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ZIPANG-5 TOKIO 2020 速報~明治の弘前が生んだ名匠~堀江佐吉の最高傑作 「旧第五十九銀行本店本館」リニューアルオープン! 

2021.04.22 18:15

国指定重要文化財「旧第五十九銀行本店本館」



青森県弘前市は、国指定重要文化財「旧第五十九銀行本店本館」の展示内容を大幅に見直し、建物の歴史や魅力を紹介する空間として、4月吉日にリニューアルオープンしました。


弘前市の歴史

「津苅」「東日流」とも記された津軽が、正史に見えるのは、斉明天皇元年(655年)、津苅蝦夷6人に冠位を授けたとあるのが最初である。


鎌倉・室町時代には、安藤氏が津軽を支配。その安藤氏も、14世紀初頭に勢力を弱め、のちに初代津軽藩主となる為信が津軽の統一を果たした。


為信は領内の開発を進め、慶長8年(1603年)に、後に弘前となる高岡の地に、町割りや、新城の建設を計画した。その遺志は2代藩主信枚(のぶひら)に受け継がれ、慶長16年(1611年)に完成し、城下町弘前が誕生したのである。以後、津軽地方の政治・経済・文化の中心として繁栄し、現在に至る。


 旧第五十九銀行本店本館について

  

銀行店舗としての名残がある営業室(1階)


格天井に施された金唐革紙(きんからかわかみ)(2階)


旧第五十九銀行本店本館は、木造2階建てルネサンス風建築で左右均等(シンメトリー)に調和よく建てられ、柱等の木材は青森県産の「けやき」※を、建具も青森県産の「ひば」※を使用している。


設計及び施工を手がけた弘前の棟梁堀江佐吉は、当時の岩淵(いわぶち)惟一(いいち)頭取から腕を見込まれ、「堀江さん、あんたが気がすむようなものをこしらえてくだされば、よござんしょう」と建築の一切を任されました。


総工費は約67,000円と弘前市内の同時期の建築に比べ極端に高額で、さらに佐吉晩年の59歳という年齢から、それまでに彼が修得した和洋のすべての技法と精力を投入したと考えられる。


昭和40年、現在の弘前支店の新築によりこの建物は取り壊される予定でしたが、地元住民から保存を強く要望されたため、解体せずに現在地に曳家して保存されることとなった。


数多い明治の洋風建造物のなかでも構造的技術的に優れ、また、随所に独創的な工夫が加えられている高い水準のものとして昭和47年、建物と棟札が国の重要文化財に指定された。


佐吉自身が最も心血を注いで造った最高傑作といえる、完成度の高い和洋折衷手法の優れた建築であり、弘前を代表する洋風建築の1つである。


屋根に飾られたバラストレードと塔屋


●堀江佐吉とは

祖父の代より弘前藩のお抱え大工だった堀江家に生まれた佐吉は、二度北海道に渡って、公共事業等に携わりながら函館や札幌の洋風建築から、独学でその基礎を学んだといわれ、卓越した技能で、旧第五十九銀行本店本館のほか、旧弘前市立図書館、旧弘前偕行社など、数多くの洋風建築を手掛けた。


息子たちをはじめ、多くの建築に関わる人材を育成したことでも知られる。
また、明治29年に弘前城本丸石垣が崩落した際には、天守の曳屋工事を請け負っている。(現在、約100年ぶりの天守の曳屋・石垣解体修理工事中)  


●施設概要

明治/明治37年(1904)

木造、建築面積373.7㎡、二階建、桟瓦葺

所在地:弘前市大字元長町26番地

開館期間:通年

開館時間:午前9時30分~午後4時30分

※下記の期間は午後6時まで延長

(1)弘前さくらまつり(4月下旬~5月上旬)
(2)弘前ねぷたまつり(8月1日~6日)
(3)弘前城雪燈籠まつり(2月上旬)

休館日:毎週火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)

※弘前さくらまつり、弘前ねぷたまつり、弘前城菊と紅葉まつり、弘前城雪燈籠まつり
期間中は無休

入館料:一般(高校生以上)200円/団体(25人以上)100円
小・中学生 100円/団体(5人以上)無料

※下記の方は無料
(1)65歳以上の弘前市民 (2)弘前市内の小・中学生と留学生
(3)障がいのある方(付添人を含む) (4)ひろさき多子家族応援パスポート持参の方


