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さいたま自死遺族の集い*星のしずく

ゆうちゃんの薔薇2021

2021.05.07 12:09

📷娘が自死で先立ってから五回目の五月も、玄関先でニッコリ微笑んでくれているピンクのミニ薔薇です。


今年もしっかり咲いてくれました。



彼女が小学校三年生か四年生の時、学園祭で校庭に出店していた花屋さんから、お小遣いで買ってきてくれた、もとは小さなミニ薔薇苗。


不意うちのプレゼントを手に、少し誇らしげにニッコリ笑う彼女の顔を、ぼんやりですが私はまだ憶えています。


向かいの家に住んでいる園芸仲間のお婆ちゃんの手解きで、土いじりに熱くなっていた当時の私を、娘はちゃんと見ていたのだな…と、思い出すたびに胸がチクッと…。



ミニ薔薇とはいえ、薔薇なんですね。

けっこうお手入れをマメにしてあげないと、すぐに病気になったり、蕾を虫に食べられてしまうのだと知りました。


何度も病気にさせてしまいましたが、以来十年間ほど、家の小さな園芸コーナーで、なんとか枯れずに咲いてくれています。




娘が彼方へ還ったのは一月の真冬日。

その年は、なんと二月初旬に蕾が一つだけ付いて開花したのです。

なんともいえない哀しさを感じ、胸がしめつけられましたが、それでも愛しくて毎日見つめていました。


『笑む』=『咲む』

※え・む〔ゑむ〕【笑む/▽咲む】


逆縁自死に遭い、苦しみ、のたうちまわる私の悲嘆をどうにかやわらげようと微笑んでくれていたのか……、それともこの世での人生に自ら幕をおろした娘に、追悼の意をあらわしていたのか……、今でもこの薔薇が笑むたびに思い出し、考えを巡らせてしまいます。



事後から日がまだ浅い頃は、こんなことも考えました。


何故あの子は亡くなったのに、この薔薇はのうのうと咲き続けているのだろう。おまえが身代わりになってくれれば!


苦しいあまり心がやさぐれてしまい、思わず口に出して、向かいのお婆ちゃんを困らせたこともありました。

(優しいお婆ちゃんも絶句です)


娘に選ばれ、私にプレゼントするために買われて来たミニ薔薇。

この世で、うちの家族の中で一番初めに娘に出会い、縁を繋いだ四季咲きタイプのミニ薔薇は、私にとって本当に貴重な、娘との思い出を共有できる『仲間』のようなものなのに。




今現在は、荒んでいた心も大分落ち着き、これからもずっと出来得る限り大切に育てて、毎年にっこり微笑んで欲しいと願い、お世話し続けています。

それでも突然病気になったり、知らぬうちに根腐れを起こして枯れたりすることもなきにしもあらず。


結局、今出来ることで精一杯お世話して守り育てることしかできませんが、私が生きている限りは続けていく、大切な供養の一つです。


と……!

ブログを書きながらふと思ったのですが、五月初旬、母の日が近づくと毎年咲き出すこのミニ薔薇は……、カーネーションに代わり、亡き娘からずっと続けられてきた笑顔のプレゼントなのかな、と。


そんなふうに自然に思えた今日。


📷今朝(七日)は開花七、蕾は十一でした。


九日、母の日には十八の花が笑んで、ゴージャスな花束みたいになりますね……え……


十八……ゆうちゃんは生きていれば十八歳……!


(そういう偶然を信じれば、十年後の五月は二十八の花を咲かせねばなるまいな)

(・。・;薔薇のお世話、気合い入れます。

星のしずく*管理人




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