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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

フランス革命の道13-幻の英国上陸作戦

2021.05.12 09:12

1779年4月12日、スペインがフランスの側に立ってイギリスに参戦した、その条件は、フランスがマヨルカ、フロリダ、ジブラルタル奪回の援助をすることだった。そしてこのとき、ルイ15世時代に計画されていたブリテン島上陸作戦が再発見された。実はルイ16世は海軍を強化しており、前年の成果に自信を持った。

この作戦は、仏西連合海軍が英仏海峡を制圧し、その間に4万人の兵を上陸させるというものだった。ところが、急ごしらえの作戦らしく、主力最新鋭艦の準備が遅れてしまい、5月の予定が7月になる。すると、積載している水や食料が腐敗して、水兵8千人が病気にかかって作戦は失敗した。

続く6月、スペインの見返りのため、ジブラルタル包囲戦が開始された。これには10万人の兵力と48隻の艦隊が動員され、3年以上も戦われた。さらに81年にメノルカ島の侵攻作戦が開始される。これも当初の見込みよりも大戦争になってしまうが、メノルカ島はスペインが奪回する。

ルイ16世の海軍強化は、米大陸でチェサピーク湾の戦いで勝利して、ようやく成果を見ることになった。惜しむらくは、仏領土の拡張は、西インド諸島の2、3の島に留まり、皆他の援軍になってしまったことである。この不満は財政悪化の表面化と共に出てくる。

下はジブラルタル包囲戦