松山選手マスターズ優勝おめでとう!
いつもは木曜更新ですがこの喜びを抑えきれないのでフライングして投稿します。
ずっと応援していた松山英樹選手。世界中のゴルファーで誰よりも頑張っていたと私は信じています。頑張って頑張って、それでもうまくいかなくて、本当につらい時期が長かった。
でもその我慢が決して無駄じゃなかったと今回のマスターズのプレーを見て痛感しました。今までの全てが松山の血肉となって彼のゴルフを支えていました。
ドライバーショットは一時期、飛距離を伸ばそうとしすぎていたと思います。体のひねりを強くしすぎて重心が安定せず、曲がりやすくなっていました。
しかしコーチをつけて研究を重ね、うまく打つ方向に向けて自然な態勢で打てるようになりました。コーチをつけて特に良くなったと思うのはドライバーだと思います。
松山は長年コーチをつけず、自分の信じたことだけをやるスタイルでしたが、ここ最近コーチをつけるようになって、他者の意見も取り入れるようになりました。人間的な成長もあったのかなと思っています。
アイアンショットは最初からレベルが高くて、大きな進化はしていないと思います。しかし特に良くなったのが、ある程度のミスなら自分の中で許容できるようになったところだと思います。
レベルが高い故、松山の求める成功のショットというのは、「あの辺に打つ」みたいに曖昧なものではなく、「あの一点に打つ」という本当にピンポイントなものでした。そしてそれがうまく行かないと自分にイライラしてしまう、ということが多かった気がします。
今も一点を目指すスタイルに変わりはないと思いますが、一点に打てなくても、「まあ仕方ないか」と許容して、次のショットに切り替えられるようになったと思います。
アプローチショットは松山の弱点だと私は思っていましたが、これは大きく成長したと思います。3日目14番や18番のアプローチなどは以前の松山ならあまり寄らず、2mくらいの微妙なパットを残していたはず。
しかし今大会では50cmくらいの楽に入れられる距離にしっかり寄せていました。間違いなく技術の向上があったと思います。もう世界トップの領域ではないでしょうか。
パッティングは下手というイメージを持たれていましたが、それはアプローチが寄らずに度々微妙なパットを残してしまうから外すイメージがついただけ、というのが私の持論です。得意かと言われると微妙ですが・・
とはいえ今回の大会では過去一パッティングが好調でした。少し前からパッティングはルーティンやフォームを変えてかなり良くなっていました。それがうまく結果に表れたのかなという気がします。
パッティングのタッチがゴルフ場に合うかは正直運の部分が大きいので、マスターズの女神が今年は松山に微笑んでくれたのだと思います。よく頑張ったねと。
初日、テレビ中継が始まった段階で松山のプレーはほぼ終わっていて、主にダイジェストでしか見れませんでした。しかし3アンダーで2位タイと絶好のスタートをきっていました。
見ていると微妙な距離のパッティングが良く入っている。今年はいけるんじゃないかと期待に胸躍りました。
2日目、有力選手が大きくスコアを伸ばす中、松山はわずかに1つしかスコアを伸ばせませんでした。あまり良いラウンドでは無かったと思いますが、そこまで荒れたゴルフでも無く、不安な要素が少なかったのは良かったです。
首位との差は一つ縮まり、まだこれから、と思いました。
3日目、雨による中断の後、松山の時間が始まりました。15番のイーグルで一気にトップに立ち、16番でバーディーを取った時は、「いけ、いっちゃえ、3日目のうちに取れるだけとっちゃえ!」と思いました。
きっと最終日は苦しくなる、一つでも貯金を!と念じていたら11アンダーまで行ってくれました。
最終日、私は1番ホールからずっと観戦していましたが、これほど胸が苦しくなるマスターズは初めてでした。
2位に四打差をつけてスタートした1番のティショット。最終日最終組、トップでまわる日本人として栄誉あるショットは大きく右に曲がって林の中へ。
「あぁぁ。。」早くも胸が締め付けられました。このホールをボギーにしてしまいましたが、うまく吹っ切れてくれれば・・と念じました。
祈りが通じたのか2番ではバーディー。その後もうまくパーでしのいで序盤の難所を乗り越えました。ほんの少しだけ気持ちが楽になりました。
しかし私はまだまだ安心できませんでした。11~16番が終わるまで(11~13、15、16番は池があるホールで、大きくスコアを落とす可能性がある)は気を抜かないでくれと思いました。
特に12番は要注意なのですが、うまくそこも抜けて、13番でバーディーを取った時点ではかなりセーフティーリードという感じになっていました。
でも16番までは・・と相変わらず私は手に跡ができるほど拳を握りしめてまだ念じていました。
そんな中で15番、事件が起きます。パー5のセカンドショット。その時私は頼む、刻んでくれと祈っていましたがその祈りは届かず。松山は2オンを狙いました。
その結果は・・池。このホールスコアを落とし、逆に2位のシャウフェレがスコアを伸ばして一気に二打差になりました。
思わず松山が一番メジャー制覇に近づいた全米プロで悔し泣きしていた光景が頭によぎりました。またあの思いはしてほしくない。お願い・・・頑張ってくれ・・・
迎えた16番。グイグイ迫っていたシャウフェレですが、ここで池に入れてしまいます。ああ、苦しいのは松山だけじゃないんだと思いました。
シャウフェレがスコアを落として正直少しほっとしましたが、松山もこのホールはボギー。一気に流れが悪くなり、心配でした。
18番ホールもバンカーに入れて、本当にギリギリまで心配しました。でもグリーンにトップで歩いてくる松山をテレビの前ですが精一杯の拍手で迎えました。この光景をどれほど夢見たことか。
アプローチを無事に終えたもののパーパットを外し、簡単な距離ながら外すとプレーオフになってしまうウイニングパットが残りました。
もし外したらと私はビクビクしましたが、松山はあっさり打って、もっと慎重に・・って思いました。本当に入って良かった。終わってみれば一打差の勝利。
冷や冷やさせやがって・・・と思ったと同時に一気に緊張がほぐれ、涙があふれました。おめでとうと精一杯の拍手を送りました。ありがとう、おめでとう、ありがとう。
ただ見ているだけの私ですが、人生最高の瞬間でした。でも、松山選手のゴルファー人生はまだまだこれからです。
さらなる高み、四大メジャーのグランドスラムを見せてくれると信じてこれからも応援していこうと思います。本当におめでとう!!!!!