特別イベント~ 医療ジャーナリストの佐藤さんと考える「病院、医師の選び方」~を開催しました
4月25日(日)にReOPA特別イベント~医療ジャーナリストの佐藤さんと考える「病院、医師の選び方」~を開催しました!
今回は、精神科についての取材歴も長く、精神科に関する著書や医療関係の連載もされてきた医療ジャーナリストの佐藤 光展さんをお招きした初めてのイベントです。
長年精神科を取材されてきたご経験から、病院や医療の本質的な問題や精神科のあれやこれや色々なお話が聞けるのでないかととても楽しみ。
まずは佐藤さんのお話から。「いい病院の見分け方っていうのは現段階ではとても難しく、はっきり言えない。」と最初から「え!」と出鼻をくじかれるようなお話・・。でもそれからその理由についてじっくり語ってくれました。
精神科の診断というのはとても問題が多いというお話から。長年「科学とは言えないようなもの」がまかり通っていたこともあったそう。それから「インフォームド・コンセント」という考え方が入ってきたのですが、医師の実力差が顕著に出始めてしまった、というお話でした。例えば、乳がんでは入る部屋(医師)によって乳房を残せるかどうかが違ってくるというお話に皆さん驚きの声を挙げていました。
佐藤さんが新聞社にいた頃、病院の実力のデータを出そうということでアンケート調査を行ったそうです。その中でも精神科は回答率がかなり低かったとのこと。
また、精神科は指標を作るのが難しいというのを実感したそう。指標になるようなデータや数値化できるものが少ないのですね。
そこで、佐藤さんは患者側の声をもっと反映させてはどうかと思ったのだそう。患者側の満足度などを指標にするという提案。精神科の患者は大人しくて声を出さなすぎ!というお話に私たちもハッとさせられました。
また、患者が病院を選ぶ際に必要なデータや知りたいことなどをもっと発信していけばいいのでは?というお話に皆さんかなり食いついて聞いていらっしゃいました。この問題はグループワークでも話題に挙がりました。
また、診察の時に医師に言いたいことが言えないという方が多いという問題には、診察に同行してサポートするシステムなどを実際作って試しているそう。当事者側の方も声をあげたり、色々と工夫していくことが必要なんですね。
まだまだ書き切れないですが、衝撃的な話もあり、とても興味深く、勉強になる内容でした。
この後、グループワークで話を聞いての感想や実際どうやって選んでいるか?などをシェアしました。
近いから、すぐに予約が取れるから、本を出している先生がいるから、など皆さんからそれぞれ選んだポイントについて様々な声が挙がりました。また、今も治療の場で悩んだり、不安を抱えている方も多くいらっしゃいました。
診察時間が長い方がいいという方もいれば、短いけど相性がいいからあまり気にならないという方も。いずれにしても、ドクターと率直に話し合えたり、信頼関係を築くことが大切だね、というのが皆さん共通の意見。
全体でグループワークの内容をシェアした後、佐藤さんへの質問タイムへ。本当に色々な質問が出てきて、佐藤さんに一つ一つじっくり答えていただきました。
投薬以外の治療法のお話や佐藤さんが取材された内容についてのものなど多岐に渡る質問が挙げられました。
長時間でしたが、皆さん最後まで熱心に聞いていただき、興味の高さが伺えました。佐藤さんももっと話したいことがあったのに・・と話し足りない様子。
また是非お話いただきたいなと思いました!
こうやってみんなで考え、ここで挙がったような当事者の声をどんどん発信していくことが大切なのだなと改めて感じました。体制や長年の慣習はすぐには変わらないけど、当事者が小さな声を挙げていくことで少しづつでも変わっていくといいなと思います。
このようなイベントは今後も定期的に開催していきたいと思います。