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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

アメリカ独立11-星条旗を作った女伝説

2021.04.26 09:16

アメリカ国家は「星条旗よ永遠なれ」である。そしてアメリカ人が公式行事でよく行う「忠誠の誓い」それは星条旗への誓いである。その星条旗が最初に誕生したのは1777年6月14日、現在の国旗記念日である。独立宣言をして戦争を行うアメリカ民衆は、軍を中心に一つのシンボルが欲しかった。

ここで建国神話の女性が登場する、その名はベッツィー・ロス。国旗のデザインに悩む司令官ワシントンに、優秀な軍人ジョージ・ロスから自分の身内に適任の者がいるという。そしてワシントンが訪問したのがベッツィーだった。彼女は、軍服の修繕やら、銃後の守りをしていたという。

ワシントンの尋ねに、彼女はデザインを考案し、そして最初の星条旗を縫い上げて、ワシントンに持って行ったというのである。まさしく、英雄ではなく、一市民が作り上げたという点でアメリカにふさわしいストーリーなのだ。しかし実はこの話は1876年独立百周年で広がった話で真偽不明らしい。

ともかく孫のキャンビーが、1870年に祖母が星条旗を初めてつくったという手紙を、ペンシルバニア歴史協会に手紙を送った。その孫の話が広がって伝説ができ、愛国女性の模範となった。日本では知られていないが、彼女は民間のアメリカ人としては知名度No1だったようだ。