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KoCo A Day

歳をとりたい理由

2016.12.07 04:13

どちらかというと、ですが 

わたしはテレビよりもゲームと漫画で育ってきた人間なので 

優さん、女優さん事情には詳しくありません。 

山本耕史さんは正直別ですが 

それ以外の方で、

この人が出てるからこのドラマを観よう!とか 

この人が出てる作品だけはきちんと原作を読もう 

なんてことにはほぼなりません。  


だからなのか、好きな俳優さんはたくさんいらっしゃって 

その人が喋っている言葉に「ああ、いいな」なんて思うこともたくさんあります。 

あさイチ!のプレミアムトークに出ていた生瀬勝之さんがまさにそうでした。 

あの時間は9時20分に家を出るために交戦状態になっているので、熱心に見れてはいません。 

つけっぱなしのテレビから聞こえてきた一言に、ふと耳を持っていかれました。  


「絶対、って使う人が増えてきてるなって。でもね」 

「僕はね、死ぬということ以外に絶対はないと思ってるの」 


そう話す生瀬さんの表情は、うまいことを言ってやろうとするゲストのそれではなく、ただ純粋にそう思っている、ありきたりな、柔らかいものでした。 


「生きていることすらも、なんだろうな。夢現というか、そんなことはないのかもしれないんだけどね。でももしかしたらがあるのかなって。だってそう思ったほうが楽しくない?」 


信じないようにしている、ってはっきり言い切ることができるのは、その人の強さだなと思います。

 人は信じてほしいし、信じたいし、期待したいし、期待されたいものだと 心のどこかで否定していても、それは自明なことで 誰からも信頼されないことにはどこか寂しさを感じてしまう。 

そういう感覚全てを信じないって、スケールが大きすぎます。 

ただ一つ、絶対があるとしたら、生瀬さんにとってはそれは「死」という事象のみ。 

『人間とは、生まれ落ちた瞬間から死に向かって歩きはじめる生き物なのだ』 

国語の勉強に夢中になるきっかけになった、あの一節も…。 


まだ「死」という事象のほうがわたしにとっては夢現のような存在で、生きている今のほうがよっぽど信用できるけれど 

これから歳を重ねていくたびに

死をリアルに感じることが増えていくたびに 

死=絶対 この美しすぎる等式を理解することができるのかな、なんて 


こういうことがあるから 

わたしは早く歳を取りたいって思うんだろうな。 

そこは、昔から変わらず。