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ねこだれる

2016おひとりさま東京旅行9。おひとりさま東京旅行とは、歩くことと見つけたり。

2016.12.08 14:49


 チョコレートは順調にいったので、次はお土産を買いに東京駅に向かうのです。なんかこう、検索したところお土産は東京駅って感じでした。さすが東京駅。東京のメッカです。なんだかよく分からないけど、きっと東京のお土産は全てここで揃うに違いない。

 順調にメトロを降りて鼻息荒く、スターンと東京駅に着きました。早速お土産屋さんを探します。

 ですが、小さなお土産屋さんしか、しかもほんの3畳ぐらいでやってますよみたいなお店しか何故か見当たりません。何故だ。ここはお土産のメッカじゃないのか。

「すみません……、もっと大きいお土産のお店ってありませんか」

と聞いてみたところ、あっちいってこう道をずーっと奥に行ったらありますよというお話です。ええ、お察しの通りイヤな予感がします。

 たぶんこことは正反対の、北口と南口ぐらいの逆方向あたりへ向かわなくてはならない予感。しかも駅が巨大。しかしここでひるむわけにはいかないので、もう歩くのが疲れたどころかかなり飽きてきましたが歩くことにしましょう。

 人の波に沿って歩きます。そちらには大丸とかもあるようですが、札幌にもどうせあるし行く余裕もたぶんありません。

 まだかー、まだかーと歩いていき(やっぱりけっこう距離あった)、やっとお土産フロア的な場所にたどり着きました。

 私が狙っていたのは、ごまたまごと、ザ・メープルマニア(パンチのある名前)。それと、20個ぐらいは入っている配布用のお菓子とかです。もちろん他においしそうなものがあれば一向にかまいません。

 しかし。

 ごまたまごはあるのですが、メープルマニアは無い。そして他のお菓子も、思ったよりも数が少なくて高いのです。けっこう吟味して時間をかけて探しましたが、コレといったぴったりのものが無いのです。

 メープルマニアは無いですか、と訊ねたところ、催事でたまに来るけれど今はないということでした。なんたるちあ。東京駅にはあるみたいな書かれ方でしたが、まあ所詮ネットの情報だしな。

 うーんうーん、なんだか不完全燃焼です。ここで全部揃えて帰ろう! と思っていたのに、結局ごまたまごしか買いませんでした。

 私は長く悩むのがめんどくさいタイプなので、「あー、めんどくさあ!」となり、もう移動することにしました。もう空港で買うことにしましょう。どうせ重いしそうしましょう。

 そして当然、今来た長い道をもとに戻る。

 私は……、この長い距離を……、時間を……、たった一箱のごまたまごのために……。と思わないわけでもないですが今は忘れましょう。

 疲労困憊ですが、上野へ戻り、ヨドバシカメラへ帰ってきました。くそ重い(言葉は悪いですが使わせていただく)荷物を持って、JRへ乗り込みます。

 あつい……、夕方だけどJRはまだ暑いよ……。メトロ暮らしが長いとこたえます。

 浜松町からモノレールに乗ろうとすると、「空港快速」というのがありました。どうやら、他の駅をすっとばして空港に行ってくれるようです。他のスーツケースを持った人たちもそっちに並んでいるので、当然そっちに並びます。

 ふううう……、ここまで来ればひとあんしん……。

 ぶっちゃけ私は、この日はぜんぜん休んでいなくてですね。途中で女の子らしくカフェでお茶とかすればいいものを。

 いや確かに、パーコー麺食べて秋葉原に戻る途中、ガンダムカフェとかあったんですけどね。銀座に資生堂パーラーとかもあったんですけどね。

 けっこういやかなりやっぱり微妙にお高いし、カフェってけっこう注文して時間とられるじゃないですか。だから入らないで、コンビニで買った特茶ばっかり飲んでました。で、痩せたかというと全く痩せていなかったんですけどね。まあいつものことですけどね。緊張と疲れで食欲もあまりありませんでしたしね。

