ベートーヴェン250歳の誕生日
これは、2020.12.16付のかんまーむじーく のおがた代表の渡辺伸治氏の記事です。
掲載が遅くなりましたことをお詫びしつつ、謹んで掲載いたします。
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1750年12月16日に、ベートーヴェンは生誕したと言われています。
誕生日は明らかではないのですが、翌17日に受洗した記録が残っており、誕生から24時間以内に洗礼を受けるというしきたりによるのです。
ベートーヴェンは、空の上から、このとんでもない1年をどう見たでしょうか?
今日、私は千葉の浦和へクァルテット・エゥセルシオを聴きに出かける予定にしていました。
GOTOトラベルで東京までの旅費・宿泊費は25,000円弱。
随分と低額となりましたが、長く経済的な苦境にある私には、余裕をもって捻出できる金額ではありません。
しかし乗り越えていかねばならない状況だからこそ、立ち向かって生きていくエネルギーがほしい!
きっと本日の終曲であるベートヴェンの最後から2番目の作品、弦楽四重奏曲第16番作品135は、それを私に充填してくれるはず。
様々な節約してでも行きたいと思ったのです。
演奏会と旅券宿泊を予約したのは10月末。
ところが、その後、感染状況は悪化へと向かいました。
《勝負の3週間》で何とか好転してほしいと願いましたが、昨日、断念したのです。
慎重過ぎるほどの感染予防を講じて、出掛けるようにしておりましたが、もし感染してしまったら…。
発症するまでの1~2週間、知らずに接する母、友人、知人、お客さんたちに伝染してしまうことになります。
演奏会は一期一会ですが、エクを聴ける至福の時はこれからもしこたまあります。
ここは個人の思いよりも、周囲や社会を優先しすることにしたのです。
そして、このことはこのコロナ禍で私たちが自問自答しなければならないことではないでしょうか?
楽聖は空の上から私たちの有様を眺め、作品135最終楽章に記された謎のメッセージ、
“Muss es sein?(かくあらねばならぬか?)”
“Es muss sein!(かくあるべし)”
と言い笑っているかもしれません。