季節の変わり目
2021.03.20 01:09
凍結防止の塩化ナトリウム、
胸に一握り撒く夜は
他の追随を許さない、
生命だけが語りかける。
「生まれたり、死んだり、
いのちだから。
君が消えてしまっても
いちいち悲しまないから。」
名のみの春、冷たい雨。
窓越しに、何の歌も頭に響かない。
ただ雨粒がガラスを打つ音だけ。
そしていつか晴れた空に気化するだけ。
僕らは循環する。
いくつも乗換えを行いながら
寒空の下、待ち合わせている。
心凍らせぬため、塩化ナトリウム、
胸にはらはらと降らせながら。