 そんなことはともあれ、ANAがある第2ターミナルへ着きました。

 お土産ー、お土産ーと思いながら、超重い荷物をひきずってANAショップ(お土産もの屋さん)を物色します。実はこの空港へ着いたときに、多少物色しておいたのです。なので一気に買う。

 木久蔵ラーメン! 崎陽軒のシウマイ! 上野風月堂のゴーフル! 妖怪ウォッチの人形焼き!(ジバニャンの顔の形になってる)

 ごっそり買って、レジのお姉さんに持っていく。手持ちの荷物も頼む。

「重いんですが、これも袋で合体できますか……」

「重いですね」

「若冲展の図録が重いんです」

「ああ! 私も行きたかったんですよ~。京都でこんどやるっていうから、行こうかと思ってて!」

意外と話が弾んで、お姉さんは超重い荷物を、大きいビニール製の袋に二重にして入れてくれました。これがけっこうガッチリしたいい袋で、上が閉じるようになっているんです。「次の旅行のときに使おう」と思っていまだに取ってあります。ありがとうお姉さん。

 他にもお土産を物色して、早めに空港に行こう~と一時間ぐらい前に受付にいってみました。行きと同じように端末を操作して、無事に完了です。ふー。

 一息ついて周りをみると、お弁当屋さんとかあります。昼からほとんど何も食べていないので、見てみますがけっこう高い。しかもすごくおいしそうなのは北海道の海鮮弁当です。さすがにそれはどうかな。

 とりあえずやめて違うほうへ進むと、なんとここでやっとメープルマニアが売っていました。

 おいしいって話だけど、どうかなと思って試食です。運よく試食を食べさせてくれました。あむ。

 ……。

 ……。

 おいしくないわけじゃないけど、別に、これなら白い恋人とかのほうがうまいよな……。

 と思って、買うのを断念。試食が逆にアダになった形に。

 そのままナナメに動いて荷物検査場のほうへ行くと、「荷物検査、30分待ち」とか書いてあります。なんだと。時計を見るとあと45分ぐらいしかありません。ほわわわわ。あわてて荷物検査に行きます。

 しかし、あわててスプレー缶とか出そうとするのですが、専用のカゴが置いていない。しょうがないので荷物だけ出して進みますと、ギリギリでカゴが復活しました。後ろの人もいたので、あわれて一つのかごにギュウと置くと、係の人に「ちゃんと分けて置いてください」とか言われたので、「カゴがなかったので」と言いました。

 そう。この点は私が悪いわけではなかったのです。しかしすぐ「チケット出してください」とか言われて、それは忘れていてあわてたので、段取りの悪い人間であることは普通に露呈しました。

 あああと思ってヨタヨタしながら荷物検査を通ると、ここでまたすっかり忘れていたことを思い出しました。

 ここから乗るところまで、なぜかひどく延々と距離があるということを……。

 ギャアアアアアと思いながら、何度も言いますが超重い荷物を持って小走りに走ります。私は旅行に来たのだろうか身体を鍛えにきたのだろうか。

 長い距離の途中でおにぎりのお店がありましたので、たらこと昆布を買い込みます。札幌に着くのは夜なので、さすがに何か食べておかないと、おなかがすいてかわいそうです。私が。

 おにぎり受け取ってかっとばし、やっと乗り口まで来ることができました。あと改札開始まであと10分ぐらい。飛行機に乗ってからおにぎりを食べるとおにぎり臭が激しいと思うので、同席の人に迷惑をかけないように今のうちにかっこみます。

 近くに自動販売機があったので、ペットボトルのお茶も買い込みます。カッカッカッカッカッ。

 しかしどうしてこう余裕を持った行動ができないのか。年をとったら落ち着くと昔は思っていましたが、何年経っても同じなので、きっと死ぬまでおっちょこちょいはおっちょこちょいだろうなと思います。みんなも心あたりのある人は諦めてそう思うように。

 やっと時間になって、「プレミアムメンバーの方~」と呼ばれます。もう慣れましたので大丈夫です。どんとこい経済格差。もうおにぎりも食べ終わったので大丈夫ですよ。

 飛行機に乗り込み、荷物棚に荷物をどかーんと入れて、席にどかーんと座ると、後から来た同席の人は若いおねえさん二人組でした。ふたりでキャッキャウフフと楽しそう。いいっすね……。

