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相模原の学校給食をよくする会

中学校の昼食時間15分、短い?充分?

2021.04.14 02:27

※この記事は2018年12月に前ブログに書いた記事です。


これまで相模原の給食の状況を順番に説明していますが、今まで学校給食に関心がなかった方や、最近学校給食に関心を持ち始めた方、まだお子さんが小さい方には正直難しく、ピンとこないのではないでしょうか?


「問題はあるかもしれないけど、デリバリー給食があるわけだし…」


とも思われるかもしれません。

そこで今回は、おそらく一番分かりやすい問題を紹介します。 

それは「中学校の短い昼食時間の問題」です。

今、小中学生の保護者の皆さんが子どもだった頃、給食が苦手だった人はいるかもしれませんが、「食べる時間が時間が短かった」と感じていた人はそれほど多くはないのではないでしょうか? 

現在、相模原市の中学校給食のほとんどは選択制デリバリー方式ですが、日課で決められた昼食時間はだいたい15分~20分です。

これは「いただきます~ごちそうさま」までの食べる時間ではありません


  1. デリバリー給食のお弁当箱を受け取りにいく
  2. 食べる
  3. お弁当箱を返しに行く 


これら全てを含んだ時間です。

食べる時間は10分も残れば多い方だとも聞きます。時には前の授業が長引いてさらに短くなることもあるようです。家庭弁当持参の生徒も、デリバリー弁当の到着を待って揃って食べ始めるので、弁当持参なら時間が確保できるわけではないのです。

みんなが弁当持参することが前提の日課のまま、デリバリー給食が導入されているために無理が生じているのではないでしょうか? 

そして、デリバリー給食は残食率の高さも問題になっていますが、実は持参した家庭弁当の残食も多いのです。

「せっかく作ったお弁当をたくさん残してきた」
「時間が短くて食べきれないからお弁当箱を小さくして、と子どもに言われた」

という保護者の声も聞きます。

「おいしい・おいしくない」、「温かい・冷たい」という問題以前に時間が短いのです。

・「食べたくないから残す」
・「時間が足りないから食べきれなくて残す」

この2つを同じ【残食】としてとらえてメニューの改善を考えても、問題の解決にはつながらないでしょう。

給食にするかどうか以前に、せめて昼食の時間をしっかり確保してあげたい。お昼ごはんくらいゆっくり食べさせてあげたい。リラックスできる時間が必要。そう思いませんか?

食育推進と言われているのに、どうしてこんな現状なのでしょう? 

相模原市でデリバリー給食が採用された理由のひとつに、「中学校は忙しいので昼食にかける時間がない」ということが言われています。だから私たちも「中学校で自校式やセンター式の給食は無理なんだ」と思っていました。 

ところが、全国的に見ると配膳式の給食の学校は多いということを知り驚きました。調査(*注)によると全国約9割の中学校で温かい給食が食べられているというのです。

(*注)文科省発表の「都道府県調理方式別学校給食実施状況(平成30年度5月1日現在)」によると、単独調理場(自校方式)25.5%、共同調理場方式(センター方式)62.4%、その他12.0となっています。


全国約9割の中学生が温かい給食を食べているということ?

時間は何分取れているの?

自校式やセンター式の給食の中学校では給食の時間はどれくらいなの?

気になってネットで調べてみました。

表をご覧ください。


この表は相模原市のいくつかの中学校と、他自治体の中学校の日課表を並べたものです。(選んだ学校はランダムです。中学校にはいくつかの日課がありますが、ここでは50分授業、6校時の日課表で比較しています。) 

これを見ると、デリバリー式は相模原市でなくても15~20分。教室で配膳する自校方式やセンター方式の学校では、30~40分の時間を確保しています。食べる時間は15~25分はとれるのでしょうか?のんびり、とまではいかないかもしれませんが、少なくとも5分10分に比べれば、一息つけそうですし、完食の可能性も高くなりそうです。 

市内の状況しか知らなかった時は、「時間的に無理なんだ、仕方ないのか」と思っていました。でもそうではない、実際に実現している学校がたくさんあると知った時は驚きました。同じ教育指導要領で、どうして可能なところと不可能なところがあるのでしょう?せめて時間の確保をしてほしいと思います。

結局は、その自治体や学校が、残念ながら食育を重視していない、もしくは本気ではない。また、生徒の昼食の時間よりも、学科の時間を優先している。そういうことだと思います。

そして教員が忙しい。

「教員の休み時間もないのに給食指導までできない」

という先生方の切実な声も聞きます。

お弁当や給食を食べきれない子供達を目の前で見ているはずなのに、忙しすぎて考える余裕がないのが現実なようです。

教員の時間も、子ども達の時間と同様に後回しにされているのでしょう。

私たちは、教員の忙しすぎる状況もよいことだとは思っていません。先生方には、子どもたちにしっかり向き合ってほしい、それが可能な学校であってほしい。給食だけを良くしたいと思っているわけではありません。 

今回は、昼食の時間から給食の問題を見てみましたが、時間の問題から見えてくるところはなかなか深そうです。


【おまけ】

*埼玉の中学給食イメージ動画
‭こんな風に「うちの学校の給食風景、見て!」と言わんばかりの動画が作れる自治体になれると素敵だと思います。