19.べっぴんさんの『なんかなぁ』は大事!!
ただいま放送中の連続テレビ小説『べっぴんさん』
高級子供服ブランド”ファミリア”がモデルとなっている。
朝ドラには時折 主人公の”口ぐせ”というものが登場して、それがその個性を表すものとして表現される。
前々回の『あさが来た』では”びっくりぽん”
前回『とと姉ちゃん』では”どうしたもんじゃろのぅ”
”びっくりぽん”では主人公”あさ”の好奇心旺盛な性格
とと姉ちゃんでは 常子の 常に考えなんとか困難を打開するために考える力。その想いがよく表現されていたように思う。
そして今回。『べっぴんさん』のヒロインすみれの口癖は
”なんかなぁ なんかなぁ”
である。
”なんかなぁ”ってなんかはっきりしない。
主人公の性格も物腰柔らかでおとなしいタイプ。
口癖としては似合ってるっちゃ似合ってるんだけどどうも
”朝ドラとして”と考えるとなんかなぁってちょっと思わなくもなかった。
朝からはできれば元気ハツラツな主人公の方が楽しいのだ。気分の爽快に今日も一日楽しもう!というもんではないか。
というわけでこの口癖も
はっきりしない曖昧な感じが余計に誇張されてちっとも好きじゃなかった。
なんなのよ!!このこ!!てな。な。
と。感じてはいたんだけれど
撤回。
使ってるわ。使ってる。
その感情!知ってるわ!
むしろ大事!!
『なんかなぁ』っていうのは心の些細な違和感
はっきり違うもの、反発するものって確かにある。
これは違う!これは嫌だ!って でももっと繊細な部分。
”なんかなぁ”っていうのは”気付き”だ
もしかしたら見逃してしまうほどの部分。
気づいてもまぁいっかで流してしまえるぐらいの部分。
そこをきっちり明白にして 自分の心が何に違和感を抱いているか
そこに気づいてあげる
それは実はそんなに簡単なことではないと思う
根気も体力もいるし そして考える力や語彙力も必要な作業だ
そんな違和感を取りこぼさないための”なんかなぁ”
もちろんそんな”なんかなぁ”は 思わなくても取りこぼしても 生きてはいけるだろう
でもきっとこれは個性とともにスキルでもあると思う
感性を磨き 違和感に気づき 考える脳を鍛え 実現し 実行能力を伸ばす
きっと洗練されてものに近づいていくと思う
う〜ん興味深い。
『なんかなぁ』こだわりすぎて前に進めないのは考えものだが
流されないためにもその感性はきっと必要なものだ。