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虹の七色

2018.05.01 12:32

https://www.amorc.jp/blog/202104301852_3008.html?tc=melma210430&utm_source=haihaimail&utm_medium=email&utm_campaign=emailmagazine&utm_content=mailid-927&hm_ct=b6dbbf78a52676450bb4c1823db16122&hm_cv=215fed6ca5e0cead164a9a9e96f56067&hm_cs=8401723645fc10e66da4db2.92664486&hm_mid=me888 【虹の七色】

一年を12ヵ月、一週間を7日に定めたのは、おそらく古代バビロニアの人たちだと言われています。

今までこのブログ(メルマガ)でも何回かご紹介したことがありますが、神秘学(mysticism:神秘哲学)では、12という数はマクロコズム(macrocosm:宇宙)に深く関わり、7という数はミクロコズム(microcosm:人間)に深く関わるとされています。

7という数からは、今回の題名の「虹の七色」など、さまざまなことが思い起こされます。この図が示しているのは、プリズムに入った白色の光が7色に分かれる様子です。虹の7色も、これと同じ原理から生じています。

プリズムによる分光

物理学的に言えば、虹の光は外側から内側に連続的に波長が変化しています。それにもかかわらず、なぜ7色に分かれて見えるのかということにはさまざまな説があるようです。

ひとつには、使っている言葉の影響だという考え方があります。つまり、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫という言葉を私たちは光にあてはめて、それぞれが別の色だと判断しているという見方です。

このことは、言葉の分節作用と呼ばれます。

言葉の分節作用の一例ですが、木には幹、枝、茎、葉、花があります。しかし、言葉にとらわれずに細かく観察すると、実際には明確な分かれ目などなく、虹と同じように連続的に特徴が変化している場合が多く見られます。

さて、話は変わりますが、17世紀のドイツの哲学者ライプニッツは、世界は「基礎はあるが見かけ上のもの」であると考えていました。

そして、そのたとえとして虹がよく用いられています。虹が空に見えるとき、そこに7色をしたアーチ型の橋が実際にあるわけではありません。しかしそれは想像でも幻覚でもなく、水滴が空中に存在し、光の物理的性質や人間の視覚のしくみなどが基礎になって、虹がそこに見えています。

私たちが見て聞いて触れている世界も、そのようなものだとライプニッツは言っています。

参考記事:『ライプニッツ - バラ十字の哲学者』

これは、福島の青空にかかった虹の写真です。濃い虹の外側に副虹(ふくにじ)と呼ばれる薄い色の虹が見られます。副虹は色の配列が濃い虹(主虹)とは反対になっています。

福島の青空にかかった虹

哲学に、このような問いがあります。森の奥深くで落雷が起きました。しかし、誰一人としてそのできごとを見ても聞いてもいなかったのです。雷の音は存在したと言えるのでしょうか。

さまざまな答えが可能ですが、落雷で起きた空気の振動は存在したけれども、それを聞いた人(生きもの)がいなければ、音は存在しないと言うこともできます。

この問いについて考えていくと、通常「世界」と呼ばれているものを2つに区別して考えなければならないように思えてきます。ひとつは私たちが五感によって知覚している世界です。この世界は、哲学の用語として「現実」(reality)と呼ばれることがあります。

一方で、知覚されているかいないかに関わらず存在する世界は「実在」(actuality)と呼ばれます。私たちは五感を通して世界を知るので、通常は実在を知ることができません。

この図はバラ十字会に伝えられている現実と実在の説明のひとつです。先ほどのプリズムと同じように、左から白い光が入って、プリズムで7色に分かれています。

プリズムとレンズ、現実と実在を表す図

白い光は実在のたとえです。最近はやりの「非二元」(non-duality)という言葉が表している通り、実在はひとつです。実在には物と心の区別もなく、主観と対象の区別もなく、時間も空間もありません。

しかし光が七色に分れるように、人間はこの世で、さまざまな現象を現実として体験しています。

この図では七色の光がさらに集光レンズに入り、もう一度、右端の一点にまとめられています。この一点は、人間が実在を体験できるということを表しています。

しかし、そのためには集光レンズが必要です。この集光レンズは、すべての人の心の奥に秘められているある能力を表しています。

この能力によって、人間の意識は、まるで周波数を高めるようにして実在と同調することができます。

それはまるで、音叉が別の音叉と共鳴するようなできごとです。しかしそれを実現するためには練習が必要です。

古今東西のさまざまな秘伝思想によって伝えられているように、瞑想や参禅やヨガや他の行法を練習することによって、人は実在と同調し、実在を体験することができます。

このことから、神秘学の探究は「実在体験の道」と呼ばれることがあります。バラ十字会が提供している通信講座に含まれている実習の多くも、この同調と体験を目指しています。

しかし、なぜ一所懸命に練習までして、多くの神秘家が実在の体験を目指すのでしょうか。それは、下記の前回の記事に書かれていました。

地上で幸福に生き、宇宙と自然界と自分自身の神秘を理解するために人が知っていなければならないすべての知が、実在体験に含まれているからです。

参考記事:『知を求める人たちへの公開書簡(その3)』

音楽の全音階の7音と虹の7色は対応しているという見方があります。この図は、昨年の12月に出版された「図形と数が表す宇宙の秩序」という本に掲載されているものです。

虹の7色と全音の対応

この本はバラ十字国際大学の公認講師であったルイ・グロース(故人)という方のライフワークとも言える著作で、下記のように多くの方から高い評価のユーザーレビューをいただいています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4774518751

「図形と数が表す宇宙の秩序」表紙

今回は、虹の7色に関連する、さまざまな事柄を紹介してきました。ゴールデンウィーク中の皆さんの思索の参考に、少しでも材料が提供できたとしたら、とても嬉しく思います。

下記は前回の私の記事です。ご興味のある方はどうぞお読みください。

参考記事:「しめ縄と生命の樹」

では、今回はこの辺りで。

来週はこのメルマガの配信はお休みさせていただきます。

次の配信は再来週の5月14日を予定しています。

またお付き合いください。

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