絵本を贈る。
こんにちは。
久しぶりに絵本ネタを。
先日、友人から
南相馬で行われる 未就学児のクリスマス会に絵本を贈りませんか?
という声かけをいただいて、早速絵本を贈ってみた。
震災後、図書館で人形劇をするために訪れた土地だったので、
あの頃、人形劇を見に来てくれた子供達の笑顔が浮かんだ。
元気かな?今どうしてるかな?
人形劇以来、私は足を運んでなかったけれど、子供達の喜ぶ顔が見たいな。
サンタさんみたいになりたいなと、その誘いをいただいたとき思った。
そして、その後、どんな絵本を贈ろうか・・・と考え始めた時、
近頃のニュースで、福島から転校していじめにあっている子供達のことを考えた。
とても胸が痛むニュースで・・・
転校したくてしたかった訳じゃないし、
知らない土地に飛び込んでいくだけでも大変なことなのに、
痛みがわからないことも悔しいけど、
自分の生まれた土地のことを受け入れて生きてかなきゃいけない子達もたくさんいて、
そういう子達を応援できること、ないかなぁと漠然と思っていた。
大人になってから、改めて絵本と向き合うようになって、
友人や周りの人と絵本について話す機会も増えて、
特に、小さい頃、読んだ絵本というのは、意外にも今の自分を形成していたりしていて、
小さい頃に読む絵本って、実はとても大事なモノなんじゃないかと思っていた。
だから、今回贈る絵本は、これからの時代を生きる子供達が、
大人になったとき、心の中でなんとなくでも覚えている絵本のお話が、
シアワセで、勇気がもらえるようなそんな1冊を贈りたいと思った。
そこで、先日、どいかやさんの展覧会に行って、初めて読んだ
「チリとチリリ ちかのおはなし」
を選んで贈ることにした。
どいかやさんの絵本は、絵がとてもかわいくて、
登場するスイーツもつい食べたくなっちゃうような美しい絵本。
チリとチリリがたくさんの冒険に出かけるところも楽しい。
そして、何より、この絵本に描かれているお話には、敵みたいな人は出てこなくて、
みんな友達になってしまうような世界。シアワセが溢れている。
現実を生きる時、絵本の世界と同じなんてことはないかもしれない。
でも、大きくなるまでの間に、
チリとチリリがしたみたいな、暗闇かもしれない地下の中も好奇心を持って進んでいったら、
いろんな出会いや素敵なものを発見していけるような冒険をたくさんしていけたらいいなと思うし、
美しい世界、繊細で素敵なお話が世の中にはあるんだよってことが
心の隅っこにでも残ったら嬉しいなとなんだか思って、この絵本を贈ることにしてみた。
贈り手の想いは、贈られる側にはわからないだろうけど(笑)、
シアワセを願って、私は贈りたかったんだ。
子供達にとって、素敵なクリスマス会になるといいな。
※写真は、「チリとチリリ まちのおはなし」です。