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消臭調査+作業 ケース2

2021.05.01 01:06

ペットの悪臭で近隣住人から苦情!裁判も考えている?!


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依頼背景と内容

管理会社からの依頼で、ペット臭(犬)消臭調査

都内にある、管理会社の物件の消臭調査依頼を受けました。

近隣住人によるペットの悪臭に悩み続けたが、近所の付き合いもあるため直接訴えることに不安を感じ、居住者で構成された管理組合に相談。

管理組合より、該当物件のオナーに「家の前を通ると悪臭がする」のことを伝えると、本人はそれほど臭わないという返答であった。

近隣住人は悪臭に悩まされており、体調も悪くなっていると言う。

管理組合より、管理を委託している外部管理会社に相談。

窓口となっている管理会社支店から、本社に調査を行える専門家派遣の依頼をする。

本社より植木照夫に連絡があり、消臭調査の依頼を受ける。

*その後、管理組合と該当物件住人との話し合いがあり、近隣住人から悪臭に対するクレームが出ており、裁判も辞さない構えであることを伝え、該当物件住人も改善を承認する。

窓口は管理組合から依頼を受けた管理会社支店であるが、費用は該当物件住人(オーナー)である事が確定した。




初期調査及びカウンセリング(問診)

お客様の家に、調査及びカウンセリングを行うため訪問しました。

マンションの共用部廊下は建物内部にあり、住居前には窓がないタイプでした。

該当物件の家の前の臭いは、当日は(11月)それほど強くは感じませんでしたが、建物内部の閉鎖された共用部廊下では、高温多湿などの環境要因による臭い方の変化や、気になる人には嫌悪感を与えると推測できました。

家の中は物が多く感じ、臭いを強く感じました。

共用部廊下側の部屋にトイレがあり、その部屋はさらに臭いが強く感じ、床はカーペット素材でオシッコのシミが多数見受けられました。

消臭作業は、臭いの元に消臭剤噴霧(状況によりクリーニング作業)を行う必要があります。

家の臭いを軽減するには本来居室含む室内全体の消臭に対応した特殊リフォーム及び消臭クリーニングが必要と判断しました。

まずは問題の共用部廊下側【洋室2】(玄関入って右側居室)の整理整頓をする事を勧めました。


今後の対策として、住まいの改善と住まい方の改善を提案致しました。


住まい自体にお金をかけて改善しても、住まい方が変わらなければまた同じ問題が起こる可能性も高く、住まいと住まい方の改善は同時に行わなければ効果が薄いと言えるからです。



① 住まいの改善として

【洋室2】部屋の床の張替え+消臭作業 カーペットからフローリングへ


【洋室1】部屋のカーペットクリーニング

*お客様曰く洋室1は、犬を入れていないとの事だった為室内全体の状況の確認が取れていないので、できれば再調査が必要と思われます。


【和室】 部屋の畳からフローリングへ張り替え+消臭作業


【リビング】:整理整頓及び要再調査



② 住まい方の改善として

犬のトイレを共用部廊下側の部屋からベランダ側の和室(フローリングに張り替え後)に移動し、トイレの下にCFシートなど防水床材を広めに設置することでオシッコがはみ出た時に対応できるようにします。


さらに、こまめに掃除をする事をお勧めします。


また、犬の行動範囲を制限して臭いが付く場所を広げない事も大切です。



★ 調査の結果

クレーム対象となっている共用部廊下側のお客様宅前から犬の臭いがするということでしたので、共用部廊下側の部屋【洋室2(犬のトイレを置いていた部屋)】の特殊リフォーム及び消臭作業を行い、共用部廊下への臭いの軽減処置を提案します。


