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ねこだれる

2016おひとりさま東京旅行5。東京のマダムの言うことは信用できる、警察官はハズレもいる。

2016.12.08 14:32

 体力がゼロから4ぐらいまで回復したので、ゆるゆると上野公園から立ち上がってホテルに向かうことにしました。荷物はゆるぎなく超重いです。特に折り畳み椅子と図録が重い。

 ホテルは、上野でとりました。だからここから近いはず……。たぶん。

 近くに予約した自分をオリンピック並みに褒めてあげたい気分です。うっかり遠方に取ったら取り返しのつかないことになっていたかもしれぬ。

 ヨタヨタとなんとか上野駅まで行くと、駅の中を通ればホテルまでかなりショートカットできる予定なのに、どうやら改札に入らないと駅は抜けられない作りらしく、ホテルまでは外にある階段を上って大きく回り道をしなくてはならない様子です。誰だこんな造りにしたやつは。荷物が重いと憎しみが大きいです。

 しかし大回りするのに間違うと致命的なので、そこにいた警察官に道を聞いたら冷たくあしらわれる。

 どうやらサミットとかでどこかから急遽派遣された、道も知らない警察官だった様子でして「それぐらい自分で調べろよめんどくせーよ」みたいな態度。

 まあ暑いしよく知らないのに死ぬほど道を聞かれてうんざりしているんでしょうが、態度がむかつくよこの税金泥棒めと思わせていただく。荷物も重いのでこっちも暑いしうんざりしながら歩きます。

 階段を上り、「OIOI」みたいな表示のあるビルが見えます。どうやらこれが東京以外の人が「読めるか!」と憤慨すると有名な「マルイ」らしいです。確かに読めないな。まあそれはいい。問題は、そこにデジタル表示されていた気温が「35度」だったことです。

えー、今は5月のはずなのですが。暦の上からすれば。

 もういろいろ死にたい気持ちで歩き続けます。階段がつらい。そこにジャイアントパンダがいたりしたので、愛でながらちょっと休む。

 気を取りなおしてまた階段を下りると、そのあたりで派出所みたいなのがありましたが、自転車が何台も置いてありました。

 その先に進むとわりと理解できたのですが、どうも上野やこの辺りは下町っぽいようで、道がとても狭くてくねっているので自転車のほうが機動力があるのでしょうね。

 しかし本当にビルが高く、道がとてもせまい。かつ真っ直ぐじゃない。

 本当にちょっと火をかけたら大惨事になりそうです東京。札幌の道の分かりやすさが異常なのでしょうか。都市計画は大事です。東京は都心から「の」の字を描くような形で作っていったそうですが、もう少し道を広くしたほうがいいんじゃないのかね特に住宅地。風情はありますが圧迫感があるので、札幌のほうが好きかな。

 重くて暑いので東京に悪態をつきながら歩いていると、途中富士そばに気を取られたりしましたが、なんとか無事目的地のホテルにたどり着きました。住宅街の中にあり、けっこう分かりづらい立地です。

 小さい入り口に入るといきなり英語(たぶん)。

 フロントで男の人が英語(かどうかも自信がないが)を異国の客人と話しています。入り口が外国の人でいっぱいです。といっても5人ぐらいですか。カプセルホテルの半分が外国人だったという志紀さんの言葉を思い出します。今のところ100%ってところだな……。私以外。

 異国の団体さんは家族連れみたいです。楽しそうでいいね君たち。順番が来てフロントのお兄さんと話すと日本人だけあって日本語も通じたので、予約を確認していただきカードキーを頂きました。今は鍵じゃなくてカードなんだ……。事前にお金を振り込むシステムだったのですが、お金のやり取りがなくて気楽です。まあこれで「予約入ってませんよ」とかになると大変混乱するとは思いますが。

 フロントの前にはアメニティやお茶のティーバッグなどがあるので物色。化粧落としも髪を縛るゴムもみんなあります。

 えっちらおっちらエレベーターに乗り込み指定の階に行くと、「ゴホッ、ゲゲホッ!」とかなり重そうな風邪の男の人の声がします。私の二つ手前ぐらいの部屋みたいです。誰か知りませんが、大丈夫ですか……。

 まあ人の心配をしている余裕もないので、自分の部屋の前で「えー、これどうやって使うんだ」とカードを持ってみると、ピッとロックが開きました。カードリーダーみたいなのに通すと思いきや、単にドアの機械にかざせば開くみたいです。なんかホテル、おばあちゃんしばらく宿泊していない間に進化しておる……。

 文明の利器に感心しながら入ると、台所もあるし、冷蔵庫もあるし、お湯沸かしもあるし、ベッドもダブルだし(シングルと同じ値段だったのでダブルにした)、クーラーもある。よかったちゃんとしています。

