J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
今回は当夜の第2曲、
バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
の紹介です。
まず今回の動画はこちら。
ところで、ソナタとパルティータの違いって?
ソナタ(教会ソナタ)は真面目な音楽で、バッハのこの曲集では3曲のいずれにも中核にフーガを据えて、威光を放っています。
一方のパルティータ(組曲または室内ソナタ)は舞曲を構成した世俗音楽です。
ソナタはフォーマルな音楽、パルティータはカジュアルなそれと言えましょう。
とはいえ、パルティータが聴き劣りするものではありません。
かの有名な《シャコンヌ》がパルティータ第2番の終曲に配されていることから、より自由に、感情の思うままに表現した音楽と言えるかもしれません。
パルティータ第1番は、緩-急-緩-急の4つの舞曲に、そしてそれぞれの後にドゥーブルという変奏曲を加えて、計8つの部分から構成されます。
ドゥーブルは各曲のエピローグのようであり(それも短くなく)、主部で語り尽くせなかったことをこれでもか!と吐き出しているようです。
この執拗さは何なのでしょう?
この曲集を完成したとされている1720年、バッハは妻のマリア・バルバラと死別してしまいました。
その慟哭がパルティータ第1番に反映されたのでは?
そう思い演奏を聴きますと、バッハの人間らしさに触れるようです。
なお、この時代、作曲家が自身の人生や精神状態を作品に吐露することはなかったと言われていますが、バッハも人間だったと思いたいです。
各曲、そしてドゥーブルは以下の時間より始まります。
0分10秒ードゥーブル 5分18秒
8分3秒ードゥーブル 11分23秒
15分ードゥーブル 18分50秒
22分ードゥーブル 25分6秒