電子ブック兼好法師徒然草に記されなかった真実 (中公新書)無料ダウンロード
2021.03.22 20:24
兼好法師徒然草に記されなかった真実 (中公新書)
本, 小川剛生
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電子ブック兼好法師徒然草に記されなかった真実 (中公新書)無料ダウンロード - 兼好は鎌倉時代後期に京都・吉田神社の神職である卜部家に生まれた。六位蔵人・左兵衛佐となり朝廷に仕えた後、出家して「徒然草」を著す――。この、現在広く知られる彼の出自や経歴は、兼好没後に捏造されたものである。著者は同時代史料をつぶさに調べ、鎌倉、京都、伊勢に残る足跡を辿りながら、「徒然草」の再解釈を試みる。無位無官のまま、自らの才知で中世社会を渡り歩いた「都市の隠者」の正体を明らかにする。
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年末の日本で読了したところである。 徒然草は高校以来の、いわば愛読書だ。折にふれて読み返してきたものだ。作者の兼好法師に関しても漠然と「市井の隠賢者」というようなイメージを持っていたに過ぎない。従い、本書で描かれる兼好像は新鮮だった。すなわち隠者どころか世俗の中に塗れてある種のサラリーマンともいうべき処世像である。同じくサラリーマンである僕として親近感を覚えないわけにはいかない。 思い返してみると、小林秀雄は早い段階から、兼好の持っていた好奇心と現実感を指摘してきている。世の中で出てきた新奇なるものも確りと見て確りと書いたと言っていた。 そんな小林の意見には、これまた漠然と賛同してきたのだが、それを兼好に可能にさせたものには思いは及ばなかった。兼好が俗世に塗れ、のたうちまわって行く中で兼好が獲得することが出来た「視線」というものがそこにあったに違いないのだ。 振り返って自分はどうか。 兼好と同じく俗世に塗れていることは間違いない。但し、そこから獲得されるべき「視線」というものを僕は手に入れていることが出来ているのか。それともただの視野狭窄に堕ちているのではないか。それが本書が僕に投げつけてくるものだ。 今回の本書は、兼好の「視点」の確からしさという点で僕には大いに意義ある一冊となった。俗世を見極めるためには俗世の中にいなくてはならない。兼好が知のアスリートとして稀有な存在だとしたら、それは彼が俗世の内側から物事を冷徹に見極めたからにほかならない。
de 小川剛生
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