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指の動き

2021.04.29 11:51

一見すると指をただ曲げているだけです。しかし、よくよく見ると、ゆっくり曲げている関節の軌道がブレているのがわかると思います。


本来なら真っ直ぐに曲がるはずですが、関節に結節ができている為に曲げていく途中で綺麗に曲がらないという現象が起こります。 しかし、このような現象はヘバーデン結節のように関節が変形したから起こっているのではありません。一見何もないように見える関節であっても、ゆっくり曲げると軌道の異常があるのがよくわかります。 


ゆっくり曲げると粗が見えて、それが明確になります。正確に曲げようとすると、普段使っていない筋肉を使うのもよくわかります。小さく動かした時だけ、その変化が見えてきます。

なぜ、ゆっくり曲げることに拘るのかと言えば、関節の軌道が異常だと患者本人に認識してもらう為です。


最初はわからないと言いますが、よく見て感じていると自覚するようになってきます。 ゆっくり、綺麗に曲げ伸ばしをする。その動作を動画に撮って後で評価することもできます。

これが術者と患者の共通の感覚になります。ブレがあるという感覚が視覚を通して共有することができます。そして、それを第三者が見ても同じように見えます。 


圧痛や最大可動域の運動は、代償運動によって誤魔化すことが十分可能ですが、ゆっくり小さく綺麗に動かす運動は誤魔化すことができません。誤魔化すことができないから一定の評価につながる訳です。何度やっても同じようなところで揺れが起こり、軌道が不安定になります。 誤魔化せないから評価になる訳です。


もちろん、やり方がありますので、正確に指導する必要があります。その為には、術者側に動きを理解している必要があります。もし、この動きが何らかの刺激をすることで変化し、指の痛みや腫れが少なくなってきたら、その刺激は変化を与えるのにふさわしい刺激だったと言えます。 


このような評価を取り入れて刺激の質を評価していくことで、状態の把握と、刺激の有効性を確かめることが可能になると思います。