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願うのはひとつだけ【男2】

2022.03.16 11:05

題名『願うのはひとつだけ』

全年齢 男性2人用 10分程度


颯介(そうすけ):就職と共に地元を離れていたが、今回帰省している。しっかりしてて同じ年ながらも2人のお兄さん的存在 

悠太(ゆうた):颯介と小さい頃からの幼なじみ。地元に残って就職。璃子と付き合っている。

(璃子(りこ):悠太と付き合っている。無邪気。→登場するがセリフはなし)


男性1名×女性1名ver.もございます


以下をコピーしてお使いください


題名「願うのはひとつだけ」

作:みつばちMoKo

颯介:

悠太:

https://mokoworks.amebaownd.com/posts/17448646/


颯介:あれ?あいつは?

犬の散歩に付き合えっていうから来たのに。


悠太:コンビニ寄ってから来るって。あの公園に集合だってさ。


颯介:まさか、またアレ買いに行ってんの? よく飽きないな…。


悠太:まぁ、先に行ってよ。すぐ来ると思うから。


(犬を散歩しながら二人で歩き始める)


颯介:変わらないな、この辺も。


悠太:いや、少し変わったよ。

あっちの通りの方とか新しい店増えたし。

まぁ、この通りは住宅街だから。変わった感じはしないよね。


颯介:あぁ。あっちの奥の方行くと空き地だよな。

さらに裏山の方に続くところが深い段差になってるとこ。

あそこ、フェンス破けてたの直してあったけど、今もあのまま?


悠太:……うん。あぁいや、今はブロック塀で越えられないようになってる。

もう怪我人が出ないように。あのあとも、落ちた人がいたから。

たいしたケガはなかったみたいだけど。


颯介:そっか…。



颯介:よし、公園ついた。

あれ?まだあいつ、いないね?


悠太:そのうち来るでしょ。そこに座って待ってよ?


(ベンチに座る)


悠太:なぁ。あの時さ…。

璃子、あの段差におちて、気を失ってた時。

最初に助けたの、お前だって璃子に言わなくていいの?

いまだに目を覚ました時にいた俺が助けたって思ってるよ?


颯介:…うん、いいんだ。

アレがキッカケかどうかはわからないけど、そのあとお前らが付き合う ようになったんだし。

良かったんだよ、これで。

だって、あいつがお前を好きなのをずっと見てきたんだ。

お前がはっきりしないだけで、何か事が起これば上手くいくって思ってた。


悠太:正直さ…。本当のこと話して、璃子の気持ちが颯介にいっちゃうんじゃないかって思って…。

俺もずるいよな。だから、言えなかった。


颯介:しっかし。自分の彼女のことを好きな男を近くに置いとくかねぇ…?


悠太:当時はいろんな複雑な気持ちがあったけど…。

お前は…。颯介は、璃子と俺の幼なじみと言う前に、俺の親友だから。

颯介は裏切ることは絶対しないっていう自信あったんだよね。

どっちの親も忙しいから、いっつも一緒につるんできたんだ。

そんな簡単に女のことで、切り捨てられるかよ。

それに…。璃子の父親亡くなって塞ぎこんでた時、元気な元の璃子に戻したのは颯介だしな。感謝してる。


颯介:それはあの時俺が勝手に決めたんだ。

自分の想いをぶつけて、もう二度と近くにいられなくなるなら、このままでいい。

そばにいて、お前のことの相談もなんでも受け止めてやるって。

俺の一方的な想いでも、あいつが笑顔になれればそれでいい。

近くにいて、笑ってくれればいいって。

でも出来れば、その笑顔をつくるのは自分でありたいっていう俺のワガママ。


小4の時、俺らの家の前にあいつが引っ越してきて。

親同士が挨拶してる時、あいつ初めに何ていったか覚えてる?

「チョコレート、食べる?」だよ。

普通、自分の名前とか“よろしく”とか言うよな。


悠太:ああ。すげーびっくりしたから覚えてる。

あれ、すごい甘かったしな。


颯介:まぁ。いま考えるとあいつらしいっていうか。

ちょっと抜けてるからな。鈍感だし。

…まぁ、俺としては鈍感で助かったけど。


悠太:本当に鈍感なのかね…。

女ってあざといんだって。知らないフリ、分からないフリしてた方がいいこともあるって璃子が言ってた。


颯介:ん?どういう意味?


悠太:分からないならいいよ。

なぁ。…颯介、本当に璃子のこと、吹っ切ってる?


颯介:…なに。いきなり


悠太:親友の目、見くびんなよ。

颯介が長い間、璃子を見てきたように、俺だって颯介のこと見てきてんだよ。


颯介:何、言ってんの。俺はもうとっくに吹っ切ってんの。

それに今まで彼女だっていたじゃん。不毛な恋はもう懲り懲り。


悠太:ホントだな?信じるよ?

…もう今日しかないんだよ。もし伝えるとしたらラストチャンスなんだよ?

明日になったら、璃子はもう俺のもんになるんだよ?


颯介:…伝えることは何もないよ。お前らが幸せになってくれればそれでいい。

願うのはそのひとつだけ。

いろんな感情知れたし、感謝してるわ。


悠太:そっか。わかった。


颯介:でも、人を好きになるのってさ、たぶん理由とか理屈とか通用しねーし。

その感情は意味や理由とかを吹っ飛ばして最強なんだよな…。

俺、学んだわ。何年もかかったけど。



悠太:明日、遅刻せずに来いよ。


颯介:式にはちゃんと行くよ。

パーティーには出れないけど。


悠太:パーティーに出れないこと、璃子に伝えるなって言うからそうしてるけど。

俺、つらいんだけどな。

だって、パーティーで3人で写真とるって張り切ってんだよ?


颯介:仕方ないじゃん。海外赴任決まったんだから。

明日の夜の便で行くんだし。


悠太:…颯介、…わざと明日の便にしただろ?

まだ、赴任まで日数あるくせに。


颯介:ん?


悠太:いや…。


颯介:ちゃんと神様の前で誓い合うのを見届けるよ。

それで、やっとリセットできる気がするしな。


(璃子、公園に現れる)


颯介:あっ。やっと来たな。

やっぱりあのチョコ買って来てる。


おせーよ。待ちくたびれた。


ん?なに?

あぁチョコ、食べるかって…?

お前、変わんないな…。 あーいや何でもない。

ひとつ、貰うわ。


ん…。昔よりちょっと苦くなったか…?


そんなに好きなの?


(璃子:「うん。好き!」と返事)


そっか…。

ふぅ、よし。俺、先帰るわ。


悠太:えっ今来たばっかじゃん。


颯介:俺、これから髪切りに行くの。

明日、ビシっとスーツで行くんだし。


悠太:そうなの?

明日のためなら、引き止められないな。


颯介:じゃあな、また明日。

あー…。伝えること、あったわ…。


璃子…。

結婚。おめでとう。

幸せになれよ。ちゃんと幸せにしてもらえ。

ずっと笑ってろよ。


悠太、…お前もな。頼むな。

     

あぁ、そのチョコ。向こうになかったら送って。

……懐かしくなったら食べるから。


じゃあな。