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Atelier Skatt

Story コスチュームジュエリー 宇宙樹「ユグドラシル」の制作秘話

2022.02.01 06:45



作品のテーマ、宇宙樹「ユグドラシル」とは? 北欧の創世神話に登場する、天と地を貫く一本の大きなトネリコの樹。それが、宇宙樹ユグドラシルです。


 北欧神話では宇宙樹について、「私たち人間が生きる世界は、この宇宙樹によって支えられている。天にそびえる樹冠と、根を張った大地の間に、ありとあらゆる生命が生きている。」と語られています。


 いつか、宇宙樹「ユグドラシル」を作ってみたい!と思いはじめて何年もの月日が流れました。 作ることにずっと憧れていたけれど、考えても考えてもデザインが何も出てこなくて、その度にまだ作れないんだな~と。 


 それが、昨年の自粛期間中のある日、突然頭の中に作品のイメージがバ~ン!と出てきました。 あまりにも急だったので驚いたけど、あっ、今かな?今を逃す手はないな!と、他の作品をすっ飛ばして、デザイン起こしに取りかかりました。


 このコスチュームジュエリーの特徴は「古代北欧のルーン文字」を入れてあることです。


 古代北欧のルーン字は、実際に、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの国々で、1~2世紀頃から17世紀頃まで使われていました。 


 ルーン文字は、作品を作る上で欠かせないことなので、ちょっとお話は飛びますが、まずはルーンについてお話を。 


 「ルーンってなに?」って思いますよね。 ルーンとは古ノルド語で、「秘密」「密な囁き」という意味です。 


 北欧神話には、ルーン文字について、「最高神オーディンは、宇宙樹(ユグドラシル)に吊り下がり、苦行の末にルーン文字をつかみ取った」と記されています。 


 また、ルーン文字は、”魔術師が囁いた秘密の知恵を、文字に固定化するために生み出された”と伝えられていて、”呪術文字”として信頼されていたことが大きな特徴です。(実用的にも使われました。) 


 そんなルーン文字を最も活用していたのが、北欧のヴァイキングたちでした。 


 彼らは文字を刻めば呪力が増すと信じていて、戦いの前に勝利守護を願って、剣などの武器にルーン文字を刻んでいたそうです。また、ヴァイキングたちは優れた交易商人でもあり、ルーン文字を、商用や記録にも用いたそうです。


 ヨーロッパには、実際にルーン文字の刻まれた宝飾品や、数多くのルーン石碑が残っています。 

(北欧神話に関する参考文献 杉原梨江子著『いちばんわかりやすい北欧神話』他、資料より)


 そもそも、私がルーン文字を知ったのは、今から十一年ほど前。エッセイストで聖樹・巨樹研究家であり、ルーンマスターの杉原梨江子さん( http://rieko-sugihara.com/index.html )とのご縁がきっかけでした。


 まるで、神話の世界から出てきたような「古代北欧のルーン文字 」に(なぜか⁈)とても興味を持ち、以来ルーン文字を中心に北欧神話や、北欧の文化などを学んできました。 


 実際に、ルーンには一つ一つの文字に意味があります。 また、アルファベットのもとになった文字と言われていて、現在のアルファベットに連動しています。 

 

どのようなものかを知っていただきたいので、ここで、ルーンに秘められた意味をいくつかご紹介しますね。 (24文字ありますが、ここでは6文字だけね)


 *「贈りもののルーン」

 (G・ギュフ)神秘の意味・・・精神的な愛、伴侶との縁、絆、才能             

  誠実な愛や絆を呼ぶ力を授かります。まさに愛のルーンです。 


 *「光のルーン」   

 (S・シゲル)神秘の意味・・・成功、夢の実現、太陽エネルギー、復活の光         

 光のほうを向く力を授かります。最強のルーンです。 


 *「富のルーン」   

 (F・フェオ)神秘の意味・・・お金、稼ぐ力、人脈、豊かさ            

 富を見つける力を授かります。

 ズバリお金、財産、そして人脈の富、も導くルーンです。 

 