【お問い合わせ先】

弘前市教育委員会文化財課
所在地:〒036-1393 青森県弘前市大字賀田1丁目1番地1
TEL  :0172-82-1642



《参考資料》


世界の樹木

※けやき

長浜 八幡神宮御神木 大けやき


ニレ科ケヤキ属。落葉高木。別名ツキ(槻)と呼ばれている。
日本ではケヤキ属にはたった1種、ケヤキだけがあり、この属には4種があり、クレタ島、西アジアと東ア ジアに分布している。

日本では今から数100万年前の第三紀鮮新世の地層からケヤ キの仲間のものと考えられる化石が見つかっている。

本州、四国、九州、朝鮮、台 湾、中国に分布し、暖地では丘陵部から山地、寒冷地では平地まで自生している。高 さ20-25mの大木になり、街路樹や庭木などとしてよく植えられている。

幹は直立 し、樹冠は、扇を開いたような形で美しく、冬の梢は、一層形がよく分かる。樹皮 は、灰紫褐色で雲紋状の薄い片となって剥がれ落ちる。若木では、横に長い楕円形の 皮目が多く、全体としては滑らかである。

葉の鋸歯は曲線的に葉先に向かう特徴的な形であり、鋸歯の先端は尖る。
雌雄同株で雌雄異花である。花は4 -5月頃、葉が出る前に開花する。秋の紅葉が美しい樹木でもある。

個体によって色が異なり、赤や黄色に紅葉する。木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じる。堅くて摩耗に強いので、家具・建具等の指物に使われるが、伐採してから、乾燥し枯れるまでの間、右に左にと、大きく反っていくので、何年も寝かせないと使えず、特に大黒柱に大木を使った場合、家を動かすほど反ることがあるので大工泣かせの木材である。

また、中心部の 赤身と言われる部分が主に使われ、周囲の白太は捨てられるので、よほど太い原木で ないと立派な柱は取れないのである。しかし、日本家屋の建築用材としても古くから 多用され、神社仏閣などにも用いられている。現在は高価となり、なかなか庶民の住宅には使えなくなっている。


かって、滋賀県の近江八幡市、八日市市、彦根市、長浜市、木之本町などの大工の棟梁を訪ねた折に、一戸建て木造住宅に大黒柱として使われている欅をよく見かけたものである。長浜で見たものは、柱の幅が1尺5寸~1尺8寸位あり特に重厚感があった。


富山県の呉東(呉羽山を境に東地域)では、雪で建築仕事ができない大工の冬場仕事として、乾燥して狂いが少ないという事から、こぼちした家の古木を使って、無垢の衝立、座卓、茶箪笥等を造っておられたのを想い出しました・・・



※ひば


鶴の舞橋


青森県北津軽郡鶴田町 ひば「鶴の舞橋」岩木山残雪


鶴の舞橋は平成6年7月8日、岩木山の雄大な山影を湖面に美しく映す津軽富士見湖に、日本一長い三連太鼓橋「鶴の舞橋」として架けられました。全長300メートルもの三連太鼓橋はぬくもりを感じさせるような優しいアーチをしており、鶴と国際交流の里・鶴田町のシンボルとして、多くの人々に愛されている。


青森県北津軽郡鶴田町 ひば「鶴の舞橋」朝霧


岩木山を背景にした舞橋の姿が鶴が空に舞う姿に見えるとも言われ、また、橋を渡ると長生きができるとも言われており、夜明けとともに浮かび上がる湖面の橋の姿や、夕陽に色づく湖と鶴の舞橋は絶景で、季節の移り変わりと共に多くの観光客たちの目を楽しませている。


青森県北津軽郡鶴田町 ひば「鶴の舞橋」新緑


全長300mを越える日本一長い木造の三連太鼓橋。津軽富士見湖に映る姿は繊細でとても美しい。遠くに岩木山を望むことが出来る。 長さ…300m 幅…3m 橋脚の径…直径30cm(樹齢150年以上) 使用材料…青森県産「ひば」一等材。

