Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

the sound of bricolage

冨田ラボ / SUPERFINE

2016.12.03 20:00

冨田ラボの新作を聴いた。この作品は、アルバムタイトル「SUPERFINE」が"正にジャスト!!"と納得すること間違いなしの快作だ。ポップマエストロとしての仕事っぷり、実に健在である。


このアルバムが日本のポップスのスタンダードであるなら、日本の音楽の未来はとても明るすぎ、である。ポップスならではの華やかさと、何度聴き直しても飽きないスルメ感がみごとなまでに同居している。今、外国の人に「J-POPってなに?」って聞かれたとするならば、ぼくはきっと、さらっとこのアルバムを差し出すことだろう。


若き才能がキラリと輝く新進気鋭のミュージシャンたちを揃え、一曲一曲バラエティに富んでいながらの作品のトータル感には思わず聴いていて、失禁または脱帽。ポップってなんでこんなにヤバいんだっ!って、スーパー興奮しているよ、俺。


しっとりキラキラな坂本真綾の「荒川小景」の後に、かなりリズム的に攻めている高城晶平「ふたりは空気の底に」がきて、その後に藤原さくらの歌うスローナンバー「Bite My Nails」と続いているのに、違和感なく、するりと聴けるのは凄いわー。


SuchmosのYONCEや水曜日のカンパネラのコムアイにしても、それぞれの自身の活動とはまた一味二味違った聴きどころがあって、比較すると興味深くて、聴いていてとても楽しい。歌っている本人たちにしても刺激いっぱいだっただろうな。ハードルはかなり高い気もするけど。


"快"と"怪"が絶妙にブレンドされた時の気持ち良さが、良いポップスの冥利だとぼくは思っていたりするので、その点でいうとこの作品は否定するところがホントにない。時々こういう作品と出会えたりするから、音楽聴くのやめられないんだよなー。そこんじょそこらのロックより全然刺激的だよ。ホントダヨ。