応急処置 ~吐き気が止まらない~
犬や猫は人と比べて簡単に食べたものを吐くことができます。これは、未消化の食べ物を吐き戻して子犬や子猫の離乳食とする肉食獣としての生態と関係があり、少し食べ過ぎたり、胸焼けを起こしただけでも吐くことがあります。
しかし、もしも何も食べていないのに何度も吐くようであれば、何らかの病気が疑われるため、すぐに対処しなくてはいけません。
吐いたときの状態
吐いていたら、まずはペットの状態をよく確認しましょう。ぐったりしていたり、のどに何かつかえているようなそぶりが見られたらすぐに動物病院へ連れて行く必要があります。背中を丸めてうずくまったり、「はぁはぁ」と呼吸が荒いのは、おなかが痛くて苦しいときに見られる仕草なので、これらが見られたときにもすぐに動物病院へ相談をしましょう。
吐いたものを確認しましょう
食べてすぐに吐いたのであれば、その内容物はほとんどが未消化の形が残ったフードかもしれませんが、念のため吐いたものの内容物はよく確認しておきましょう。中におもちゃや家具の破片、布の一部、ちぎれたビニール袋など食べ物以外のものが見つかったら、異物による胃炎や腸閉塞を起こしている可能性があります。また、草の葉や人の食べ物など普段食べているフード以外のものが見られたら、こっそり何かを食べて中毒を起こしていることも考えられます。
さらに、もしも吐いたものの中に血液が混ざっていたら、食道や胃からの出血が疑われます。血液は胃液と混ざると黒っぽくなり、見た目には血液だとわからないこともあるため、できれば吐いたものをビニール袋に入れて動物病院へ持っていき、獣医師に確認してもらうとよいでしょう。
おうちでできること
もし、吐くのが1回きりでペットも特に変わった様子が見られなければ、少し様子を見ても構いません。そのときに一番気をつけたいのが、なるべく安静にして消化管も休めるということです。温かく落ち着ける場所を用意し、食べ物だけでなく水も与えないようにして、半日ほど様子を見ましょう。
ただし、子犬や子猫の場合は、吐いて胃が空の状態のまま長時間食べないでいると、低血糖の症状が出てしまうこともあるため注意が必要です。吐いてしまったあとは少し様子を見て、吐くことが続くようであれば、すぐに動物病院へ相談するほうがよいでしょう。
もしそれ以降吐くことがなければ、やわらかく消化のよいおかゆのようなごはんを少量ずつ与えて、徐々に普段のフードに戻していきます。水もできれば冷たい水よりも、湯冷ましのような胃を刺激しない温度にして少しずつ飲ませるようにしましょう。
動物病院に連れて行くときには、あらかじめ「いつごろから」「何回くらい」「どんなものを」吐いているのか伝えておくとよいでしょう。また、吐く前に食べたものと食べた時間もチェックしておきましょう。
移動する際、縦方向に抱っこをしていると、もし移動などの途中で吐いてしまった場合に誤嚥(食べ物や吐いたものが気管に入ってしまうこと)を起こしてしまうかもしれないので、なるべく伏せができるようなキャリーケースなどに入れて連れて行くようにしましょう。
まとめ
1度だけでもそうですが、ペットが何度も吐いてしまうととても心配ですよね。
もしもペットが何度も吐いてしまう場合には、慌てずに吐いてしまった状況をよく把握してそのときの様子を獣医師へ伝えられるように準備することが大切です。また、縦に抱かないようにするなどの注意事項を意識しながら、なるべく早く動物病院へ連れて行くようにしましょう。