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地域をつなぐオフィス

「地域をつなぐ100回連続講座」第1回報告

2021.04.26 15:48

2021年3月7日、「学校動物の飼育活動を通じたひらかれた学校づくり報告会」と題し、オンライン講座を開催しました。

2021年2月に文部科学省総合教育政策局地域学習推進課より発表された「新型コロナウイルス感染症対応下における地域と学校の連携・協働の取組事例」で紹介された、西東京市立保谷第二小学校(以下、保二小)の飼育活動。毎年度、4年生の子どもたちがにわとりとうさぎの飼育を毎日担当します。学校の先生、獣医師、そして地域のおとなたちがどんな想いで、どのように関わったのかを伝えてもらい、実際に飼育を担当したことのある子どもの声も聴きました。

保二小の学校飼育活動を先代の中川先生から継続して支えている、中川動物病院の中川清志さんからは、今回文科省の報告で取り上げられたことの意義や、全国的な学校飼育の状況について説明があり、日本獣医師会としては保二小の取り組みを先進的な事例の一つとして全国的に推奨していきたいとのコメントがありました。

保二小の動物飼育の開始時から関わっている新町柳沢青少年育成会の嶋田安民さんは、約20年前に飼育活動を立ち上げ、そして「学年飼育」が始まった経緯、子どもたちの様子などについてビデオ参加で話してくれました。

保二小卒業生の武田あかりさん(現在高校生)は、飼育を担当することで命の尊さを学んだこと、それを通じて動物だけではなく人に対しても優しく思いやりを持って接することができるようになったと話してくれました。また、先日久しぶりに飼育の手伝いに行ったとき、小屋のつくりや作業内容を書いた掲示が以前のままだったことが気になり、設備や飼育方法の改善が必要ではないかとの提案もしてくれました。

神山繁樹校長(当時)からは、保二小における飼育活動の捉え方について、子どもだけではなく親も理解し、子どもと大人が命の大切さを学ぶ機会であることを大切にしているとの話がありました。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、学校が一斉休校となった際の対応に苦慮したとき、おやじの会がサポートしてくれて乗り切ったことについて、普段からの関係性があって出来だことであり、地域とのつながり、絆に感謝したいとの言葉ありました。

その感染防止のために夏休み等の飼育活動を買って出たホニホニおやじの会の北澤敏さんは、飼育活動の時の写真を交えておやじたちが頑張った様子を伝えてくれました。

後半の質疑応答ではたくさんの発言がありました。参加した保護者のひとりから、「かつて飼育を担当した息子に話を聞いたところ、「ようやく一年終わった」とのコメントが返ってきた。彼は子どものころに犬にかまれた経験から動物に対する恐怖心があり、必ずしも楽しい活動ではなかったのかもしれないが、それでも休むことなく一年間の飼育をやり終えたことをほめてやりたい」との発言があり、みなさんも同意していたようです。また、おやじの会の活躍を改めて認識したという声が複数の人から聞かれました。

今回の講座を通じて、学校における動物飼育の意義はもちろん、学校と地域のつながりの大切さを改めて学ぶことができました。参加者からは、これからもこのような講座にぜひ参加したいとの声が寄せられました。