2016おひとりさま東京旅行8。東京はやっぱりいろいろなんとなく砂漠なので、うっかりすると干上がりかける。
お昼に美味しいパーコー麺でおなかをふくらまして、スケート場を目指して、るらるら暢気にメトロを進む私。
事前に『東京 スケート場』で検索してみたところ、明治神宮外苑アイススケート場がヒットしたので、まあ行けそうかなーと思って行ってみましたよ。
さあではここで、明治神宮外苑のサイトに載っている、最寄り駅の情報を見てみましょう。
JR中央・総武線
「信濃町駅」「千駄ヶ谷駅」
東京メトロ銀座線
「外苑前駅」「青山一丁目駅」
東京メトロ半蔵門線
「青山一丁目駅」
都営大江戸線
「国立競技場駅」「青山一丁目駅」
以上。
ぱっと見、こう見ると、「青山一丁目駅」って感じがするじゃないですか。みっつもあるじゃないですか。
国立競技場駅のほうが地図で見ると、ずっとアイススケート場に近いので、正直私はそっちで降りようと思ったのです。
ただ、青山一丁目で乗り換えて、国立競技場へ行こうとするとなんと。
メトロの乗り放題券が使えない。
区域外なのか路線が違うからダメなのか、まあ一駅分だし、上のような最寄り駅の表示なので、歩こうと思ったんですよ。ぶっちゃけ、東京の地下鉄の一駅分なんて、たいした距離じゃないと思ったんですよ。帰りにキハチの青山本店なんてあるみたいだから寄ってみようとかのんきに構えていたんですよ。おともだちが言ったとおり、何が何でもSUICAを買えば良かったのかも知れません。
地 獄 を み た。
行ったことがある人は知っている情報かもしれませんが、この辺りは東京らしからぬ道路の広さ。緑の多さ。のんびりさ。
札幌人だけに伝わる言葉で言うと、まあムードとしては真駒内のあたりです。
いま冷静に地図を見れば分かるんですが、まあ……、よくこの距離を歩いたなと……。歩いても歩いても道路です。
周りは、野球場とか野球場とかテニスコートとか、スポーツ野郎の楽園。緑がいっぱい。いいところ。コンビニも見えないぐらいの、広い道路と刈り込まれた緑の楽園。
実際スポーツが盛んなようで、私が歩いている道路を野球のユニフォームを着た学生たち(たぶん)がマラソンしていて追い抜いていきます。彼らも最短距離を走りたいために道路のはじに寄りたいところですが、私もちょっと「この距離は完全にしくじった」と思っているので、外側に行こうと思っても身体があまり言うことをききません。正直若者の邪魔。
公園みたいなだだ広い場所に添うように道路があるので、ほとんど信号にひっかかることがなく、マラソン道路としてはかなり最適です。だが最適すぎるのか何もなさすぎて、コンビニどころか自動販売機すら見えない。スポーツ少年たちがファンタでも飲んでサボろうとしないようにとの配慮なのでしょうか。ここまでくると悪意すら感じます。あったとしても私が見つけられなかっただけかもしれませんが。
暑い。
昨日35度だっただけあって、同じぐらい暑い。
若冲展はさすがに水分補給の用意を周到にしていきましたが、まさかのスケート場へ行く途中で地獄。お茶のペットボトルは一本しかありません。さすが東京砂漠。水分が保つかどうか不安です。
えー……。
記憶が定かではないしデータがないのですが、炎天下、体感的には一時間ぐらいは歩いたんじゃないかな……。
しかし検索してみると、青山一丁目から明治神宮アイススケート場までの徒歩経路は1.3km、約17分と書いてあって、「絶対ウソだ……」と思いました。どう考えても5kmぐらいはあった気がする……。精神的には絶対。ちょっと坂になってたし。
ちなみに、歩いているときに道路を挟んで右側もずーっと塀や緑の景色で、この辺は一体どうなってるのと思っていたのですが、今見たらその辺りは赤坂御用地や東宮御所がある場所でした。雅子様とかお暮らしなのですね。なるほど。コンビニとかが見えないのもなんとなく納得。
ともあれ、やっとこさアイススケート場にたどり着きましたが、ヘロヘロです。
アイススケート場のすぐ横に「国立競技場駅」の看板が見えます。ケチるんじゃなかった……。ケチるんじゃなかったよ……。
券売機でチケットを買います。ここの料金は事前に調べておいたのですが。
たっっか!
滑走料(1日券)は1,340円。貸靴料(1日)510円。たっっかあ! 付添見学料というわけのわからんものまで徴収される様子。怖い。
われらが札幌市は入場料580円、貸靴は1時間200円、2時間250円なので、比べると半額というスーパーリーズナブル。
あとで聞くと市や公共で運営されていると、スケート場もだいぶお安くなるんだとか。まあ土地代とかもあるかもしれませんが……。なにしろ東京ですから。
一時間しかいないのに、1,850円というお高い金額を払って中に入ります。映画館か。
ちなみにコインロッカーは100円から。札幌は50円なので、いろいろ倍かかる計算ですね……。
スケート靴を借りて中に入る。やや薄暗くて、スケート場特有の香りがします。なにより涼しくていい。さすが暑さに弱い私の永遠のオアシスです。
ちなみに私がスケートを始めたきっかけは「暑かったから涼しいところを求めたらたどり着いた」です。いろんな人に始めた動機を聞いてみましたが、同じ理由の人には今のところ出会えたことがありません。
よしよし、いっちょ東京の人に私の優雅な滑りを見せ付けてやろうじゃありませんか(かなり下手)。
……。
滑れないいいい!
確かに人づてに聞いてはいました。「マイシューズに慣れてしまうと、もう貸靴では滑ることができない、旅行先で貸靴で滑ったらぜんぜん滑ることができなかった」と。
ほんまやああああ!