その後、他の部屋を対策することが望ましいのですが、どこまで対策するかは予算もあるので、お客様のご判断となります。


取り急ぎ【洋室2】の片付けが終わり次第ご連絡してもらう事になりました。





再調査見積り2日目

内装協力業者と共に調査に伺った結果、 【洋室2】の床、壁クロス(一部下地ボード)のリフォーム+消臭の他、ドアの下部及び室内廊下の床と壁の一部(一部下地ボード)のリフォーム+消臭をご提案致します。


床材はリビングまで繋がっていたので、キッチン手前扉の下に見切り材を入れ室内廊下の部分のみのリフォーム+消臭作業を提案。


尚、床の下地状態や壁の下地など作業をしてみない事には不明な部分もあるので、実作業中の調査結果次第で、見積価格は変動する可能性もお伝えしました。


また、扉の交換については、ドアノブなどの金具類は現状の物を再度使用することを考えております。



*今回の最大消臭ポイントとなる、第1段階【洋室2】作業で臭いの消臭状態を確認し、その状況と予算に応じて第2段階に進むかを検討することになりました。




施工手順


初期施工と調査および消臭作業


汚染されたカーペットを剥がして下地の状況を確認する。



カーペットの裏までしみがはっきり確認でき、下地マットも強烈な臭い。



部屋全体的に、下地マットにまで尿シミによる変色が確認できる。



下地マットの下の床(コンクリート躯体)にも、尿が浸込みカビまで発生していた。



フローリングにされた尿は壁面まで吸い上げられて、MDF素材の巾木や壁下地の石膏ボードまで汚染され、経年の尿被害で弱くボロボロになっていた。

さらに、その内側にある木枠も、尿を染込みカビと思われる汚染も確認できた。



フローリングも表面は無事に見えたが、内側は尿に侵されておりカビがらしき汚染が確認できた。



フローリングの下には防音用のシートが接着されており、臭いの元を取りつつ綺麗に仕上げるためには全て剥ぎ取らなければならない。

手作業で行う厄介な工程であり、この作業だけでも時間と費用は増えるといえ、解体調査してみないとわからないことでもある。



扉下部の汚染同様、扉枠の下部も汚染されているのが確認できる。


*解体調査終了後、消臭作業を行い乾燥期間(2日間)設ける。

*消臭作業および消臭対応特殊リフォーム作業工程画像は、掲載を控えます。




仕上げ施工



壁面下地の汚染部を補修リフォームしたので、壁紙(クロス)は、天井以外を全体的に張り替える。



ドアノブは現状のものを再利用し、扉と枠をリフォームして、費用を少しでも下げることに。



廊下のフローリングも仕上がり、人により感じ方は異なる臭いも、かなり軽減(私は臭いと思わない)されたと感じます。



巾木と壁面の臭いも感じないレベルになり、良好にリフォームされたと思います。



最大の臭いポイント【洋室2】も、特殊消臭リフォーム完成です。



追加でご依頼いただいた、窓サッシを含む室内クリーニングも無事終了。




まとめ

今回の消臭特殊リフォーム+消臭作業+室内クリーニング。

第1段階で様子を見て管理組合より追加クレームが来ない場合は、第2段階に進まないで済むという状況でしたが、住まい方の改善も含め、近隣住人さんの寛容な対応もあり、その後管理会社から追加依頼はありませんでした。


消臭作業および消臭特殊リフォームは、調査と並行して作業時間や費用も変化するため、通常のリフォームとは異なります。


また、通常リフォームでは、臭い被害を軽減できない事例も多く、その際はリフォームのやり直しということになり、時間と費用もそれに伴い多くなります。


家を建て替えるのであれば話は別ですが、臭いの感じ方は人それぞれ異なるので、厳密には完全消臭はできないともいえるのです。

だからこそ、調査やカウンセリングが重要なメニューといえ、依頼環境や予算や状況により、柔軟に対応していくことが求められます。


ペットと暮らすということは幸せも増えますが、トラブルにも繋がることがあります。


臭い問題など、住まい方を間違えると近隣住人とのトラブルや、資産価値の低下などにつながる一面も持っているのと言えるのです。