EQと氣究 〜氣を整えて過ごしましょう〜
EQとはEmotional IQ(感情的な賢さ)のことです。
例えば、東大を出て政治家になったのにパワハラで辞職することになったり、高級官僚になったのに犯罪を犯してしまったり、こうした行いが知的であると言えるでしょうか?つまり、知性や賢さはIQだけでは十分に説明ができません。怒りによってパワハラをしたり、犯罪を犯すことがないように感情と向き合える知性や賢さが必要で、この感情と向き合える知性をEQと言います。
まずは、「Emotion(エモーション) 」とは何かですが、Emotion = 情動(じょうどう)といい私たちが普段耳にする感情とは異なります。時間的な違いでみると
Emotion(情動) < Feel(感情) < Mood(雰囲気)(参考記事 https://kiq-by-thdesign.themedia.jp/posts/8232568)
と考えられ、Emotion = 情動は、ごく短い時間に脳や体内で生じる内的な生理反応で、人が認知することができない「非認知」能力に分類されます。
Emotion = 情動は非認知なので、そのものを理解することが難しいため、EQをはじめ多くの場合、認知できる Feel = 感情を用いて理解を深めます。
ここらからは一旦、Feel = 感情についてお伝えします。
私たちは生まれてから死ぬまで感情を持ち、その影響を受けていますが、そのことを学ぶ機会がなく知っていようでよく知りません。
例えば、感情について話すとポジティブな感情は良く、ネガティブな感情は悪いと思っている人が多くいますが、そうなのでしょうか?
恐れを感じるから車が横行する道路を安全を確認して渡ろうとします。悲しみは大切な人やものを失う辛さを教えてくくれることで優しくなれます。怒りは自分が進みたいと願う道を遮られた時に湧き起こりハードルを越えようとする力を与えてくれます。不安を感じるから準備したり調べたりします。
難局を乗り越えた時ほど嬉しさが高まります。
楽しい、嬉しいだけに浮かれていると思いがけない落とし穴に填まります。
感情には良いも悪いもなく、その感情との向き合い方次第でネガティブにもポジティブにもなります。
また、感情は情報を伴って訪れます。恐れ=危険が迫っている、悲しみ=別れの知らせ、怒り=権利を守る時・知恵を出して打破するとき、不安=準備不足・雨が降りそうだから傘がいるかも・・・
感情が活用できるようになると予測したり、現状を確認したり、振り返りを促したりできるようになります。
ここで再度、Emotion = 情動に話を戻したいと思います。私は日本でEQをどのように伝えようかと考え、日本文化とEQのことを研究するようになってから「Emotion = 氣」と考えるようになりました。
天氣は予測できます。
氣配を感じて用心できます。
氣配りは先回りして相手を助けたり、関係を良好にできます。
氣持ちを察することができます。
氣のめぐりは体調やメンタルの不調を知らせてくれます。
「お氣の毒に」と氣が毒されることを心配して氣に掛けます。
「久しぶり!元氣?」と氣の状態を確認します。
といった具合です。
そこで、私は Emotion = 氣 としてEQにかけて KiQ(R) = 氣究 と命名しまし、日本文化でEQを説明する取り組みをしています。
さて、みなさん今日も1日、氣(=Emotion )を整えて過ごしましょう!
◆おまけ(専門的な説明)
Emotionは心理学では「情動」と訳されますが、一般に馴染みがないため学術書を除いて多くの場合、「感情」と訳されます。
先に述べた通り情動と感情は異なります。
Emotion(情動)は、生理的反応を伴う短い時間に生じる強い心理的な反応を言います。
個人差はありますが、何かの刺激によって情動を引き起こす脳内神経伝達物質が発生するまでが0.25秒、消滅するまでの時間は、おおよそ6秒とする研究があります。
アンガーマネジメントなどで、怒りを鎮めるために6秒待つ = Six seconds pause はここに由来します。