125. 退院後5年経過(舌がん)- 2021.5.8
厳密には5月8日という日付では無かったのですが、今月、舌がんで入院治療したときの退院日から、丸5年が経過しました。
医療者のかたがた、患者会や、オンラインやインターネットを含めた、がん関係のたくさんの場で交流してくださるかたがたのおかげです。ありがとうございます。
3月の最終の経過観察のときも病院で感じましたが、いまコロナのなかで医療に従事されているかたがたはとても大変だと思います。
わたしが自分でできることは、できる限り自分の健康を自己管理して、今の体調を維持したいと思います。
経過
2015年 12月 のどの違和感・痛み
1ヶ月以上、「のど」が痛い。舌がんなのに、自分で感じることができる、口のなかの違和感は、一切ありませんでした。
2016年 1月上旬 舌縁の潰瘍に自分で気づく
自宅で朝、鏡で自分で、舌の裏というか普段は見ない奥のほうの縁の、小さな潰瘍(少し傷というか微かに割けている感じ)にたまたま気づく(ふと、鏡の前で、舌を、特に考えなしに、適当に、上や下に動かした)
2016年 1月中旬 地域の耳鼻咽喉科クリニック
痛かった、のどには異常はない、とのお話しを頂いた。
舌の潰瘍のことを思い出し、自分から軽い気持ちで「のど痛と関係あるかわかりませんが...別に舌は痛くもかゆくもないのですが...」と舌縁をみせる。先生がハッとした表情に。触診にて「舌がん」疑いとして、頭頸部がん治療ができる病院を紹介頂いた。自分で電話をすると、翌日、その病院で診察いただけることに。
2016年 1月中旬~下旬 大病院
CT画像と触診で「舌がん」IVa 期と思われるとのこと。内向型のため自覚症状があまりなく進行していることは多いとのこと。わたしの口のなかの舌のつけ根あたりに手をいれられて、腫瘍を指で揉むような?感じで腫瘍の大きさを確認されていました。
その主治医の推奨に沿い、生検結果待たずに2週間後の手術仮予定(その予定通りに進む)。
このとき、画像診断医は II 期とのことで、小線源治療(放射線を発する針を舌に挿入)も可能、と選択肢を提示される。
主治医は、リンパ節の転移が(CT画像から)疑われることから手術を薦めていた。
私のそのときの判断というか決定打は、「画像診断医は撮影された面での方向で腫瘍の厚みをみますが、わたしは(主治医は)触ってみた腫瘍の斜め方向の厚みをみます」という主治医のご説明に、とても納得できたので、IVa 期とした治療(手術の一択)でお願いした。
いま思うと、このわずか数分の会話と判断は、ポイントだったかもしれません。(リンパ節への転移の疑いは、わたしに知識がなく、意味がわからなかったので、その当時は、考えに影響しませんでした。)
2016年 2月上旬 入院・手術・休職
舌半側切除+大腿皮弁再建および頚部リンパ節廓清(片側)
9時間。輸血なし。気管切開なし(ただし pre-気管切開、表皮だけ切ったとされる気管のあたりの表皮のケロイド状の傷跡は、5年経っても治りませんでした)。その後2月末まで入院し、都合、丸1ヶ月間。
2016年 2月中旬 病理結果
舌の切除断端は陰性。廓清したリンパ節のうち3か所に転移あり。うち1か所に節外浸潤あり。
主治医の推奨に沿い、いったん退院し、2週間くらい自宅で過ごし、3月から再発予防のための「術後化学放射線療法」を入院でおこなうことに。
2016年 3月中旬~ 5月中旬
シスプラチン単剤の投与2回と、放射線(IMRT)30回
2ヶ月の入院期間中、週末に2回ほど自宅に戻れた
2016年 5月~ 9月末 自宅療養
7月ごろまでは隔週、以降は月一の経過観察。本当は8月に会社に戻りたかったのですが、産業医より10月からの指示があり、いま思いますと、この期間が長ったのも良かったのかもしれません。
2016年 10月 復職
2017年 3月 術後1年が経過、経過観察の頻度を隔月へ変更
