20.やりたいことは何か
煮詰まって もがいて ひっくり返して
思い通りにいくことばかりではない
思い通りになんてならないことの方が多い
できない理由も
やらない理由も
自分でまとって 自分で苦しんで
こんなんじゃ嫌だと
思ったら
腹をくくるしかないんだと。何度もそんな”くくり時”はきている
私を社会に結びつける方法は私が探して私が決めて
私がやる。
そう思っていたけど
もっとシンプルに。
話にのってみるのも もしかしたらありかもしれない。
とあるオーナーさんにここでお菓子を作ってみないかいと言われた。
スタッフとしてでもなく
そこ。でお菓子を作って売る。
場所を使っていいよという話だ。
オーナー一人で切り盛りしている飲食店。
山奥にあるため一日に訪れる客数はそう多いわけではない
それでも固定のファンはついていて
日々営業している
ここ、年間通してだと約5000人もの人がこの地を訪れるという
イベントも含めとはいえ 小さな山奥の個人店に5000人というのはすごい数だと思う
秘密はドッグランだ。
しかもそれらは無料。これを目当てに年間5000人もの人が訪れる。
オーナーさんはそこでハンバークを提供しているのだけれどどこかで修行を積んで来たプロの料理人というわけではないらしい。
それでも丁寧に作っている点、そして材料がしっかりしているのだろう
非常に美味しいハンバーグだった。
そしてここでは栗が採れる
敷地内には栗の木が沢山植わっている
それはお客さんにも認知されていることのようで
お客さんにも度々『栗のデザートないんですか?』と
聞かれるのだそう。
のんびりやっているとは言っても本音を言えばオーナーだってもっとお客さんは来て欲しいし”お金”を落として言って欲しいと思っているはずだ。
ボランティアでやっているわけではないのだから。
そこで偶然出会った?私に白羽の矢が立ったというわけだ。
誰でもいいんちゃうかな?とは思うが笑。
おそらく実際誰でも良かったのだと思う。
お菓子を置いた方がいいんじゃないか。それが目下のオーナーの考えだったのだから。
行き場を失っている栗たちが 甘露煮となってここには沢山保存されているらしい
どんな状態かわからないけど…
これをお菓子にして欲しいのだと もったいないから と。
私を厨房に案内し オーナーは言う
ここでお菓子が作れないか?
足りないものが(機材)あればなんとかできるようにしてみるし。
オーブンは家庭サイズほどで十分とは言えないが冷蔵庫も立派なガス台もある。
家からは車で30分。山道で車に負担はかかるが通えない距離ではない。
確かに。悪い話ではない。
言ってみればお菓子に関しては好きにしていいと言うことだし
しかし あいまいな点が多すぎる
まず雇用の形態も雇用されると言うわけでもない。
私がここでお菓子を作って提供する。というだけの話(ん?というかそれはなんだろう?)
オーナーが自身で年間5000人と言っているが日々の数にしたらどうだろう?
10人くれば多い方ではないか?(実際私が言った時もお客さんは私たち含め8人ぐらいだった)
喫茶利用と持ち帰りにメジャーな焼き菓子を少量?県外からのお客も多いとなれば土日と予約に焦点を当てればギフトもいけるかもしれない。いや、そこでの”体験”にお客さんは一番の価値を持っているだろうからそれは見込めない気がする。。
んー現実的に仕入れは? 売り上げは?
というかやっぱり私の立ち位置がよくわからない。
いろんな思いが頭をよぎり
その時はあまり気が進まなかった
自分の店の話(住宅兼店舗)は進めていくつもりだし
ならば一年だけの期間限定という選択もあるかもしれない
でもその間には産休に入るかもしれない
中途半端、無責任に携わることには抵抗がある。
そしてもう一つ気になるのはその飲食店が併設しているドッグラン
ドッグランはもちろん外なのだが
飲食スペース、店内も境目がない。
ワンちゃんを嫌っているわけではない
だけれども 正直 飲食店でこれほどまでに境目がないというのは自分がこれまで衛生面に気を使って来たこと(過度ではないが)
以前喘息を持っていたことと 合わせて
いささか抵抗があるのだ
そしてハンバーグは美味しいが あくまでここでのメインはワンちゃんだということ。
やっぱりそこでお菓子を作るにしても私のポジションがよくわからない
そんな思いがあって 私は二つ返事できなかった。
しかし
今の私にはお菓子を作って提供する場がない。
私と社会との接点はゼロに等しい
そんな状況が苦しくて苦しくて 仕方がない
還元する何かを持ってるはずなのに それを積んで来たはずなのに
それを何にもできていない自分の不甲斐なさ
情けなくて自分にイライラするばかりだ
そして思い始めている。。
大切なことは何かと
誰かのためにお菓子を作り続けることではないかと
どんな状況であっても
信じて自分の菓子づくりを続けることではないかと
今の私には圧倒的に”直当たり”が足りない
そんな自分が嫌いだ 心のままにフランスを駆け回っていた
私が悲鳴をあげている(奇声?)
やってみてもいいんじゃないか?
もちろん条件は洗い出して交渉しなければならないが。。
どうだろう。
年明けに。答えを出そう。
それまでにしっかり考える。