 ドリンクサービスが回ってきて、私はウーロン茶にしようと思ってたんですが、おねえさんたちが「スープ!」と言っていたので私もついスープにしてしまいました。

 なるほど、あったかくておいしいです。隣のおねえさんが「もう一杯スープ!」とおかわりしていました。私は横でほんのり「おかわりしていいんだ……」と若さあふれる行動に圧倒されていた次第。若いって凄いわね……。

 今回もなんとか飛行機は落ちなかったので、私は命をまた拾った……みたいな気持ちで新千歳空港に降り立ちました。しかしみんなはもっと気楽に笑っててたいへんうらやましい。

 時刻表を見ると高速バスが出る時間まではあと20分ほどありましたので、トイレ行ってお茶飲んで、やっと一息つきます。

 しかしすることがなくてヒマなので、早めに並んでバスに乗り込みました。

 乗ってみて分かったのですが、ANAははじっこあたりなので、『始発』みたいな位置なんですね。そのあとJALのところと国際線のところへ寄るので、ANAだとバスは最初に好きなところへ乗れていいな……。と思いました。

 今度はバスはギアが壊れなかったので(まあたぶん普通は壊れない)、ちゃんとバス停につきました。

 乗り換えて家に向かうバスに乗ると、どうやら日本ハムの試合があったみたいで、ファイターズファンと思われる人たちがちらほらといます。そして結果は知りませんがムードとしてなんとなく負けた気がします。そして帰って結果を聞いたらやっぱり負けていた。

 しかしファイターズには札幌として普通程度にしか思い入れがないので、そんなことは忘れて疲れでうとうととしていると。

「……ハルキが」

 とか向こうの席の人が言っています。なに? 村上春樹? とか思っていたら「……翔が」とか続きました。ああ、ファイターズかい……。たぶんハルキは村上ではなく西川遥輝です。翔は当然中田くんでしょう。良く知りませんが、ファンは選手を下の名前で呼ぶものなのであろうか。

 なんだかファイターズカードらしきものをもって女性二人は語り合っています。なにやら真剣で楽しそうですね。まあどうでもいい話なのですが、ちょっと面白かったので。

 その後は普通に家に無事着いたので、あーやれやれよっこいしょとか思いながら、とりあえずお土産を広げてみました。並べるとちょっと忘れかけていましたが、カツが二枚のカツサンドがありました。兄が起きていたので、呼んで二人で早速食べてみました。こういうのは早く食べたほうがいいでしょう。あむり。

 うまああああ!

 カツサンドうまあああ! 大正解! カツは二枚にして大正解だったよ!

 カツは固いものだと思っていましたが、美味しい上に二枚なのに柔らかく噛み切れるんですよ! パンとの相性もばっちりですよ! どうなってるの! がつがつがつ!

 もう肉の万世だけ北海道に来てくれないかとまた思う次第。

 ちなみに他のお土産もみんなで分けておいしくいただきました。

 まあ……。

 旅行記といってもこれだけなんですけどね。よく歩いたなあ……。ほぼ歩いたなあ……。

 帰ってきてから『とんかつDJアゲ太郎(漫画)』を読んで「上野でトンカツ食べればよかったあああ!」と思ったりもしました。この漫画、最初のところにカラー写真でトンカツの写真が載っているんですよ。豪快な飯テロですよ。

 同時期にスケートの大会で東京に行った人もいて、「サミットで警官すごく多かったよね~」とか話したりしました。

 豪快にタイムロスして歩いたりしましたが、まあ一人で計画して一人で行って無事に帰ってきたのでよかったなあと……。母が仏壇に無事を祈ってましたのでそのせいかもしれません。ありがとうございます。

 また10年後ぐらいに東京に行ったら旅行記を書くのかな……。なんでしょうかねこの謎の決まりごとは。まあとりあえずこれでおしまい!