潮の満ち干きと人の命の関係について
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/280562.html 【潮の満ち干きと人の命の関係について】より
No.5ベストアンサー
もと愛媛大学(今は九州大学教授)の柳哲雄さんの研究があります。(ちなみに,柳先生が小さい頃,近所のおばあさんも同じような話をしていたそうです。)
以下,要約して紹介します。
1974~1978年の5年間,松山日赤病院において,何の薬も用いない自然分娩の4590例の出産について,その日時を調べ,起潮力や松山港での満潮・干潮時との関連を調べました。
起潮力とは,潮の干満を起こす力で,簡単に言えば月が真南に来たときと,地球の裏側に来たときに最大になります。一方,実際の満潮時刻は,起潮力のピーク時よりも遅れます(後述)。
仮に出産に影響するとしたら,海水そのものの動きよりも,それを引き起こしている起潮力のほうが関係が深いのでは,ということで,両方調べたものです。
結果は…いずれも,有意な差はありませんでした。
大潮のとき(起潮力が大きく,干満の差も大きい)だけ選んで調べてみたり,初産と経産で分けてみたりしましたが,いずれも有意な差はなしということになりました。
一方,太陽時(日常使っている時間と考えてください)と出産数との関係を見ると,わずかながら深夜~明け方に数が多くなる傾向があります。
日赤の医師の話では,昼間は生活騒音などでうるさいため,夜中に静まってから陣痛が始まりやすいのではないか,ということです。
とすると,起潮力(最大時でも重力の1000万分の1程度です)のようなわずかな力の影響が,かりにあるとしても,もはや現代生活を営んでいる中では,出産時刻の数字からそれを見出すのは無理といっていいでしょう。
以上が柳先生の研究の要旨です。
(柳哲雄『潮汐・潮流の話』創風社出版)
ここから先は私の素人考えですが,私も言い伝えの真偽に関してはちょっと怪しいと思っています。
先程も書いたように,起潮力は月の南中時刻からきれいに求まります。しかし,実際の満潮時刻はそれよりも遅れます。
この遅れの時間を高潮間隔といいますが,この値は場所によってかなり異なります。(日本では3~7時間という所が多い)
高潮間隔が起きるのは,起潮力が最大になったからといって,一瞬にして海水が盛り上がるわけにはいかないからです。
海水の粘性や,海水と海底との摩擦,海底地形の影響,陸地の分布など,さまざまな要因がからんでいますので,高潮間隔を理論的に求めることはできず,実際の満ち引きを観測してその結果から求めるしかありません。
さて,出産と潮汐との関係ですが,人間は海底に体をこすりつけて生活しているわけではありませんので,港や海岸の海水が受けているのと同じ影響が出産にも現れるというのは不自然です。
柳先生の話にもあったように,仮に影響があるとしたら太陽や月による起潮力をダイレクトに受けると考えたほうがまだ自然です。
にもかかわらず,満潮・干潮と出産・死亡との関係が伝えられてきたということは,いいかえればあまり関係はないということを示しているように思われます。
一度いいつたえが成立すると,それに合致しない出産や死亡に出会っても「人間はたくさんいるのだから,たまには外れることもあるだろう」と例外的なものとして考えてしまう。
また,合致する事例に出会うと「ほら,やっぱりね」ということになる。こうやって,言い伝えは強化されていったのでしょうね。
「昔のほうが生き物らしかった」かどうかは分かりませんが,少なくとも今よりも天体の運行や海水の干満,季節の変化など,自然現象が暮らしの中により深く根づいていて,身近なものであったことは確かでしょう。
この言い伝えも,科学的に正しいかどうかは別にして,大自然に対する畏敬の念をあらわしたものと考えればいいのではないかと私は思っています。
No.10
犯罪…については、まえに質問回答がありました。↓
統計的には関係ないようです。
満月の晩はあかるくて夜うろうろする人が多くて、被害に遭いやすいんじゃないか、というのが私の仮説です。(いまでは月に関係なく出歩くからね。)
月の関係でいうと、「新月」と「満月」はどちらも月の「引力」が一番大きくなるのですが、月が出る日と出ない日と、「逆」。「引力説」では、その説明に困ると思いますよ。
No.9
前にテレビで、『満月の日に犯罪が増える』というのを聞きました。理由は月の引力が影響しているとのことでした。海の満潮干潮のように、引張か圧縮かということでしょう。
満月の日に一番引力が強くなるので、人間体内の血液が引張を受け血液循環が活発になり、興奮しやすくなる。
逆に月の出ない日は圧縮状態になり、血液循環が押さえ込まれるような形になるので血行が悪くなる。
以上のことが、生命誕生と死に繋がるのではないでしょうか?
