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射撃の大学

初めの銃は何がいいか。北海道編

2021.04.14 14:15

どうも。豊です。

今日は「初めの銃」は何がいいかというお話です。


とはいえ、いろんなことをいう人がいらっしゃるし、一概に言えるものでもないわけですが、そもそも「上手くなる」ことを前提に考えると、選択肢というのは実は少ないのですよね。


実際に、銃を所持する時の一番初めというのは、ライフルが持てません。すると、当然選択肢は散弾銃かハーフライフルか空気銃の3択になります。


それで、北海道の場合はエゾシカ猟がメインですから、北海道らしい広いフィールドで遠くにいるエゾシカを狙おうと思うなら、最低でも100mほどの射程が必要になります。よって、まず間違いなく100メートルの射程が持てるサボットスラッグ弾を打ち出せる銃が必要になります。


自動銃にハーフライフル銃身でサボットスラッグを撃つ

散弾銃のうちの自動銃やポンプ銃にハーフライフル銃身を付けて代用し、1丁で済ませよう、という考えもありです。

実際これも不可能ではありません。ただ、銃身が変えれる分だけ、接合部にどうしてもガタがあり、これによって上手い人であっても、100mで大体バスケットボールかビーチボールぐらいのばらつきが出るそうです。このばらつきは、実はヒラ筒でスラッグやDUPOを撃っても、照準器や練習次第では同じ程度に当てることが可能で、スラッグの何倍も値段のする「サボットスラッグ」を撃つメリットは、実はあまりないんです。

当然、スラッグやDUPOなどは初速が遅いので、100mを過ぎるとかなり速度が落ちてしまいます。その分サボットスラッグはそれ以上に飛んではくれるのですが、実際の命中精度は100mの段階でたいして変わらないため、サボットスラッグにしても、飛んでも結局当たらないことになります。

なので、自動銃やポンプ銃の替え銃身によるサボットスラッグは、「あまり意味がない」と言えます。


サボットスラッグを撃つなら、ボルト式一択


結果として、サボットスラッグで150mまでをきっちり射程に入れようと思った場合、替え銃身では、結局弾代の無駄になってしまうので、ボルト式のハーフライフルが必要となる、と言えると思います。

よって、ヒラ筒で100m以内まで距離を詰めて撃つか、ボルト式ハーフライフルでやるか、というのが妥当な選択肢と言えます。


ハーフライフルだけで良いのか

実際これは避けた方が良い選択です。まずかなり反動が大きく、たくさん撃つと嫌になります。また、サボットスラッグは一発が600〜750円ほどしますから、非常に高価なので、これもたくさん撃つと嫌になります(笑

また、クレーなどは一切撃てませんし、的か鹿しか対象がいないので、有害駆除等も参加が難しくなります。鴨撃ちなどの狩猟等で射撃を「幅広く試してみたい」とか、「射撃自体上達したい」と思うならば、これだけ、というのは避けた方が良いです。

よって、1丁目としては、ハーフライフルは不向きであり、お金に余裕がある場合は1丁目を散弾銃、2丁目にハーフライフルとするのが無難で、とりあえず始めよう、と思うのであれば1丁目には選択しない方が良いでしょう。



散弾銃は何がいいか

では、1丁目に選ぶ散弾銃は何がいいでしょうか。北海道の場合、間違いなく「上下二連スポーティング」がおすすめです。まず、クレー射撃、狩猟、DUPOなどによる大物まで、北海道であれば一番アドバンテージが高いんです。


自動銃、ポンプ銃のアドバンテージ

自動銃やポンプ銃は、チューブ形の弾倉に二発、薬室に一発の合計三発を銃に保持することができます。これが自動銃やポンプ銃を選ぶ最大のアドバンテージになります。

これは、本州の「走る猪や鹿」撃つ際に最大のポイントになります。この時、「自分の方に走ってくる猪」などを確実に止めないと大怪我しますから、このとき自動銃やポンプ銃の「三発目」が自分の生命をまもることになるわけです。

ただ、

北海道には猪はいませんし、鹿は止まっているものを狙うので、「三発撃てる」必要ってあまりないんです。


クレー射撃では「気を遣う」

実際に散弾銃を一番多く撃つのは、ほとんどの人は「クレー射撃場」になると思います。そもそもそんなにたくさん獲物はいませんし、練習射撃も猟場ではできないので、明らかにクレー射撃上での練習の方が「たくさん撃つ」ことになります。

このとき、自動銃やポンプ銃は、特にトラップを撃つときには「から薬莢」が横の人に飛んで行きます。大体のシューターはそんなことよくわかっているので、そのことについて怒った人なんて聞いたことはありませんが、自動銃やポンプ銃を使う人は、まず横の人に「気を遣ってしまう」ので、集中しきれないんですね。

