ChaKi Room

背ける

2021.04.29 08:03

仕事をしている合間、作業で触れる物を何かネタに出来ないだろうかと考える。


バックヤードにある小窓から雨音が聞こえる。雨は見えない。でも自然の潤いの香りがする。不自然な匂いに消されそうになるのだけど、私が感じようとすれば大丈夫。


この世界もいずれ忘れてしまう。

人も、部屋も、店も、街も。確かな事実として、儚さを持っているのが日々で在る。


私がある場所で、どんな風に扱われても、何を思われても、擦りもしないボールのように、どこか遠くへ飛んでいく。


ひとつの出来事に騒いでも、心の雨に濡れて消されてしまうから、私は耳を塞ぐ。

雑念が隙間から入り込んで来るのを無視しながら、帰る時間まで、ただ何気なく過ごす。