嵐の中で物語がはじまる。
ゴーデンウィーク初日は、雨が降ったりやんだりのあまり良い天気とは言えませんでした。
そんな中、たくさんの方に足を運んでただきました。
以前では考えられないことです。本当に嬉しいです。
そんなことを思っていると、最後のお客さまは何度か来てくださった方でした。
お久しぶりですね、なんて話ながら、わたしがインスタにあげている絵本をチェックしてくださったり、前回とは違う絵本たちとの出会いを楽しまれていました。
どれくらい時間が経ったでしょうか。
絵本の話になるとついつい話し込んでしまって。
いざ、お客さまがおかえりになるとなった瞬間に、、、
なんと、大嵐!!
バケツを引っくり返したような雨にさらに防風を加えた嵐です。
その上、雷もなってくるしで、
「ちょっと、止むのを待たれたらどうでしょう」
ということになり、一旦持った荷物を再び置き、ふたりで外を眺める。
雨風のせいで前が見えないほどに視界は白くなり、すぐに止むのかなと不安な気持ちになっていると、そのお客さまが一言。
「こんな嵐さえも、物語の中にいるようですね。」
私はハッとしました。
そんな風に思える感性が素敵で感動して、
「ほんとですねぇ〜」と返してしまった自分の表現力のなさに、なんとも恥ずかしくなりました。
嵐が収まるまで、まだ手に取られていない絵本のお話でもと、入り口に飾ってあった一冊の絵本をご紹介することに。
お客さまが読まれたあと、ふたりで考察したり、いろんな思いを巡らせて、ここでもまた話に花が咲く。
わたしもものすごく心地よい時間で。
すると、なんんだか心にしっくりきたのでこちらも買います!!と言ってくださり再びお会計へ。
嵐がなければ出会わなかったかもしれない。
嵐がなければこんなにもじっくり内容について話さなかったかもしれない。
嵐のおかげでお客さまの心に届いた一冊となったのです。
わたしにとっても忘れられない一冊、思い出となりました。
絵本屋を初めてからというもの、こんな出会いや物語が自分の中に増えていっています。
ああ、なんて楽しいんだろうか。
これがわたしの財産かもしれない。
なんてことを噛み締めながら、初めての投稿を終わろうと思います。
嵐の中ご来店くださったみなさま、ありがとうございました。