*「火のルーン」   

 (K/C・ケン)神秘の意味・・・炎の勝利、力強さ、真実を見抜く目。             

 情熱的に突き進む力を授かります。まさに炎のルーンですね。 


 *「鹿のルーン」   

 (Z・エオルフ)神秘の意味・・・友情を育む、危険の察知、保護、結界           

 仲間を作る力を授かります。人間関係を導くルーンです。


 *「果実のルーン」  

 (W/ウィン)神秘の意味・・・喜び、家庭の幸せ、願望の達成、平和な心           

 幸せになる力を授かります。まさに幸福のルーンです。     


 このように、どの文字にも“人を幸せに導く力”が秘められていることが、ルーンの最大の魅力です。 例えば、

 「ギュフ」を身に付けると、”縁を結ぶ力”を得る。 「シゲル」を身に付けると、”成功”をもたらす。 「フェオ」を身に付けると、”金運”を引き寄せる。・・・というように。 

(ルーン文字参考文献 杉原梨江子著『古代北欧ルーン占い』ルーン文字についての資料より) 



 コスチュームジュエリー宇宙樹「ユグドラシル」には、“最強の力となる、24個のルーン文字”全てを入れ、制作してあります。

  

ルーン文字を学び始めた頃は・・・ 文字を覚えるだけでも一苦労💦意味を理解するのはさらに難解で、覚えるまで、何年もかかりました。 


 でも、学べば学ぶほどに、文字に秘められた意味と、その内にある、自然の情景や、生きるための知恵、または色彩や物事の象徴などが、壮大なイメージとして見えてきて、それを作品で表現してみたい!そして、いつかルーン文字を入れた作品を作りたい!と思うようになりました。 


時間はかかったけど、やっと、ルーン文字を入れた作品を作ることが出来るようになりました。 


 北欧のヴァイキングたちが“欲しい力”(ルーン文字)を剣や宝飾品に刻印していたように、現代でも”幸運を引き寄せる力”(ルーン文字)を、アクセサリーやジュエリーとして身に付けられたら素敵だと思いませか? 

(このような想いから、ルーン文字を入れた作品を制作しております。✧✧✧)

Online shop

https://www.atelierskatt.com

ルーン文字についてご興味のある方は下記をクリックしてみてください。

 http://rieko-sugihara.com/book/ 


 では、お話をもどして、制作の続きです。 


 バ~ン!と出てきた作品のイメージをラフスケッチしたら、後はしばらく、イメージに相応しい材料や制作方法、作りたい方向性を自分の中でじっくりとシュミレーションしていきます。 他の作品もそうだけど、頭の中にあるイメージを実際に、現実に形にすることは簡単ではなくて・・・最初が大事ですね。 


 ある程度現実的なイメージができたら、次は実際に試作しながら、ビーズの配色を決めたり、作品の大きさや重さ、強度を考えながら、適切な材料や制作方法を選んでいきます。葉っぱのモチーフ1枚の、納得のいくカタチを見つけるまで、試作を何回も繰り返して、やっと”これで行こう”と決めて、さあ本番!

(ここまででも、1か月はかかったかな~既に( ´―`)フゥー・・・とため息が・・・) 


 このように、パーツごとに何回も試作してから本番~この繰り返しで、完成までかかった時間は半年以上。たぶん本体三つ分作ったくらいの時間をかけたかな、と思います。途中いつになったら完成するのかと、自分で呆れることも・・・予想よりも大きな作品になり、また”理想のカタチ”を作り上げるのは、なかなか大変な作業でした。 


 大変だけど~作品作りの楽しさは、自分の中にあるイメージが、現実にカタチになり、それが、自分の想像を超えて来るところです。

 何より、北欧神話とルーン文字に持っていた想いを”理想のカタチ”として表現できて良かった! いつかこの作品を、誰かが身に付けてくれると嬉しいです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 出合いに感謝🌼