ギャアアアア、エッジが無い、こわいいいい! 具体的に言うと、後ろ向きに滑るのが大変困難です。グキっていって頭を打ちそうです。
これはアカン。
あきらめて大人しくしずしずと滑ります。まあ雰囲気を楽しみに来たんだし、そもそもがド下手なんですから大人しく滑りましょう。
まあ、結論から言うと、「札幌とおんなじだー」と思いました。
平日の夕方なので、セミサークル(半円を描く)の練習を頑張ってる奥様たちがいたり、レッスンを頑張ってる子供がいたり、頑張ってるイケメン選手がいたり、バッジテストの音楽がかかっていたり。変わったところではイスラム教の女性なのか、頭に布をかぶって滑っている人もいました。でもまあ、雰囲気としてはやっていることは全国同じなのかな……。と思いました。結論以上。
もちろん違っているところもあって、ここには売店が併設されていました。コンビニみたいな感じで、軽食や飲み物を買ったりできるのです。休む椅子スペースなんかもあり、樋口新葉ちゃんのポスター貼ってありました。がんばれわかばちゃん。
あと羨ましかったのが、スパッツやスカートなど、スケートグッズが買えるショップがあるんですね。買おうかなと思ったのですが時間もなかったし、試着室も見あたらなかったので、我がふとましきふとももが入るか心配だったのでやめました。(よく事故を起こす)
スケート場も満喫したので、外に出て、今度は間違えずに「国立競技場駅」に入ります。もう歩くのはええねん。結果めちゃくちゃスポーツした。
さて、まだ時間もあったので、お土産を買うことにします。
まず銀座に行ってシャレオツなチョコレートを買って、お土産ものが集まるという東京駅でお土産を買いましょう。そしてそのまま上野で荷物を回収し、JRに乗って浜松町に行って、モノレールに乗って空港に行くのです。ふふ、かんぺきね。
青山一丁目から銀座線に乗れば、なにしろ銀座線なので銀座にちゃんと着きました。
しかし、地上に出るとさっきとうってかわって大都会。
新宿と一緒で、四方八方高層ビルです。地図はあるのですが、なにしろ東西南北が分からないので、間違った方向に行くと現在の体力では命取りです。
おりよく例のサミットのおかげで、警察官が「こんなにいらんだろ」ぐらいに配置されているので、「こっちはどっちですか」「ハイハイ、こっちはあっちですね」と年配の警察官が人のいい感じに対応して教えてくれました。よかった今回もアタリだ。
無事にだいたい迷うことなく、チョコレート屋さんに着くことができました。漫画『テレプシコーラ』の第二部に描いてあった『ブロンデル』のチョコレート屋さんです。私の行きたい店は漫画に描かれている店がけっこう多いです。
まあ激烈に高いらしいチョコレート屋さんなのですが、割って買えるチョコレート屋さんなので、2、3千円分ぐらいいくつか買って味見したいなーと思って入ってみたのです。私はチョコレートに関しては許容範囲がわりと広いのです。が。
……。
どうしよう。
棚を見ると、割ってあるチョコレートがどれもひとつ2,400円とかします。アカン。明らかに予算オーバー。途方にくれます。
微妙に横揺れしていると、いかにも「本気でチョコ専門で売ってます」みたいな細身でメガネの若いお兄さんが、どうしましたみたいな感じで声をかけてくれました。
「イエ、いくつか買いたかったんですが、思ったよりもコレ高くて」
と正直に言う私。貧乏人なので正直に言うのが信条です。見栄を張ってごまかしても物事は先にすすまない。
「予算に合わせて割ることもできますよ」
と言ってくれるお兄さん。ジーザス。他にお客さんもいないので、甘えてお手をかかずらせることにしますよ。
「じゃあ、予算は二千円ぐらいで、三種類ぐらいお願いします」
結局、人気のとミルクチョコとホワイトチョコのあたりでおすすめしてもらうことにしました。
「これが一番人気のカカオ90パーセントのです(80かもしれない、記憶が曖昧)」
90パーセントじゃ苦いんじゃないかな……。と思いつつ小さなカケラを試食させていただく。
「……」
うめええええ! 今まで食べたチョコレートの中で、一番うめえええ! さすがお高い店の一番人気。正直、値段が高くても味は所詮チョコレートじゃろと思っていましたが、明らかに違う味がします。悔しいことに。
そしてさすがチョコレート。疲れた身体にかなりのエクスポーションです。
ミルクチョコは、ナッツの入ったのを試食させていただく。あむり。
うめえええ! これはチョコというより、ナッツがものすごく質がいいみたいで、ナッツが格段にうめえええ!
ホワイトチョコレートは、女性に人気のドライフルーツの入ったものにしました。ただ先のふたつは700円台ぐらいで作ってもらったのですが、これはフルーツが入っている分重くて、同じグラム数で作るとけっこう小さくなってしまうので、これだけ少しお高い値段で同じぐらいの大きさに割ってもらいました。
だいたい消費税も入って2,500円に収まる値段。お世話になったお兄さんにお礼を言って店を出ます。
あとで家に帰って家族とわけ、落ち着いて食べたのですが、やっぱり一番人気のチョコレートが格段に美味しかったです。こればっかり買っても良かったかなと思うぐらいでした。残念ながら高いチョコレートおいしい。
チョコレートはまあ個人的なサブミッションなので、これから東京駅に行って、本格的にお土産を買いますよ! 下調べもしてきたし、お姉さんお土産にはバッチリ本気を出すよ!
と思っていたんですが、やっぱりあんまりうまくもいかなかったよというヒキ。まあ私のやることだしな。