使用量 丸太3千本、板材3千枚(4LDKだと約30棟)
休憩所 大ステージ:10メートル×21メートル
小ステージ:9メートル×9メートル
溜池名称 廻堰大溜池(まわりぜきおおためいけ)
溜池通称 津軽富士見湖

住所:青森県北津軽郡鶴田町廻堰字大沢
お問い合わせ
鶴田町企画観光課 電話0173-22-2111
交通JR陸奥鶴田駅より車で約15分。


青森県北津軽郡鶴田町 ひば「鶴の舞橋」ライトアップ


ひば

学名 Thujopsis dolabrata、別名 ヒバ、翌檜、羅漢柏(らかんはく)、アステ、アテ、ヒ、明日桧、ヒノキアスナロ、ボヤ、クサマキ  日本特産の針葉高木。

青森県以南,奥羽山脈系山地,中部山岳地帯に多く自生している。近畿地方の一部,三重県・滋賀県・和歌山県,中国地方では兵庫県,鳥取県の一部,四国は徳島県の一部,四国は徳島県の一部,九州は福岡県・大分県・熊本県・鹿児島県の一部に自生がみられる。


樹高は20~30m。直径60~80cm。、直径100cmに及ぶものもある。 樹形は広円錐形になる。主幹は直上し、側枝は太く水平に伸び、小枝は平面的で羽状になる。鱗葉はヒノキに比べて厚く大きく、濃緑色で光沢がある。葉の裏面は白色の気孔線が目だち、一見シャモの脚の皮に似ている。年間30 ~50cm 伸びる。

用材としては、能登半島では広く造林されており、アテと呼ばれている。このアテのなかにはマアテ、クサアテ、カナアテなどの品種があり、この類の木材は、今まではどちらかといえば、産地および周辺の地域で用いられており、名前が知られている割に、木材そのものの知名度は高くはない。

木材の特徴は、独得の強い臭気があることで、それにより他から容易に区別出来る。独特の成分ヒノキチオールを含んでおり、養毛剤の原料とされている。

耐久性が高く、水湿にも耐えるので、土台などに用いられることが多く、平泉の中尊寺のように、周辺にヒノキの良材がない場合には仏閣などの建築にもよく用いられた。(地中・水中での耐性はヒノキに優る)比重は平均として0.47。強さがあり、かつ耐久性があるため、産地以外でも、木造住宅の土台に使う角材としての需要がある。

心材は、淡黄色で、辺材は黄白色で、色の差は少ない方。肌目は精。
用途は 建築、器具、風呂桶、漆器素地(津軽塗、輪島塗)、橋梁、枕木、船舶、車両。樹皮は屋根葺・火縄に、精油はポリマード・歯磨に使う。

井上靖の小説『あすなろ物語』でこの木は有名に。「明日はなにものかになろうというあすなろたちが、日本の都市という都市からまったく姿を消してしまったのは、B29の爆撃が漸く熾烈を極めだした終戦の年の冬頃からです。日本人の誰もがもう明日という日を信じなくなっていた。そして新聞社にもアスナロはいなくなった」とある 。



木と大工技術関連情報は下記のリンク記事をご覧ください。


ZIPANG-5 TOKIO 2020 工匠と近代化―大工技術の継承と展開―【文化庁】

https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/14244322/


ZIPANG-3 TOKIO 2020 ~木曽谷の森林・林業の歴史~ 「木の適材適所は素戔男尊(スサノヲノミコト)が宣われました『檜は建築材に』・・・日本書紀」

https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/5943170/


ZIPANG-3 TOKIO 2020 「 木曽谷の物語 ~木曾五木~ 江戸時代後期『木曽式伐木運材図会』&『妻籠』総檜造りの脇本陣 奥谷!」

https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/5972833/



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(順不同・敬称略)

弘前市役所 〒036-8551 青森県弘前市大字上白銀町1-1 電話:0172-35-1111

鶴田町役場
〒038-3595 青森県北津軽郡鶴田町大字鶴田字早瀬200番地1 電話:0173-22-2111

公益社団法人 青森県観光連盟 〒030-0803 青森市安方1-1-40 電話:017-722-5080

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