「おひさまわらった」きくちちき
2021.04.22 08:54
先日発売になった、きくちちきさんの新刊絵本「おひさまわらった」は素晴らしい絵本です。
自分の中では、2021年の新刊No.1絵本かもしれません…。
絵の仕事で言えばちきさんの現時点での最高傑作と思えるほどの作品ではないでしょうか。
木版画の素朴ながらも力強い線、そして目の覚めるような鮮やかな色彩。
自然の中を歩いてゆく、子どもの心の声をそのまま歌にしたかのようなテキストも心地良いのですが、その絵は言葉を超えて、より深く広いものを語っています。
子どもの見るもの、子どもを見つめるもの、様々な視線が絡み合いながら自然と子どもの、美しい歌を聞かせてくれます。
描かれる眩しく美しい世界はまるで天国のようです。
鮮やかな色彩は、ページを閉じた後でも目の奥に残り、本の外のこの現実の世界に、また新たな色を与えてくれるようにさえ感じます。
見慣れた世界を、新鮮なものに変えてくれるのは芸術の楽しい点の一つですよね。
花はこんな色だったかしら、木は、虫は、鳥は、こんなに美しい色だったかしら?
この絵本を読む子どもが、絵本の中の自然の色を覚えて、外の世界の色を見たらなんて言うのだろう。
おんなじだね、って言うのかな、きっと言うのでしょう。
それはきっと絵本のおかげで、外の世界の色がより鮮やかに見えているのだと思います。
大人の目を洗い、子どもの目のより深いとろこへと導いてくれる、楽しく美しい、素敵な絵本です。
ぜひ当店オンラインストアでも、御覧ください。
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