主治医による経過観察の推奨の頻度と、実際の受診( )書き
術後1年目は月一(+退院後は2ヶ月に1回、単純CTとMRIを交互実施)
術後2年目は隔月(+4ヶ月に1回、単純CTとMRIを交互実施)
3年目は3ヶ月毎(+6ヶ月に1回、単純CTとMRIを交互実施)
※この頃から主治医は少しリラックスした感じになり「5年まで診ますが、画像はとってもとらなくても良いと思う」と仰りました(実際は下記のように半年毎に単純CTかMRIかいずれかを撮っていただきました)
4年目は4ヶ月毎(6ヶ月に1回の頻度へ変更し、画像は単純CTとMRIを交互実施)
5年目は5ヶ月毎(6ヶ月に1回の頻度へ変更し、画像は単純CTとMRIを交互実施)
2019年
3年目の後半から、わたしが転居を伴う転勤をして遠くなりましたが、なんとか診察日にあわせて休みの都合をつけて通いました。
2020年~21年 3月
5年目は、主治医も転勤され、私の通院先には非常勤でいらしていました。あと数回でしたので、先生の御出勤の曜日にあわせて通い、最終の経過観察回もみていただき「卒業です」とのお言葉、嬉しかったです。先生もそうですが、近くにいらした看護師のかたも、みんな笑顔でした。
今後
がんの病院で経過観察がないことに不安がないわけではありませんが、花粉症をみていただいている地域の耳鼻咽喉科の先生が、舌がんの経過のことも拝見しますから、と仰っていただいたので、お願いをしていします。
初診も当時住んでいた地域の耳鼻咽喉科クリニックの先生に正しく診察していただきました。このまま、地域の医師の先生とお付き合いしたいと思います。
いまの花粉症の先生とのおつきあいは1年前からで、直近は4月にお話ししました(半年前から花粉の舌下免疫のお薬をいただいており毎月、通っています)。
5年ご無事で良かったですね、と仰っていただいたので、わたしが「当時、良い手術と術後の治療をいただいたので」と申しました。
そのとき、わりとはっきりと、地域のいまの先生が「手術がとても良かったことは、お口の中や、お首を拝見して感じます。これ以上は無いです。ですが、病気が治るというのは、いちばん大きいのは、あなたの快復した力、あなたのご自身の力だと思います。」と仰りました。
具体的に変わったこと
社会人になり、いちばん吸っていたころ2日で1箱くらいのペースで吸っていた、たばこ。禁煙に成功しました。病気の7~8年?前から1日4~5本に、減煙というか節煙できていたので、あとは大きなきっかけだけだったのかもしれません。(あるときから、出先で吸える場所を探すのが面倒になりました。)
炭水化物は、お夕飯に、ご飯のときは3~4杯食べていましたが、いまは1杯です。
間食は、以前、ポテトチップスは好物でしたが、スナック類もそれほど食べたいと思わなくなりました。甘いものは、もともとそれほど好きでは無かったですが、さらに食べなくなりました。
がまんというか、自然とそういう体になった気がします。
お酒だけは、やめることができません。最初の入院1月末から5月の退院後しばらく6月ごろまでの丸5ヶ月は断酒していました。その後、再開し、今となっては、前よりも飲んでいるかもしれません💦
ブログについて
お読みくださったかた、本当にありがとうございます。ここまで長く継続できていることはあまりないので、自分でも驚いています。
まだしばらく自分のためではありますが、お出かけや(今はコロナであまり機会がありませんが)、何か感じたことなど、メモしたいと思います🌊
がんや健康については、患者会のイベントのことや、舌下免疫療法(花粉症)で何かないと、記事の更新は、さらに無いと思います...。そのような記事を期待されてこちらをご覧の方には申し訳ございません。
がん治療中のかたには、お辛いこととお見舞いを申し上げます。ご快復を祈願いたします。
またいつかみなさんでお会いしましょう🍀