上下二連などでは、上手く排莢されたから薬莢をキャッチして捨てますが、それもすっ飛んでいってしまうので、射撃場の人に拾ってもらうのも「悪いなぁ」と思ってしまい、これもガツガツ練習できない一つの原因にもなります。

また、「当たらない」ときに、「上下二連じゃないからだ」なんて、銃のせいにする人は非常に多いです(笑

これは全くの誤解なのですが、やはり上手い人がみんな上下二連で、自分は初心者丸出し自動銃、という感じが、そう思わせてしまうところは否めないと言えます。


猟場は「安全確保」が難しい

基本北海道で散弾を射撃場以外で撃つのは、ほとんどが鴨などの鳥猟だと思いますが、大体シーズンになると、雪が降っては溶け、降っては溶けしているので、足場がぬかるんでいます。かなり滑りやすくなっているので、油断すると非常に転びやすいんですね。

このとき、自動銃やポンプ銃は、「弾の装填」をするとき、必ず「薬室を閉鎖」してからでないと、二発目、三発目を装填することができません。つまり、弾を装填した時点で、「いつでも弾が出る」状態になってしまいます。

つまり、獲物が近くなったときに弾を入れると、そこから獲物まで「いつでも弾が出る」状態でぬかるみの中を歩かなければならないわけです。

そして、もし転ぶと、安全装置をかけていても衝撃で撃鉄が落ちてしまい弾が出てしまうことがあるわけです。

この点上下二連の場合、銃を「折って」さえいれば弾は「絶対に出ない」ので、たとえ薬室に弾を入れておいても、折った状態で歩くことができるので安全で、閉鎖する時の音は小さいので逃げられにくいということも言えます。


脱包が面倒

自動銃やポンプ銃は、基本的に「排挾」しないと弾を取り出せません。ガチャガチャやって、から薬莢のように排挾しないと脱包できないわけです。これは上下二連や水平二連に比べて非常に面倒なので、中には脱包をなかなかしない人もいます。

ただ、上下二連や水平二連は、銃を折って、指でひっぱれば脱包できるので、その分簡単です。

また、トラップなどは、二発こめて一発しか撃たないときには必ず射台ですぐに脱包するので、脱法の練習も自然とやることになり、結果として「常に脱包」をする習慣がつきます。


三発のアドバンテージも、鴨には必要ない

最後に、自動銃やポンプ銃の最大の「三発撃てる」というのは、じつは逆に言えば「三発しか撃てない」とも言えるんです。

というのも、鴨に限って話をすると、自動銃やポンプ銃の場合、リロードが特殊で、タクティカルリロードのように素早くリロードするためには、片手で「縦に2つ」並んだ状態で弾を掴めないといけないので、特殊なホルダーが必要になります。またこのホルダーは「引っ掛かると取れる」ので、猟場に実包を落としかねないんです。

そして、このタクティカルリロードをしない限り、リロードやっている間に鴨は「全部逃げる」んです。だから、1回のチャンスに現実的に三発しか撃てないんです。

でも、上下二連の場合、二発分の入れるところが見える状態になるので、多少練習すると特殊なホルダーなどがなくても、素早くリロードできるようになります。これはクレー射撃で普通に練習しているだけで、自然とできるようになったりします。

これで、1つの群れの先頭と後方の合計四発は、現実的に撃てるようになります。すると結果として、自動銃やポンプ銃のアドバンテージは、鴨については「ない」と言えるんですね。


北海道での1丁目は上下二連スポーティング

これらのことから、北海道で銃を所持しようと思ったら、まず上下二連か水平二連がよく、そして1丁目なので、「色々使える」ものを考えると、交換チョーク式のスポーティング銃であれば、「全部が1本で」できるわけです。

そして、射撃場で練習すれば、同じ銃で猟場に出られる。狐などの有害駆除もこれで十分使えます。

クレー射撃はスキートをやるのもその銃でいけますし、トラップにも使えます。トラップをかなり本格的にやろうと思ったら、ハイリブなどの専用銃を後から買い足した方が良いかもしれませんが、かなりのこだわりを持ってやらない限りはこれだけで十分です。

また、猟友会のクレー大会は「1本の銃で全ての競技」を撃たないと行けないので、スポーティングは一番有利になります。


これらの理由から、北海道で1丁目に選ぶには、一番アドバンテージがあるのが上下二連スポーティングであり、2丁目にボルト式のハーフライフルを持つのが「ベスト」であると言え流のではないかと私は考えます。