シュケル高値を更新
2021.04.19 13:50
イスラエルの通貨シュケルが高値を更新した。
その背景とはなんだったのか、イスラエル元中央銀行職員のエコノミスト、モラル・レオンが取材に答えてくれた。
ー産業構造の転換を成し遂げたため不景気に強い。
レオン「イスラエルはかつては、ダイヤモンド加工産業や農機具をつくるいわば製造業をを中心に発展していた。だがこうした製造業中心の国は景気の影響を受けやすく、かつてイスラエルは高インフレになったが、克服し最近はグローバルにハイテク産業や医療分野を中心に発展した。これらの産業は不景気の影響を受けにくい。これが堅実な成長につながっている。またスタートアップ大国のイスラエルでは少ない規制で自由にビジネスができ、おまけに税金も安い。そこでビジネスの資金の振り向け先の一つとなっている。それにより対外純資産が増加傾向にある。」
ーデフレ通貨であること
レオン「イスラエルの通貨は世界有数のデフレ通貨です。デフレ通貨になるとどうなるかというと、なにか混乱が起きた時ヘッジファンドがシュケルを買いに来る。それがデフレ圧力になっているのも大きい。近年、アメリカ友好国と清国を中心に緊張が高まっている中で安定した通貨のシュケルを買いに来る投資家が多い。それによってマネーが流入する。」
ーやはり一番はアメリカ
レオン「やはり一番はアメリカの影響力でしょう。イスラエルが自由に動けているものや、あれだけミサイルの雨が降ってもシュケル高なのはアメリカがついているという安心感というのがでかいし、実際アメリカへの依存度はかなり高い。アメリカの援助がなければここまで発展しなかったでしょうね。」
とエコノミストは語る。