 口コミとかで調べておいたのですが、長期宿泊者用に、台所を用意して料理ができるようにしてあるそうです。ただ、台所の排水にゴミが残っていたりして汚い……。お湯沸かしもカルキがすごく残っていて汚い……。鍋も使う気になれない感じで、まあここは清掃がダメなのも口コミに書いてあったので、さほどショックを受けずに受け入れる。ようは使わなければええねん。ありがとう口コミ。

 超重かった折り畳み椅子や目録を置き、おでかけの用意をします。なにしろ6時までに新宿三丁目に行かなくてはならぬ。土地カンがないので、ここからどのくらいかかるのかも分かりません。

 最初は上野からJRで行くつもりだったのですが、しかし……、ここからまたあの階段を上って上野へ行くのは辛い。なんか嫌だ。

 どうやら別方向にメトロの駅があるので、そっちに向かうことにします。なんとかすればメトロでも行けるはず。たぶん。たぶんですが。

 望みを持ってメトロの駅へ向かい、近くのファミマへお茶を買いに行くと、店員さんが二名いるうち二名とも異国の人でした。上野はそういう町なのかな……。

 疲れを残しつつトポトポと駅に入って路線図を見ると、何故か、路線図にこの駅の名前を見つけられない。

 駅員さんもぜんぜんいない。

 どうなってるの……、と思いつつ、近くにお金持ちそうなマダムがいたのでせっぱつまった感じで声をかけます。実際に時間もあまりないしせっぱつまっていたしな。

「ここは銀座線で、ここがここの駅(何故かはじっこあたりにかなり小さく書かれていた)だから、赤坂見附で乗り換えて」

「赤坂見附?」

 聞いたことはありますが、自分が一生のうち立ち寄る予定はたぶんなさそうだった名前です。まあ新宿三丁目も本来行くとは思っていませんでしたが。

「出たら、目の前の列車に乗るだけだから簡単だからね。あと、ここの駅は逆方向だから、向こう側の駅から乗ってね」

「分かりました、大変助かりました、ご親切にありがとうございました!」

「分かりづらいよね~ここ。じゃあね」

 お礼を言ってマダムと別れます。ちなみに上野駅の警察官とは比べ物にならないほど丁寧にお礼を言っておきました。

 メトロは十年ほど前に東京に行ったときに乗りました。まあ網棚のついた地下鉄です(ちなみに札幌の地下鉄には網棚が無い)。安心して乗り込みました。

 ああ、涼しくてラクだ……。

 どことない安心感があります。ことこと座りながら乗ります。赤坂見附に着き、さあ乗り継ぎ……と思ったら、マダムのおっしゃるとおり目の前に列車。

 えっ、コレ乗っていいの!? 一回確認したいんだけど! と思っても目の前のコレはすごい満員電車です。早く乗れやみたいな感じで、確認するヒマがありません。

 仕方なく中に入る。まあ時間もないし間違ったらそれまでじゃと一瞬でハラをくくります。

 しかし。

 今日は、平日のはず……。なんでこんな花火大会みたいにぎうぎうに混んでいるのか赤坂見附。押して押されて人の気が立っています。人が出るのに慣れていないので反応が遅れて、オッサンに「チッ」みたいなこと言われます。なんなの東京こええ。平日夜からこええ。いやもしかしたら朝から怖いのかもしれませんが。東京こええ。

 ともあれマダムの言ったとおりでなんとか路線も合っていたらしく、無事に新宿へたどり着きましたが、もう時間です。少しだけ間に合いそうもありません。

 わざわざ「予約制なので、遅れるときは電話を入れてください」と言われていたので、電話を入れます。

「予約した者です。えー、(そうだな……)……5分ほど遅れそうなので、宜しくお願い致します」

「えっ、ハ、ハイ」

 向こうがどれだけせっぱつまるのか分かりませんので一応電話しましたが、なんか「5分ぐらいで電話しなくても」みたいな態度だったので、焦らなくても良かった様子。

 安心して駅から目的地に行こうと地図を見ましたが、どの方向を見ても天高くビルが立ち並び看板だらけで、すぐ近くのはずなのに目的地を見つけることができません。

 道の案内地図を見て探しますが、横にぴったり若い警察官がいたので、声をかけないのもどうかという空気になり、一緒に探してもらう。思ったとおり、向こうも土地カンは無く私たちはおそろいで分かりません。でも一生懸命探してくれていい人です。

 そうこうしている間に、看板を見つけて「ここです! 分かりました!」とお礼を言っていい人とお別れしました。

 ビルに行くと、いっぱい看板やチラシがあります。間違いない。そっくり館キサラです。

 一人でヨラヨラと入っていく。とりあえず長くなりそうなので、次回はキサラ編です。