パターン学習と身体性とその注意点
プリントによる計算中心パターン学習教室に通ってた中学転塾生によくあるんだけど、初回の面談でどこまで進んでたか聞くと「中学内容は全て終わった」とか「高校内容に入った」とか答える。でも授業してみるとあんまりできてない。何ができてないかというと、問題ごとに効率の良い演算方法を選択することができてない。
プリントによる計算中心パターン学習教室は教材がウリ。ただプリント自体がパターン別で作られているから、あるプリントにはあるパターンの問題しか出てこない。それをとにかく見本通りに処理する。ミスったら類題反復。ここでのミスとは定型の手順のなぞり間違いのことであり着想部分ではない。
同じ球種・速度で延々ボールが飛んでくるバッティングセンターみたいなもの。首から上というよりも首から下を鍛えてる。身体性。
身体性はそれはそれで重要。九九でいちいち大脳経由する必要はない(もちろん比喩として)。脊髄反射的でいい(承前)。一旦乗れるようになった自転車は、跨って「今日は乗れるかな」なんて心配する必要はない。歌いながらでもちゃんと今日も確実に乗れる。目的地へ行ける。そういう身体性は学習の基礎部分においても重要。
でも、受験を見据えるとやっぱりそれだけだとダメ。パターン別教材は特殊な問題構成だけど本番の試験は一般・抽象的でランダムな問題構成。そこからパターンを見抜く力を身につけなければならない。練習でやってないことは本番ではできない。練習の質が低ければ尚更できない。
プリントによる計算中心パターン学習教室の指導者は受験をゴールにしていない。あるいは受験指導の素人。いつも先生とFC開業者を募集しているし、中学生の指導において計算だけを高校レベルまでなんてことやっちゃうのはその証左だ。
いわゆる「10歳の壁」とこういう教室の教材の問題構成(図形と文章題がない)が一致してるのも見逃せない。
繰り返すが身体性も重要。
ご利用は戦略的に。