これは科学的に解明されているようです。
お婆様たちは科学的知識無しで、本能というセンサで感じ取っていた訳ですので人間の限界はまだまだ底知れませんね~
No.8
干満が関係するのは、沿岸ですが、
そういうところでは、生活サイクルが潮のサイクルにあわせるようになるから、漁村の人々の場合、影響があるかもしれませんね。
島によっては、干潮時に遺体を沖に流すような習慣があるかもしれない。
(火葬にするほど燃料がなく、土葬にするほど土が掘り易くないような島)
No.7
直接的な因果関係は現代では見つけにくいでしょうし、先の人の回答にもありますように、実証的に、そのような関係は見いだされたいないようです。
しかし、こういう言い伝えは、まったく無根拠だとは思えません。
太陽の日照時間とか、大気の温度の季節変化が、植物に色々な活動を行わせる起動スイッチになっていることはよく知られています。秋の紅葉とか、花の開花とか、こう言ったことは、大気温度の変化と、日照時間の変化に影響されます。
太陽の光を浴びると、人間の日周バイオリズムが補正されるという事実があります。海外に行って、時差に最初は慣れなくとも、太陽の光に当たると、睡眠と覚醒のバイオリズムが調整されて来るということです。
月の光かまたは重力にも、人間に影響を与えている要素があると考えられます。これは、元々、潮の満ち引き、しいては、月の公転から来たと思える、月単位のバイオリズムが人間の身体にはあることから、それが或る程度言えます。
誕生と死は分かりませんが、満月の夜になると、狼人間が変身するというのは、精神病の人の病状が、満月の頃に悪化するということと関係付けられていたと思います。精神病の人の精神状態と、月の状態は、何かの相関があるということは実証されたという文章を読んだ記憶があります。
人間の月周バイオリズムも、月の公転によって、補正されている可能性があります。
現代のように、日夜関係なく明るい照明があり、バイオリズムを狂わせるストレスが一杯ある条件では、自然バイオリズムとはかなり関係なく、人間の生理心理反応が起こっている可能性があります。
しかし、人工の強い光源の照明がなかった時代には、太陽の昇降で日周バイオリズムは決まったでしょうし、月周バイオリズムも、身体や心の状態が、月の満ち欠けと相関していた可能性が高いです。
満潮の時、子どもが生まれ、干潮の時、人が死ぬというのは、「象徴的」意味合いが入っていると思います。「満満ちて、子どもが生まれ」とか言います。何が満ちるかというと、無論、胎児の成長ですが、胎児の成長は、月と関連付けられ、実際、関連があった可能性が高いです。
現代とは違う昔の場合、自然環境の周期性の影響は、人間のうちなる自然として含まれていたと考えられます。
出産や死は、後者は事故死でない限り、バイオリズムの影響で、決まって来る部分があったとも思えます。また、事故も、バイオリズムの影響で、事故を起こしやすい時期というものがあったとも思えます。
従って、月の満ち欠けが、人の心理・生理状態に影響を及ぼしていると考えられる以上、人の生死にも、何かの影響があったのだと考えて差し支えないと思います。昔の人の方が、バイオリズムが自然であったので、この影響が大きかったということも言えると思います。
とはいえ、満潮で子どもが生まれ、干潮で人が死ぬというのは、そういう傾向がもしかしたら昔は僅かにあったのかも知れませんが、「象徴的な」思考としての意味だと思います。