第10回 うえだ子どもシネマクラブ(午後)_4/26
4月26日(月)は韓国の10歳の少女のある夏休みを描いた『夏時間』。そして、フランスの巨匠・ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟による『息子のまなざし』をお届けします。
二つの作品を観た後に、わたしたちの感情に何が残るのかー。
そんなことを思いながら、作品と向き合っていただけたらと思います。
『息子のまなざし』
[2002年/ベルギー=フランス/103分]
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌ、ほか
“ 人を受け入れることから、愛が生まれる。”
生涯忘れ得ぬ感動が 深く心に刻まれる。
[解説]観客はオリヴィエの後ろ姿を追ううちに、彼の日常を知り、周囲の人々を知り、そしてフランシスとの関係を知る。その衝撃。観客は父オリヴィエの慟哭に共感する。やがてオリヴィエの視線を通してフランシスを見つめ、フランシスの視線にさらされるオリヴィエという男性に向き合う。本作は「人は聖者にならずに最も憎い人間さえも受け入れることができるのか」というテーマを描いている。最も憎い相手さえも受容する──果たしてそれは可能なのだろうか。その厳しい命題に対して、ダルデンヌ兄弟は現実の痛みと苦しみと悲しみを回避しようとはしない。しかし、最後に彼らが用意したラストシーンは、その向こう側にある、人間の尊厳を慎み深くそっと差し出す。『息子のまなざし』はすべての装飾を剥ぎ取り、人間の本質を描き出す珠玉の作品なのである。
何故? 何故? 謎が明らかになる、その瞬間の衝撃。
そして、映画史に残る、最も慎み深く感動的なラストシーン。
傑作と呼ぶことさえもためらわれる珠玉の作品が生まれた。
[あらすじ]オリヴィエは職業訓練所で大工仕事を教えている。ある日、その訓練所にフランシスという少年が入所してくる。フランシスは大工のクラスを希望したが、オリヴィエは手一杯だからと断り、フランシスは溶接のクラスに回される。しかし、オリヴィエは人に気づかれぬよう、フランシスを追う。フランシスとは誰なのだろう?何故、オリヴィエは訓練所の廊下、街角、ビルの中までフランシスを尾けるのか?何故、オリヴィエはそんなにもフランシスに興味を持つのか?何故、オリヴィエはそんなにもフランシスに怯えるのか?成長していく上での指針を持たずに育ってきた少年フランシス。少年は目指すべき大人を知らず、自分を受け入れてくれる人を無意識のうちに求めていた。ある事件から心を閉ざしてしまったオリヴィエ。彼は他人を受け入れることができなくなっていた……。
●会 場:上田映劇(上田市中央2-12-30)
●定 員:各55名
●主 催:NPO法人 上田映劇、NPO法人 アイダオ、NPO法人 侍学園スクオーラ・今人
●後 援:長野県教育委員会事務局 東信教育事務所、上田市教育委員会、東御市教育委員会、小諸市教育委員会、佐久市教育委員会、御代田教育委員会
●お申し込み&お問い合わせ:上田映劇(上田市中央2−120)0268-22-0269/uedaeigeki@gmail.com