既存外壁の上から施工できる外壁材 樹脂サイディング
塩害や凍害に強い優れた耐久性
「樹脂サイディング」は、塩と石油などを主原料とした塩化ビニール樹脂製の外壁材です。日本ではまだ知名度が低いのですが、カナダで60%、アメリカで40%のシェアを持つポピュラーな外壁材です。塩と石油を主原料にした素材が持つ特性上、高い耐久性が特徴で、凍害によるひびわれや錆びの心配がないのが強みです。
重量がとても軽く、平米当たりの重さは約2kgであり、平米18~24kgの窯業サイディングと比較すると10分の1程度です。軽量であるため運搬しやすく、現場での施工性も高くなります。躯体への負荷も小さいので耐震面でも安心です。リフォームにおいては既存の外壁材の上から施工が可能です。
メンテナンスの必要が少ないのも特徴といえます。顔料が原料に含まれているため変色や色あせの心配が少なく、定期的な塗装は不要です。期間にすると約30年はリフォームが不要といわれています。万が一破損した際は、破損した一部分のサイディングを取り替える部分補修ができますので、経済的で環境面でも優れた商材といえます。ただ、凍害に強い側面を持つ一方で、夏と冬の寒暖の差によって必ず起きる伸縮を考慮した工事が必要不可欠です。強くビスでとめてしまうと外壁の表面にゆがみが生じてしまうことがあります。
商品選びのポイント
縦型と横型の2タイプから選ぶ
樹脂サイディングは、商品のバリエーションが他のサイディングに比べて少なく、デザインも基本的に縦型模様と横型模様の2タイプです。樹脂サイディングの中で商品を選ぶ場合は、縦型と横型のどちらがその家にマッチするかを見極めて選ぶようにしましょう。
1分間で理解する樹脂サイディング
チェック! 樹脂サイディングの特徴
トレンド
樹脂サイディングは、1965年アメリカで生まれました。その軽さや耐久性などからアメリカ・カナダで大きく売り上げを伸ばし、アメリカで40%、カナダで60%のシェアを獲得するまでになりました。日本でも1996年頃から販売が開始され、北海道などの寒冷地を中心に導入されています。現在のシェアは2%前後と低いのが現状ですが、リフォーム市場での今後の伸びが見込まれています。
リフォマガ2020年12月号掲載