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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

フランス革命の道7-ルイ16世の戴冠

2021.04.19 11:07

新王ルイ16世は、戴冠の前にモールパと組閣に入らねばならなかった。モールパは、ルイ15世末期の三頭政治を辞めさせたかった。そこでその筆頭というべき大法官モープーを罷免し、高等法院の復活を進言した。彼に言わせれば「高等法院なくして国王なし」である。新王は了承した。

しかし高等法院は法服貴族といわれる特権階級だった。彼らは自分達貴族の権限にこだわり、王権とことあるごとに対立していた。そして高等法院の承認なしには、法律はできない。この後、貴族課税の問題で、高等法院は国王に反対し、やがて革命で王と共に葬られる。

財務総監テュルゴーに面会したルイは、彼に「破産も新税も借金もしないように」と方針を伝えた。いかにも真面目なルイらしいが、テュルゴーは、税収をあげるために、自由主義的改革を行って、運悪く経済が混乱して、交代させられることになる。

ともかく1775年6月11日、ルイ16世の戴冠式が規定通りランス大聖堂で行われた。敬虔な王らしく、今回はきちんと聖油の塗油が行われた。保守派や聖職者は大満足だったが、啓蒙主義者らは、この儀式を前時代的で浪費だと考えた。もちろん王妃アントワネットは感激した。