできないので、普通の人にはこの言葉とイメージにつながりはないはずだ)

やっぱり言葉に違和感がある。

花をダメにする雨、という意味で、「うのはなくたし」は美しいと思うのです。

(ちなみに、漢字で書くと、「卯の花腐し」)

でも花散らしは、なんか、表現が青い。って思ってたら、思いつきました。

ここから国語オタク(古文オタク)の戯言です。

いちおう、わかりやすく書くつもりだけど、わかんなかったら飛ばしてね(笑)

うのはなくたしは、卯の花+くたす(腐らせるの意味)っていう2つの単語でできてるのね。

じゃあ、花散らしはどうかというと、花+散る+す(させる…の意味)

っていう、たった5文字しかないのに、3つの単語を使ってる。

だから、例えば、「花散る」だったら余裕があるんだけど、「花散らし」になると、ぎゅーぎゅーに詰まってる感じがする。

その詰まってる感じが、気持ち悪いんだ。

(言葉が詰まることは、和歌の世界でも嫌われてる)

もうちょっというと、「花散らす雨」なら、花+散る+す+雨で、4単語なんだけど、

「花散らしの雨」だと、花+散る+す+の+雨ってなって5つの単語でできてることになる。

しかも、「の」は言葉を切る音だから、花散らし・雨が両方主役になろうとして主張しちゃうから、うるさい。ってことなんだ。

余裕がある方が美しい。詰まってぎちぎちになっているのは、美しくない。そういうことなんだろうな。

言葉も心も、お部屋も一緒ですね(笑)

ちなみに、桜を流してしまう雨っていう意味の言葉には、花嵐、桜雨、花雨。

桜流しって言葉もある。

花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だっていう、井伏鱒二の超訳を思い出すから、私は、花に嵐って言葉が一番好きだったりします。