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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

アメリカ独立9-独立宣言発布

2021.04.23 08:08

1776年7月4日「アメリカ独立宣言」が第二回大陸会議で採択された。中心となったのは急進的なヴァージニア植民地で、起草したジェファーソンもその代議員である。この宣言は、すべての人間は創造主によって平等につくられ、生存、自由、幸福の追求をする権利を与えられている、ことは自明だと記す。

これは啓蒙思想が政治の姿をとったもので、創造主の権威を借りていることは、トマス・ペインの影響が色濃く表れている。そしてそれから、イギリス本国を専制政府と断じ、その圧政、権利抑圧を、ことごとくあげる。そしてこのような政府から独立するのは国民の権利とする、ここにはカルヴァンからの抵抗権の思想が入っている。

そしてこの独立を「至上なる審判者」に訴え、また「偏見のない世界」に向かってその証明をしようとする。さらに祖国の同胞には戦争を宣言する。自分達の大義へのグローバルな視野が入っている。

独立とは言うものの、今から待っているのは過酷な戦争である。そのためには植民地の力を結集し、イギリスに替わって欧州諸国の援助を得なければならない、だから世界に向かって宣言するのである。賽は投げられた。これからは独立政府の実行の世界である。