亡き師はかく語りき⑩ 時空を超えて
この連載投稿のために、亡き馬場先生がウィーン留学を決意した、ウィーン・フィルの1956年の初来日の写真や資料をWebであれこれ探していました。
そして私はとんでもないものに出くわしたのです。
なんとその公演プログラム。
それがあるweb古書店の在庫にあったのです。
60数年の時空を超えて、先生と楽興の時をともにしたい!という思いから、すぐさまオーダーをしました。
価格はCD1枚ほど、こんなに廉価でいいの?
さらにそのお店にはボシュコフスキー率いる3代目ウィーン・ムジクフェライン弦楽四重奏団の1963年の来日公演のものまで。
それには楽壇の重鎮の方々による寄稿がこんなに…。
菅野浩和さん
野村光一さん
外山雄三さん
三善晃さん
吉田雅夫さん
小倉朗さん
門馬直美さん
徳丸吉彦さん
木村重雄さん
岩井宏之さん
藁科雅美さん
向坂正久さん
18ページにも及び、公演プログラムを越えて、弦楽四重奏のための小冊子と言えます。
そして、このそうそうたる方々が弦楽四重奏という分野をどれほど重要に考えていたかをはかり知れます。
なお解説は寺西春雄さん。
10曲を携えての公演でしたので、ここもページががっしり。
大晦日に私の手元に到着し、幸せな年の瀬となりました。
この投稿シリーズを書かなかったら、出逢うことなかったと思うと、馬場先生の導きに他なりません。
そしてウィーン・フィルの公演プロラムを購入したことをウィーンに縁ある方に伝えたところ、この来日公演がウィーン・フィルにとって、とても大切な節目であったことを教えていただきました。
私は呆然となったのです。
2021.2.1初出ですが、2.15の最終回に合わせて掲載日を変更