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はかなきトコシエ - 灰草 露 -

とわ

2020.08.10 00:49

美しい町だけど、足りないものがあるよ

行ってしまった君の匂い、春風は不思議に温か

花散らす雨なら逢いたくないかもしれないけれど

消えてしまったもの、取り戻す旅だけれど


かけ算九九はややこしくって、子供たちは飽いてしまったよ

黒板の前は煙たいね。あの頃からそうだったよね


大切と思うもの、こぼさないよう一つずつ

丁寧に果実、刈り取るように一つずつ

それでも鋏は鋭く光って、切り口からは樹液が滴る

見ない振りをする 知らないふりしてる


黒曜石の瞳の色 わずかながらその黒を恨む

景色の色を吸い込めず、ありのまま思い出してしまう

おだやかな君の音 消えていく足跡

なぞるように靴を重ねる、それはきっと僕の癖


大切と思うもの、忘れぬよう一つずつ

丁寧にキーを叩くようにして一つずつ

そんなのスイッチを落としてしまえば終わってしまう

わからない振りをする 存ぜぬで通している


本当に本当に、本当に君に逢いたいなら

本当ならもっと、研ぎ澄ませなくっちゃね


大切と思うもの、置いていく一つずつ

丁寧に笑う、消えてゆくように一つずつ

儚いものに宿ると言ったじゃないか

儚いもの、好きだと

何よりも儚いあなたの、その言葉だけが確かな 永遠(とわ)