中国に関する質問(二十四)
【宇宙飛行士はどんな存在なのか】
【質問】
先日、ニュースで「中国の有人宇宙船が2021年前半に独自の宇宙ステーションを建設開始へ」 という記事を見かけました。 中国の方にとって宇宙飛行士はどんな存在なのでしょうか。 日本では、パイロットや整備士、医者や科学者など多様な人材が宇宙にいっていますが、 アメリカのように軍人出身者が多いのでしょうか。
【回答】
中国の方にとって宇宙飛行士はやはり遠い存在、眺められるが近づけない高根の花であります。中国では、宇宙飛行士が英雄のように扱われているようです。宇宙飛行士は軍隊に所属しています。
1998年1月5日、1500人以上の優秀な空軍パイロットの中から厳選された14人が北京宇宙センターに集まり、彼らが中国初の宇宙飛行士となりました。 中国の宇宙飛行士は空軍のエリートであり、少なくとも800時間以上の飛行時間、2000時間にも及ぶ飛行時間を誇り、全員が何回にもわたる選考を経て、最高の精鋭として際立っています。 有人宇宙船が2021年前半に独自の宇宙ステーションを建設開始すること、中国の宇宙技術力はますます進んでいるとみられます。宇宙計画があくまでも世界平和に役に立つように祈念せずにいられません。
一度の貴重な体験を語りたい。昨年12月14日、日本科学未来館で中国初の宇宙飛行士楊利偉さんと日本科学未来館館長の宇宙飛行士毛利衛さんの対談を聞きました。 一人は中国語、一人は日本語で喋っていたのが、不思議に二人が同じ言語を話しているような感覚を覚えました。二人は始終同じく穏やかに微笑んでいました。 毛利衛さんは「宇宙飛行士は宇宙に行く時、パスポートを持たない…宇宙から地球を見ると、国境はない」と語りました。
楊利偉さんは「いろんな国に行ってきました。宇宙に行くこと、ビザがいらない。宇宙にいると、自分は小さな存在であることを強く感じた。そして、美しい地球を守らなきゃいけないと思いました」。
現場のある方からの「日中両国の宇宙開発協力は政治に影響されますか」という質問に対し、楊利偉さんが「中国は日本を含めていろんな国と宇宙開発を協力したい」と話した上で、さらに、「宇宙にいた時、ただ生命は第一と考えていました。政治のことを全然考えてなかった」と語りました。 宇宙レベルで日中関係を考えると、何でも乗り越えられると思いました。