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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

大王対女帝26-バイエルン継承戦争

2021.04.29 09:23

1777年12月バイエルン選帝侯マクシミリアン3世ヨーゼフが子供なく崩御した。神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世は、チャンスとばかり、プファルツ選帝侯カール4世フィリップテオドールを推挙し、その代わりに領土の1半分をオーストリアへ割譲することを求めた。フィリップはこれをOKしてさっそく墺軍が侵入する。

これには分家のカール3世も反対、オーストリアの拡大を望まないプロイセンのフリードリヒ大王は、ドイツ諸侯や露英と組んでボヘミアに侵入した。フランスといえば、同盟の約束上、プロイセンと戦わねばならない。アントワネットは、兄の催促でルイ16世に頼み、宰相や外相を呼んだがいい返事は得られなかった。

国王ルイは結構やっかいな立場だった。王妃は妊娠しており、優しい王は心配させたくなかった、産医師まで口出ししたのである。しかし、ここでフランスが介入すると、待ってましたとイギリスが出てきて、アメリカへの援助がやっかいになる。王は「皆私が悪い」と王妃に言った、何もかも優しい。

さりとて、イギリスとの戦争が公然化したとき、このせいでオーストリアにそっぽを向かれるとマズい。仏王は